2024年の相場展望~筆者が今気になっている3つのこと
トウシル / 2023年12月21日 11時0分
2024年の相場展望~筆者が今気になっている3つのこと
予想に反して大きく上昇した2023年の日本株
もうすぐ2023年も終わり、2024年を迎えます。そこで今回は、2024年の相場展望と題して、筆者が2024年の株式マーケットを迎えるにあたり、現時点で気になっていることをお話したいと思います。
筆者は正直、2023年の日本株は下落すると思っていました。米国のインフレ高止まりから景気悪化となり株価が大きく下落、日本株もそれにつれて下落するという相場観を持っていました。
ところが実際は、日経平均株価は2022年末の終値から20%を大きく超える上昇となりました。
筆者は相場観を誤った場合も、株価のトレンドについていくようにしていますので、株価上昇局面では買いに回ったりしましたが、何度か空売りを強めに入れたことがあり、その損切りが結構なダメージとなってしまいました。
2023年も相場観とは真逆の展開になりましたし、筆者が将来の株価を予想したところで当たるとも思いません。そこで、相場観というよりは、「こうなるかもしれないなあ」と気になっている点をお伝えしていきたいと思います。
過去の株価暴落前との共通点があるのが非常に気になる
筆者が最も気になっているのが、過去の株価暴落前の日経平均株価と金利との関係性につき、共通点が足元で出現しつつあるということです。
過去、2000年にITバブル崩壊、2008年にリーマン・ショックがありましたが、その直前の日経平均株価が高値を付けた時期と、米国10年物国債利回りが高値を付けた時期をみると、次の通りとなります。
・ITバブル崩壊時
日経平均株価高値:2000年4月
米10年国債利回り高値:2000年1月
・リーマン・ショック時
日経平均株価高値:2007年7月
米10年国債利回り高値:2007年6月
このように、まず米国10年物国債利回りが高値をつけ、次いで日経平均株価が高値を付けた後、株価が大きく下落しているのです。
そして足元では次のようになっています。
日経平均株価高値:2023年11月
米10年国債利回り高値:2023年10月
つまり、足元では、ITバブル崩壊時やリーマン・ショック時と同様の日経平均株価、米国10年物国債利回りの関係性となっています。
これをたまたまの偶然とみることももちろんできますが、筆者は2024年の株式マーケットが波乱の展開になる可能性を大いに想定しておいたほうがよいと考えています。
多くの専門家・評論家が「米国は2024年に景気後退したとしてもソフトランディングとなる」と語っていますが、そうならない可能性もありますから油断は禁物です。
横ばいの続く日経平均株価が上に抜けるか下に抜けるかを要注目
相場観を持つのは良いと思いますが、上がるか下がるかを予想して、それに固執するのは危険です。そうではなく、株価が動いた方につくというトレンドフォローの戦略を取った方がうまく行く可能性が高いと筆者は考えます。
その観点から日経平均株価の日足の株価チャートをみると、6月から半年ほど横ばいの動きになっています。11月20日の3万3,853円46銭、10月4日の3万0,487円67銭をそれぞれ上限、下限としてボックス圏の動きが続いているわけですが、今後、この上限を上抜ける、もしくは下限を下抜けることがあれば、筆者はその動きに素直についていこうと思います。
2023年4~6月ごろの日経平均株価の大きな上昇をみてもわかるように、株価が横ばいから上放れた場合は、その後上昇トレンドになることが多いです。
個人的には、11月20日の高値を超えたところは買い時になると考えています。逆に、10月4日の安値を割り込んだ場合は、さらなる大きな下落の可能性も想定しておく必要があります。
日経平均株価の日足チャート(2023年3~12月)
そろそろ成長株に資金が回ってもおかしくないが…
日経平均株価は2023年、大きく上昇しましたが、東証グロース市場250指数(旧マザーズ指数)は2022年同様、2023年もぱっとしない1年でした。
すなわち、小型成長株の多くが株価上昇とならず、逆に株価が下落してしまったものも数多くありました。
これは、インフレ・金利上昇により将来成長株があげることができるであろう利益の現在価値が大きく低下してしまったことが主因と思われます。
ただ、その成長株の下落の理由が業績悪化であれば致し方ないのですが、業績は好調で、単に利益の現在価値の低下によるものというケースも多いです。その場合、企業成長そのものは続いていますから、確かに一頃のようなPER(株価収益率)100倍超まで上昇したときのようなスピード感はないものの、着実に株価が上昇していく可能性も大いに考えられます。
こうした面から、ここ2年ほど売り込まれている成長株にも、改めて注目したいと思っています。
東証グロース市場250指数の日足チャート(2023年3~12月)
以上、筆者が現時点で思っていることをお話してきましたが、正直根拠があるわけでもなく、単に「こう思っている」というだけです。
最終的には「株価は株価に聞け」というのが筆者のスタンスなので、今後株価が上がろうと下がろうと、株価のトレンドの変化には常にアンテナを張っておきたいと思います。
■【動画で学ぶ】足立武志さんの株投資テクニック満載!
≫【資産形成】株で儲ける人が実践するいい忍耐・失敗する人のダメな忍耐
≫勘違いしてませんか?NISAの税金、基礎知識(足立 武志)【楽天証券 トウシル】
≫【初心者向け】投資初心者は注意!株の注文方法(指値・成行)の使い分け
(足立 武志)
この記事に関連するニュース
-
一進一退ムードの中、株価下落時の見極めがカギ~注目は「あの米国企業」の決算~
トウシル / 2024年11月18日 12時10分
-
トランプトレードの賞味期限は?両立難しい株高と金利高。相場の味方「ハネムーン期間」は100日(土信田雅之)
トウシル / 2024年11月15日 8時0分
-
米国「トランプ相場」の余韻に日本と中国が絡む展開~一喜一憂しやすい地合いで上値トライできるか?~
トウシル / 2024年11月11日 12時10分
-
[今週の株式市場]イベント満載の今週で相場の方向性が決まる?~株価の「波」で考える今後のシナリオ~
トウシル / 2024年11月5日 12時20分
-
与党大敗後の日経平均上昇はもう限界?米大統領選と米国株を総点検!(土信田雅之)
トウシル / 2024年11月1日 8時0分
ランキング
-
1LUUPと交通違反、タイミーと闇バイト、メルカリとさらし行為――“性善説サービス”はいずれ崩壊するのか
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年11月29日 8時10分
-
2風呂キャンセル界隈?「日本の偉人」まさかの素顔 凄い人物でも部屋が汚い、そんな姿に親近感も
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 11時0分
-
3三菱UFJがウェルスナビを買収 ロボットアドバイザー大手
共同通信 / 2024年11月29日 11時29分
-
4コーヒー豆が歴史的高騰、NY市場で最高値…産地のブラジルやベトナムで不作
読売新聞 / 2024年11月29日 0時0分
-
5会社の「倒産リスク」を"見える化"する4つの方法 安全性は、会社の体つきと血液の流れをみる!
東洋経済オンライン / 2024年11月29日 9時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください