日経平均とTOPIXのインデックスファンド:買うならどっち?
トウシル / 2023年11月11日 8時0分
日経平均とTOPIXのインデックスファンド:買うならどっち?
「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第3回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
毎回クイズを1題、解いてもらいます。クイズの答え合わせをしながら、資産形成に必要な知識を一つ一つ身に付けていってください。
今日のクイズ:日経平均とTOPIXのインデックスファンド、買うならどっち?
<クイズ>次の二つのインデックスファンド【注】で、大型成長株の構成比率が高いのはどっち?
- 日経平均インデックスファンド
- TOPIX(東証株価指数)インデックスファンド
【注】インデックスファンド
市場全体を代表する株価指数(インデックス)に連動するように運用されているファンドのこと。日本株を代表する株価指数として有名なのは、日経平均(日経平均株価225種)とTOPIXです。投資信託やETF(上場投資信託)に、この二つに連動するよう運用されるインデックスファンドが多数あります。
【参考】TOPIXとは
TOPIX(東証株価指数)は、東京証券取引所上場の主要銘柄から計算される株価指数です。2022年4月の東証再編までは「東証一部全銘柄の時価加重平均(浮動株調整ベース)」でした。東証再編で、東証第一部は廃止され、代わって東証プライム市場・スタンダード市場・グロース市場がつくられました。TOPIXは再編後は旧東証一部上場企業を中心とした東証主要銘柄から計算される株価指数となりました。
日本株インデックスファンドにも、いろいろある
個人投資家が日本株に投資する際、以下三つの方法があります。
- 三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)やINPEX(1605)など個別銘柄を選択して投資する。
- インデックスファンドに投資する
- インデックスを上回るパフォーマンスを上げることを目指すアクティブ運用ファンドに投資する
【2】インデックスファンド投資は、いわば「平均点狙い」です。日本株全体を代表する指数にほぼ連動するので、その運用成果は「日本株全体の平均」となります。
これに対し、【1】個別銘柄投資は「平均点以上を狙う」投資です。選んだ銘柄次第で、インデックス(日経平均やTOPIX)を上回る成果を得られることもありますが、下回る成果となることもあります。
【3】アクティブ運用ファンドへの投資も同じです。選んだファンド次第で、インデックスを上回る成果が得られることも、下回ることもあります。
今日のクイズは、インデックスファンドの中で何を選ぶか考えるヒントとなるものです。多くの個人投資家は、日本株でインデックスファンドに投資する際、日経平均インデックスファンドを選びます。ただ、TOPIXインデックスファンドを選ぶ人もいます。この二つを、どのように使い分けたら良いでしょうか?
クイズの正解:日経平均インデックスファンドの方が大型成長株の構成比率が高い
【1】現在の日経平均インデックスファンドは、TOPIXインデックスファンドよりも大型成長株の構成比率が高いと考えられます。
上記解答は、日経平均とTOPIXを比較分析した上での筆者意見で、日経平均を算出している日本経済新聞社の公式見解ではありません。なぜ、そう考えるか、以下で説明します。
TOPIX、TOPIXグロース指数、TOPIXバリュー指数の動き比較:2020年末~2023年11月7日
過去約3年(2020年末~2023年11月7日)、東証ではバリュー株(割安株)の上昇率が高く、グロース株(成長株)は不振でした。それが上記のグラフを見ると分かります。
TOPIXには、バリュー株もグロース株も含まれ、ほぼ東京証券取引所の全銘柄に近い動きをします。「TOPIXバリュー指数」は、東証に上場している主に大型バリュー株を指数化したものです。「TOPIXグロース指数」は、主にグロース株を指数化したものです。
このグラフに日経平均の動きを書き込んだのが、以下のものです。
日経平均、TOPIX、TOPIXグロース、TOPIXバリュー指数の動き比較:2020年末~2023年11月7日
ご覧いただくと分かる通り、日経平均はTOPIXよりグロース寄りの動きをしています。TOPIXより大型グロース株の構成比が高いためと考えられます。
2020年以前のデータも見てみましょう。2017~2020年は、グロース株のパフォーマンスが良好で、バリュー株が不振でした。
TOPIX、TOPIXグロース指数、TOPIXバリュー指数の動き比較:2016年末~2020年12月末
これに日経平均を書き込むと、以下の通りです。日経平均は、TOPIXグロース指数とほぼ同じ動きをしていることが分かります。
日経平均、TOPIX、TOPIXグロース指数、TOPIXバリュー指数の動き比較:2016年末~2020年12月末
日経平均は2020年以降の銘柄入れ替えで変わった
日経平均は、最初からグロース色が強かったわけではありません。時代とともに、変化してきています。1990年代は、グロース株よりバリュー株の比率が高かったと考えています。
ところが、2000年代以降の銘柄入れ替えによって、少しずつバリュー株を減らしてグロース株を増やしてきました。その結果、近年はかなりTOPIXグロース指数と近い動きをするようになりました。
ただし、まだバリュー株もたくさん残っています。グロース株もバリュー株も含む、市場全体を代表する株価指数でありつつ、少しグロース色が強くなっていると考えています。
なお、これは、筆者の株価指数分析による意見であり、日本経済新聞社のコメントではありません。
日経平均に8割、TOPIXに2割、インデックスファンド使い分け
私は、日本株のインデックスファンドに投資する時、ざっくり8割を日経平均、2割をTOPIXインデックスファンドとしています。日経平均に過熱感が出る時は、日経平均を少し減らしてTOPIXを少し増やします。逆に、日経平均が過剰に売り込まれてきたと思う時は、日経平均を増やして、TOPIXを減らします。ご参考まで。
▼著者おすすめのバックナンバー
窪田真之のクイズでわかる!資産形成:2023年11月4日「安定感のNTT株と利回り10%の債券、買うならどっち?」、
2023年10月28日「投資家タイプ別、自分にぴったりの投資対象の見つけ方」
(窪田 真之)
この記事に関連するニュース
-
「割安・内需・小型株」に注目する四つの理由(窪田真之)
トウシル / 2024年11月28日 8時0分
-
三菱UFJ銀行では「S&P500」や「オルカン」人気再燃、一方でバリュー株ファンドの台頭も
Finasee / 2024年11月28日 7時0分
-
年内最後の値動きに期待!東証グロース株5選~新NISA、年末の使い方をおさらい~
トウシル / 2024年11月20日 16時0分
-
新NISAで中小型株 下げトレンドに逆行し年初来高値圏を維持する希少15銘柄
トウシル / 2024年11月6日 8時12分
-
日経平均は反発、自律反発期待の買い 米大統領選前の備えも
ロイター / 2024年11月5日 15時57分
ランキング
-
1電気・ガス料金高止まり「風呂キャンセル」「設定温度1℃」で何円変わる? “ちょっとした”節約術をご紹介【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月29日 21時59分
-
2為替相場 30日(日本時間 6時)
共同通信 / 2024年11月30日 6時0分
-
3行列スキップ「ファストパス」飲食店で拡大!食材費や人件費の補填や、ドタキャン対策にも【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月29日 21時30分
-
4高級タワマン老人ホームへ引っ越しました!…慶應卒・78歳同期の元常務から届いた満面の笑みの年賀状。年金月30万円・元部長は即座に画像検索「脅威の入居金額」に悶絶
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年11月29日 10時45分
-
5NYダウ平均株価終値、188ドル高の4万4910ドル…一時4万5000ドル台に乗せる場面も
読売新聞 / 2024年11月30日 3時29分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください