新NISAで後悔しないためには?失敗から学ぶ、長期投資の心構え
トウシル / 2023年12月8日 11時0分
新NISAで後悔しないためには?失敗から学ぶ、長期投資の心構え
いよいよ1月から新NISA (ニーサ:少額投資非課税制度)が始まりますね。非課税投資枠が格段に増える新NISA。新NISAが開始したらどんどん投資していこうと意気込んでいる人も多いのではないでしょうか。
ネット上ではなるべく早く生涯投資枠を使いきるのが良いという意見も散見されますが、本当にそうでしょうか。筆者の失敗談に学ぶ、新NISAで投資を始める前に押さえておきたいポイントをお話しします。
暴落のシミュレーションなんてしたことないですよね!?
新NISAで投資を始めようと思っている人は運用のシミュレーションをしたことがあると思います。毎月1万円ずつ積み立てると20年後にはこんなに増える、5万円ならどうか、10万円ならどうか、とシミュレーションをすると夢がふくらみます。
ですが、実際にはこのようにずっと右肩上がりで資産が増えていくわけではありません。世界経済は長期的に成長していくとしても短期的には株価は上がり下がりします。そんなことは分かっていると言われるかもしれませんが、実際に自分が投資した10万円が8万円になったときにどう感じるでしょうか?
翌日7万円になったらどうでしょうか? 6万円、5万円と毎日少しずつ下がっていったらどうでしょうか? 100万円が80万円になったらどうでしょうか? 1,000万円が800万円になったらどうでしょうか? 実際にそうなったときには想像よりはるかに精神的ストレスを感じると思います。
失敗談(1)株価暴落、慌てて売って後悔
恥ずかしながら筆者の投資初心者の頃の失敗を披露します。当時、長期目線で世界株式に投資する投資信託に積立投資をしていたのですが、相場が良いときだったので、資産がどんどん増えていきました。それがうれしくて、普通預金に置いておいても増えないからもったいないと思い、投資額をスポットでどんどん追加していきました。
するとある日株価が暴落し、(理由は忘れてしまいましたが…そして暴落というほどでもなかったのかもしれませんが…)資産が8割くらいになってしまいました。びっくりして、どうしたらいいか分からず、どうしよう、どうしようとオロオロするばかり。とりあえずこれ以上損をしたくないと思って大慌てで売却してしまいました。
調子にのってどんどん突っ込むんじゃなかったと後悔しました。しかしその後、株価はしばらくすると戻っていました。でも私は売却してしまっていたので損しただけ。慌てずにずっと持っていればよかったとさらに後悔しました。
やはり長期積立投資の基本に忠実にやっていけばよいのだなということを学びました。
失敗談(2)利益が出ているうちに売って後悔
さらにもう一つ失敗談があります。今度は前回の失敗があるので、利益が出た時に利益確定させたいと思ってしまったのです。一度利益を確定させて、また一から積み立てたらよいのではないか?と思ってしまい、利益が出ているときに売却しました。
特にすぐに必要なお金ではなかったので売ったあとの資金は口座に眠ったまま、つみたて投資を継続しました。でもその後もどんどん株価が上がっていったので、あれ!?売ってしまったものもどうせ再投資するんだったらずっと置いておけばよかったのか!?ということに気づきました。
暴落時に売ったときに基本に忠実にやっていけばよいと学んだはずがまだ分かっていなかったのです。
後悔しないためには、必要なときまで持ち続けること
結局のところ、長期投資の基本をしっかりと理解していないと、または理解していたとしても人間の心理として、下がっても売りたくなる、上がっても売りたくなってしまうのかもしれません。
今すぐ必要な資金じゃないのであれば、株価が上がろうが下がろうがずっと保有し続けて、必要なときに必要な額を売却すればいいのだということの両方を私は経験して(失敗して)心底理解できました。
それからは私の財布は四次元ポケットだと思うことにしました。四次元ポケットなので広がったり(増えたり)、縮んだり(減ったり)しているけれど、必要になったときに「10万円~!」といった具合で出せばいいのです。
10年かけて資産をつくる
投資は預金と違って額面が変動します。短期的には元本が割れてしまうこともあるので、2年後に必要な学費100万円や生活費を「投資すれば増えるかもしれない!」といって投資にまわしてはいけません。10年以上先の教育費であれば、株価がいったん下がったとしても戻るのを待てる場合もあるので一部を投資で準備するのはよいでしょう。
ですが、全てを投資で増やそうとしたり、安易な利回りのシミュレーションであてにしたりしてはいけません。何のためにいつまでにいくら必要なお金なのかを一つひとつ考え、それぞれの目的と期間にあった投資先を決めてください。投資のようには増えなくても、預貯金で貯めることも必要です。長く投資を続けられる金額をしっかり考えましょう。
コツコツが勝つコツ
長期投資の基本は長期、分散、積立です。早く始めて長く積み立てを継続することが資産形成の秘訣(ひけつ)です。また、コツコツ積み立てをしたら、コツコツ使うのが資産を長持ちさせるコツであると思います。
成長投資枠で投資した株が高騰し、一獲千金が手に入ることが増えるのもうれしいかもしれませんが、コツコツ積み立てができるような家計習慣、生活習慣をしていれば貧乏になることはありません。ドンと増えた資産をドンと使うのではなく、コツコツ使っていけば残りは運用が続きます。
今まではつみたてNISAで投資先や投資金額が制限されていたのでリスクを抑えた投資ができていましたが、新NISAで自由に投資ができるようになったおかげでリスクをとりすぎてしまう人も出てくるかもしれません。筆者のエピソードを教訓にして、株価が上がっても下がってもコツコツ積み立ててコツコツ使う、ということを意識していただけたら幸いです。
(橋本 絵美)
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