新NISAのつみたて投資枠での投資信託選び!やってはいけない3選
トウシル / 2023年11月24日 8時0分
![新NISAのつみたて投資枠での投資信託選び!やってはいけない3選](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_43337_0-small.jpg)
新NISAのつみたて投資枠での投資信託選び!やってはいけない3選
資産形成の正解は人それぞれですが、一方で、多くの人が失敗してしまう考え方や、やり方があるようです。このシリーズでは、資産形成を始める人が陥りがちな失敗事例を取り上げ、やってはいけない行動を分かりやすく解説します。
お悩み
新NISAのつみたて投資枠でうまく投資信託を使うにはどうしたら?
桜田剛さん(仮名)会社員・50歳(独身)
桜田さんはこれまでつみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)を利用して積立投資を4年ほど続けていて、うまく資産が増えてきていることに満足していました。そのため2024年から新しいNISA制度がはじまることをとても楽しみにしており、どんな投資信託を追加で投資しようかワクワクしながらスタートを待っていました。
これまでは米国株式のインデックス投資でずっと積立投資をし続けていたので、もっと世界株式に分散してみようか、債券やREIT(リート:不動産投資信託)などのいろんな資産にも投資をしてみようかとやりたいことがたくさん思い浮かんでいました。
しかし、制度スタートが近づくにつれてどんな商品を選んだらいいのか、どのくらいの金額を追加したらいいのかを考えすぎて逆によく分からなくなってきました。これまでうまくいっていたからといって増額しても大丈夫なのか、ここから相場が下がってきたら損失の方が大きくなるのでは、他の商品にまで手を広げてうまくいくのかなど、考え出すと心配事が増えてきました。
桜田さんが新NISAのつみたて投資枠の投資信託選びにうまく対応するにはどうしたら良いのでしょうか?
【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明はこちら】
新NISAのつみたて投資枠で投資信託選びをする時に注意することは?
新NISAの積立投資をどうやって使うべきか、どんな方法があるのか。多くの投資家が悩んでいるだけでなく、メディアでもさまざまな視点からNISAを取り上げる動きが活発になっています。
NISAを使った資産形成は今後の日本人にとってなくてはならない制度ですし、iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)や401kを組み合わせて、一人ひとりや家庭の将来の支出に備え、貯蓄をしていくことになるでしょう。これだけ国や企業やメディアがこぞって力を入れているのですから、いずれ自然と広まって私たちの生活に溶け込んでいくのは目に見えています。
ただ今はまだ、NISA自体が日本でやっと根づき始めてきた状況です。NISAをどう使うのかを悩んでいる人がまだまだ多くいます。そこで今回はNISAのつみたて投資枠を使って投資信託選びをする時におさえておきたい注意点をお伝えします。
つみたて投資枠で投資信託選びの注意点1:金額を安易に増やしてはいけない
新NISAの制度が発表されてから弊社のお客さまからよく問い合わせがあるのは、新しい枠は追加で何を買ったらいいのかという話です。この質問に対してではどのくらい追加していくのか、それは本来の投資目的に合っているのか、資産のバランスはどうするのかなどを話し合って適切な投資を検討していきます。
ここで前提となるのは、追加投資しても問題ないだけの資産や収入があるということです。弊社のお客さまは年齢だと60歳前後の方が多く、一般的にいえば富裕層や準富裕層のカテゴリーに入る金融資産を持つ人ばかりです。つまり追加投資する余裕資金があるのですが、だからといって誰もがNISAを利用するわけではありません。
では資産形成をする場合はどうでしょう? 私は資産形成ならNISAのつみたて投資枠を利用しない手はないと考えています。積立投資で最も大切なことは毎月きちんと投資原資を積み上げられるかどうかで、運用結果に多くを求める必要はないはずです。
そもそも毎月数万円の積み上げでは、年間10%のリターンであっても資産をすぐに築けるわけではありません。5年10年と時間をかけて積み上げていくことが重要です。つまり継続こそが大切なので、投資できる枠が広がったからといって、無理して金額を増やして続けられなくなることが問題です。自分の収支にあった適切な金額で投資をしましょう。
つみたて投資枠で積立投資の注意点2:商品をむやみに増やしてはいけない
積立投資できる金額が増えれば、同じ商品ではなく他にはないのかと検討するのは自然なことでしょう。実際にNISA枠を利用する多くの方からどんな商品を追加したらいいのかという質問を頂いていますし、金融機関もつみたて投資枠のために新しい商品を用意したりもしています。
ではどんな商品を検討したらいいのでしょうか? 私としてはこれまでの投資と同じでも問題ないと考えています。そもそも制度が変わったからといって、みなさんの投資目的や収支が変わるわけではないはずですし、制度も投資のやり方を変えなければいけないようなものではありません。
もちろん、これを機に同じ投資対象でもコストが低い、成績が良い、ポイントが付くなどしっかりとした理由があるなら商品を見直してもいいでしょう。資金に余裕があって、追加したい投資先があるならそれもいいでしょう。しかしそれでも商品の数を増やすのはおすすめできません。できるだけ管理しやすい商品数に収め、シンプルな投資を目指すべきです。
