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スポット購入と積み立て投資、やりやすいのはどっち?日経平均は積み立て向き(窪田真之)

トウシル / 2023年11月14日 7時0分

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スポット購入と積み立て投資、やりやすいのはどっち?日経平均は積み立て向き(窪田真之)

読者の質問:スポット購入と積み立て投資、どちらがやりやすいですか

 今日はまず、読者の質問に回答するところから始めます。スポット購入とは、いつ買うか「自分で決める」ことです。株が下がると思う時は買いを控え、株が上がると思う時は急いで買う、そんな買い方です。株が下がると思う時に、少し売ってみるのも良いかもしれません。

 一方、積み立て投資ならば原則、毎月一定額を淡々と買い続けます。いつ買うか考える必要がありません。原則、売ることもありません。

 どちらが良いか、答えは質問者さんの心の中にあります。経済の勉強をして株価チャートを見ながら売買タイミングを考えることにワクワクするならば、スポット購入をやってみたら良いと思います。仕事や家庭が忙しく、株を買うタイミングなんか考えたくないならば、積み立てにすべきです。

 もう一つ考えるべきことがあります。あなたが、いいタイミングで売買するセンスがあるかどうかも大切です。いつも高値で買い、安値で売ることを繰り返しているようならば、センスが悪いことを認めて、積み立てに変えた方が良いと思います。

 素直過ぎると、トレードには向きません。景気が悪くなって悲観が広がっている時、株は往々にして安くなっていて長い目で見て「買い場」かもしれません。でも、素直な方は、みんなが悲観的な時は株を売りたくなります。

 景気が良くなって楽観が広がっている時、株は高くなっていて「売り場」かもしれません。でも素直過ぎると、みんなが楽観的な時は株を買いたくなります。

 安くなった時に買って高くなった時に売るには、ある意味「健全なひねくれ者」である必要があります。

値が荒れる日経平均は積み立て投資に適している

 日本株・米国株とも急落・急騰を繰り返しながら上昇しています。日経平均株価(225種)あるいはS&P500種指数(米国を代表する株価指数)に連動するインデックスファンドやETF(上場投資信託)に積み立て投資をしている方には、落ち着かない日々が続いていると思います。

 私は、米国株は成長株として、日本株は割安株として投資価値が高く、米国株・日本株ともダブル積み立てを続けていくことが中長期の資産形成に寄与すると考えています。

 以下、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が本格的にスタートした2013年以降のS&P500と日経平均の値動きを比較した以下のグラフをご覧ください。

日経平均とS&P500の値動き比較:2012年末~2023年11月13日(S&P500は11月10日まで

出所:2012年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 アベノミクスが本格的に始まった2013年を起点として日経平均とS&P500を比較しました。それぞれ3倍超に上昇しており、良好なパフォーマンスと言えます。

 ただし、一本調子に上昇してきたわけではありません。何回も急落・急騰を繰り返しながら、上昇してきました。2015年後半・2018年後半・2020年初め・2022年前半にはかなり大きな下落を経験しています。

 日経平均もS&P500も、乱高下しながら最終的には、企業業績の拡大、1株当たり利益の増加を反映して上昇してきました。このトレンドは、今後も続くと考えています。

 日経平均・S&P500とも、自社株買いと業績拡大によって、これからも継続的に1株当たり利益を伸ばしていくと予想しています。コツコツと積み立てを続けていくことが、中長期の資産形成に寄与すると判断しています。

 両方とも値動きが荒れる資産ですが、細かく見ると、日経平均の方がS&P500よりも急落急騰の振れ幅が大きいことが分かります。外国人投資家が、世界景気敏感株として日経平均先物の売り買いを繰り返すことが、日経平均の荒い値動きにつながっています。

 日経平均の急落局面にフォーカスした、以下のグラフをご覧ください。何度も急落を繰り返しながら、上昇していくのが日経平均となっています。積み立て投資に最適な投資対象だと思います。

日経平均の動き:2012年末~2023年11月13日

出所:2012年末の値を100として指数化、QUICKより楽天証券経済研究所が作成

値動きが荒いアセットの積み立てで効果を発揮する「ドルコスト平均法」

 これから資産形成を考えている投資家は、月々1万円とか2万円とか、金額を決めて積み立てていくのが良いと思います。積み立て投資は、日経平均やS&P500に連動するインデックスファンドやETFのように、値動きの荒いアセットへの投資で効力を発揮します。

 積み立て投資の威力(ドルコスト平均法)を理解いただくために、簡単な例を作りました。まず、以下のクイズを解いてみてください。

【クイズ】

 以下の投信A・投信Bに、1カ月後と2カ月後に1万円ずつ投資したとして、3カ月後の資産価値は、どちらが大きいでしょう?

