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新NISA活用!定年までの資産の築き方、投資の神様バフェット氏に学ぶ銘柄選び

トウシル / 2023年12月5日 16時0分

定年65歳までに2,000万円の資産形成

 新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)が2024年1月から始まるにあたり、あらゆる年代の方から多くのご質問をいただきます。国民の関心の高まりと浸透具合を肌身で感じるところです。

 先日、立教大学で学生や高校生向けの講演に登壇させていただきました。その際も60を超える質問が続き、時間内に全てお答えできないほどでした。

 さらに、いろんな現場でお会いする20代や30代の声で最近、特に多い傾向が親世代を思いやる質問です。「50代の母親が資産形成を考えているけれど、今からNISAは遅いですか」といった心優しい質問もこれまでに多数いただいています。

 そこで、今回の連載では、年代別のシミュレーションを紹介します。

 20歳から資産形成を始めれば、65歳まで45年の時間を味方につけることができます。例えば、利回り7%であれば月々5,300円で2,000万円の資産形成は夢ではありません。

 利回り7%の運用を考えれば、30歳では月々1万1,000円、40歳では2万4,000円で資産形成ができます。現行のつみたてNISAで月当たり3万3,333円(年間40万円)の枠を使い切っている方が多いことからも、毎月コツコツと実践して、ほったらかしておけば意外と手元資金が増えることになります。

 試算表は定年65歳までに2,000万円を目標にしていますが、65歳以降も現役で働く方も多いですし、人生100年時代を考えれば、50歳から新NISAを始めて20年かけて資産形成することも十分に可能です。

 新NISAの良いところはどんな年代からでも始められて、100円の少額からでもできるところです。NISAの鉄板は、オールカントリー(全世界株)、S&P500種指数、日本株全体などインデックス(株価指数)投資が一般的です。しかし、インデックス投資以外にも成長投資枠で、自分で考えて投資をしてみたいという声が多いのも事実です。

 そこで、どんな点に注目して企業を選ぶのか選定基準をお伝えします。

優位性を持つ企業を選ぶ、バフェット流「エコノミック・モート」

 エコノミック・モートとは、構造的に優位性を持つ企業は持続的な収益の獲得が期待されるという考え方です。「投資の神様」とも称される米著名投資家ウォーレン・バフェット氏が大切にしている概念の一つです。

 であるならば、株価のパフォーマンスでも長期的に優位性があるのではないかと想起されますよね。このバフェット氏が大切にする概念「エコノミック・モート」ですが「モート」とは、城の周りにある「堀」、つまり参入障壁のことです。

 堀が深く、広ければ、経済的に参入障壁が高くなります。

 モートの要素は五つあります。

1.無形資産・ブランド価値

 長年かけて積み上げた結果、無形資産やブランド価値が付いてくるものですので、エコノミック・モートの他の要素が互いに影響しあい、「1.無形資産・ブランド価値」を持つ企業になります。米飲料大手コカ・コーラ、米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーなどが当てはまります。

2.乗り換えコスト

 他の企業に簡単には乗り換えしにくいビジネスモデルです。例えば、セールスフォースなどの会計は導入した企業側がオペレーションの変更などを面倒に感じ、一度導入されると競合に優位に働きます。同じように、クラウドサービスのマイクロソフト、アマゾン・ドット・コムも同じです。そのほか、命に関わる医療機器は乗り換えコストが高まります。

3.ネットワーク効果

 利用者が増加すればするほど、その企業の価値が高まっていき、他が追随できないポジションを獲得します。

4.コスト優位性

 多店舗展開できる小売企業や飲食店は規模の経済が効きます。特定の地域に集中して出店するドミナント戦略で拡大できますし、大量の仕入れで商品を安く提供することが可能です。また、プライベートブランド(PB)を開発する体力もあり、いいものを安く提供できますので、インフレ社会では消費者から支持を受けます。

5.効率的な規模

 4のような規模の経済というよりは、ニッチな分野で高シェアを取れる企業です。あるいは、この分野では特化してNO.1である企業です。

 新NISAがスタートするタイミングで、現行NISAをこれまで活用されている方も一度、自身のポートフォリオを「見直し」するいいタイミングになりそうです。今から始める方も含めて、バフェット氏の考え方をぜひ、参考にしてみてください。

 バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイの副会長でバフェット氏の盟友である、チャーリー・マンガー氏が11月28日に静かに息を引き取ったことが分かりました。

 マンガー氏のアイデアや存在がバフェット氏の投資にも大きな影響を与えたと言われています。「バークシャー・ハサウェイは、チャーリーのひらめき、知恵、参加なしには現在の地位を築くことはできなかった」とバフェット氏はプレスリリースの声明で述べています。

(トウシル編集チーム)

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