積立投資をしている人の多くは普段は投資にそれほど労力や時間を割いていない人が大半です。ただでさえ投資には普段使わない知識や専門用語も多くあります。そこに複数の商品を保有して、情報量を増やしすぎてしまうと適切な管理ができなくなります。分散したいのなら初めから分散投資をしている商品を選ぶべきでしょう。
つみたて投資枠で積立投資の注意点3:長期プランであることを忘れてはいけない
注意点1・2にも通じるものがありますが、つみたて投資枠を利用した投資は長期的に継続して行うことが前提にあります。
確かに今回のNISA制度の変更は大きなイベントですので、検討することもいろいろとあるかもしれません。しかし、投資先資産(おそらく主に株式インデックス投資)は毎年良くも悪くも動きがあります。むしろ1年間の間に、相場に変化がない年などないでしょうし、毎月話題はつきません。
投資する金額や商品などをその都度変更していても労力に見合うとは思えませんし、むしろ積立投資の良い点を蔑ろにしているともいえます。積立投資なら決めた投資先へ機械的に淡々と毎月同じように繰り返すことが重要です。それをいかに長期的に続けられるかどうかが積立投資のポイントです。
投資を始めた当初は特にいろんな商品や話題に目が行きがちです。しかし、つみたて投資枠を利用した投資に特別な対応は必要ありません。もともと長期プランなのですから良い時もあればそうでない時もあって当然です。一度始めたらほったらかしぐらいでちょうどいいのです。それができる金額や投資対象を選ぶようにしましょう。
ほったらかしで忘れるぐらいでちょうどいい
何も特別なことは必要ない、シンプルな投資で十分
資産運用というとつい難しく考えがちですが、実際にはとても高度で専門的な知識や経験が必要なものもあれば、初心者でも簡単にできるものもあります。高度で複雑な運用をしたければプロが運用する投資信託を通じて投資するという手法もありますが、実際は難しいことや特別なことまで手を広げる必要がある人というのはほんのわずかです。
簡単な運用より高度で複雑な運用の方が成果が良いというわけでもありません。投資経験や知識が身についてきたり、積極的な運用をしたいと本気で思って行動したりするときに勉強すれば十分です。
むしろほとんどの人にはシンプルで分かりやすい運用の方が管理もしやすくコストも低く済み、納得度の高い運用をすることができると思います。
■著者・西崎努氏の著書『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』(アスコム刊)、『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊)が大好評発売中です!
【要チェック】
楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、本連載「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。
また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。
(西崎努)
この記事に関連するニュース
-
NISAの活用実態が判明!つみたて投資枠と成長投資枠の平均投資額、“驚きの実態”は…
Finasee / 2024年7月16日 18時0分
-
「NISA」と「iDeCo」って何が違うの? 初めてやるならどっちがおすすめ?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 9時10分
-
NISA口座を開いたけど「シニアは投資しないほうがいい」「インフレに対応するには投資が必要」といろいろな情報に惑わされています。どのように投資したらいいですか? ~後編~
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月27日 9時0分
-
新NISAの成長投資枠、個別株やアクティブファンドに分散投資したほうがいい?
トウシル / 2024年6月27日 7時30分
-
しまった、年金繰下げしなきゃよかった…70歳会社員、5年後には「年金28万円」も〈新NISA〉登場で大後悔のワケ【CFPの助言】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月23日 11時45分
ランキング
-
1今回のシステム障害、補償はどうなる?…「保険上の大惨事」「経済的損害は数百億ドル」
読売新聞 / 2024年7月20日 21時24分
-
2次はコメで家計大打撃!? 昨年の猛暑の影響で不足が懸念、約11年ぶりの高値水準に 銘柄によっては品薄や欠品も
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月20日 10時0分
-
3物言う投資家エリオット、スタバ株を大量取得=関係筋
ロイター / 2024年7月20日 5時59分
-
4「みんなの意見は正しい」はウソである…ダメな会社がやめられない「残念な会議」のシンプルな共通点
プレジデントオンライン / 2024年7月20日 16時15分
-
5AI利用で6割が「脅威感じる」 規則・体制整備に遅れも
共同通信 / 2024年7月20日 16時50分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)