◆【投信A】値動きが乏しいアセット

 1万円でスタート、1カ月後・2カ月後・3カ月後も1万円のまま。

◆【投信B】値動きが激しいアセット

 1万円でスタート、1カ月後に1万2,000円(スタート時より+20%)に上昇、2カ月後に8,000円(スタート時より▲20%)に下落、3カ月後にスタート時の1万円に戻る。 

 どちらも、1万円でスタートして、3カ月後に1万円です。ところが、アセットAとBに積み立て投資した場合で、3カ月後の資産価値に差が生じます。

【答え】

 アセットBに投資した方が得です。アセットAでは、投資した2万円が、3カ月後に2万円のままですが、アセットBでは、投資した2万円が、3カ月後に2万0,800円に増加します。

【解説】

 アセットBに、1万円ずつ投資し続けると、価格が上がったときには少ない量しか買えませんが、価格が下がった時にたくさん買えます。高いときに少し買い、安いときにたくさん買う運用が、自然にできていることになります。

【さらに詳しい解説】

 アセットAは、1カ月後に1万円で1単位、2カ月後にも1万円で1単位、買えます。合わせて2単位、取得できます。その評価額は、3カ月後に2万円です。値動きがないので、損も得もしません。

 アセットBは、どうでしょう? 1カ月後、1万2,000円に上昇したときは、1万円で0.83単位(10,000÷12,000)しか買えません。ところが、8,000円に下がった2カ月後には1万円で、1.25単位(10,000÷8,000)買うことができます。合わせて2.08単位、取得できます。

 3カ月後に価格が1万円に戻れば、評価額は、2万0,800円となります。800円だけ、資産価値が増えています。

ファンドマネージャーにとってもうれしかった「積み立て投資」

 私は、25年間、年金・投資信託などの日本株を運用するファンドマネージャーでした。ファンドマネージャー時代に、とても残念に思ったことと、うれしかったことがあります。

 まず、残念なこと。私が運用していた公募投信(日本株のアクティブ運用ファンド)では、日経平均の高値圏で設定(買い付け)が増えるのに、日経平均の安値圏では、ほとんど設定がありませんでした。株は安い時に買って、高くなった時に売ると利益が得られるわけですが、公募投信では、残念ながら、その逆の動きが見られました。

 次に、とてもうれしかったこと。私が運用していたファンドが、DC(確定拠出年金)の運用対象となったことです。多数の企業に採用していただけました。DCでは、毎月、一定額の設定が入り続けます。加入者の方に、定時定額で積み立てしていただいたことになります。そうすると、日経平均の高値でも、安値でも、淡々と設定が入ってきます。

 日経平均が大暴落して世の中が総悲観になっている時、往々にして、絶好の投資チャンスとなっています。ファンドマネージャーとしては、そんな時こそ、しっかりと投資を増やしてほしいと思います。ところが、公募投信では、そういう時に、設定が入ってきません。

 私が運用していたDCファンドでは、定時定額の積み立て投資が入ってきますので、2008年のリーマン・ショックで日経平均が大暴落し、世の中が総悲観になっている時でも、淡々と積み立てが入ってきました。2020年2月のように、コロナショックで急落したところでも、積み立て投資では安くなったところで投資が続けられています。

 誰でも、株は安い時に買って、高い時に売りたいと思うのでしょうが、言うのは簡単で、やるのはとても難しいことです。そうするためには、世の中総悲観になっている時に、株を買い、みんなが明るくなって強気になっている時に、株を売らなければなりません。

 それは、少しひねくれた方にしかできないことです。普通の素直な方は、みんなが明るくなっている時に、株を買いたくなり、暗くなっている時に、株を売りたくなるでしょう。

 普通の素直な方は、変に、いいタイミングで株を買い、いいタイミングで売ろうとしない方がいいと思います。それでは、どうするべきか? 私は、定時定額(例えば毎月1万円)の積み立て投資をしていくべきだと思います。

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(窪田 真之)

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