ドル/円 142円割れ寸前の円高。 日経平均大幅下落でリスクオフ
トウシル / 2023年12月22日 9時42分
ドル/円 142円割れ寸前の円高。 日経平均大幅下落でリスクオフ
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは143.25円
↓下値メドは141.70円
米大統領選:来年の大統領選、トランプ再選はほぼ確実か
トランプ再選:米インフレ再燃のおそれとFRB独立性の危機
FRB:米国の政治的機能不全がFRBへの過度の依存をもたらした。
FRBの中核的使命である金融政策以上の優先事項は、別個の規制当局に委ねるべき
EV車:EU規制に中国は報復できない。欧州が中国依存する以上に中国は欧州に依存。
英インフレ:BOE「大変なのはインフレを5%から2%に下げること」
市況
2023年254営業日目のドル/円は、前日比1.47円の「円高」。24時間のレンジ幅は1.54円。
前日20日の米国株市場ではダウ平均、ナスダック総合指数が10日ぶりに大幅反落となった。株安の流れを引き継いで東京市場でも利益確定の動きが活発になった。日経平均は2営業日で900円以上水準を切り上げたこともあり大きな反動が出た。株式市場のセンチメントが悪化するなかで、リスク回避の動きでドル/円が売られた。
12月21日(木曜)は143.58円でオープン。この日の高値は始値と同レベルの143.58円。日経平均の大幅下落で円高に動き 143.00円を割った。若干反発があったが、結局は押し戻された。
この日発表された米国の第3四半期GDP(国内総生産)確定値が+4.9%に下方修正されたことで米10年債利回りが約5カ月ぶりの水準となる3.83%まで低下。ドル売りが強まるなかで未明には18日の安値に並ぶ142.04円まで下落してこの日の安値をつけた。終値は142.11円。
レジスタンス:
143.58円(12/21)
144.10円(12/20)
144.96円(12/19)
145.99円(12/13)
サポート:
142.04円(12/21)
143.25円(12/20)
142.25円(12/19)
142.04円(12/18)
2023年 ドル/円 データ
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
人々はあなたが何を言ったか、何をしたかは忘れてしまう。でも、あなたにどんな気持ちにさせられたかは決して忘れない
Happy Xmas (War Is Over)
FRB(米連邦準備制度理事会)は、12月のFOMC(米連邦公開市場委員会)において、政策金利であるフェデラルファンド・レートの誘導目標を5.25-5.50%に据え置いた。これは「ハト派的据え置き」だった。というのは、FOMCメンバーの政策金利の見通しを示すドットチャートでは、2024年に3回利下げが行われることを示していたからだ。マーケットは来年3月からの利下げ開始を期待している。
しかし、パウエルFRB議長は利下げの明確な時期について明言を避けた。FRBは、金融政策決定プロセスにおいて経済データを重視する方針を打ち出している。インフレ目標に向けた進展が不十分であることを示す情報が入ってきた場合には、利下げが後ずれする可能性は否定できない。
2年前のFOMCは、インフレが一過性でないことが明らかになった後も「一過性」モードから抜け出せなかった。そして現在は「より高く、より長く」モードから抜け出すのに苦労している。FRBには、外部から何らかの力が働かない限りその運動状態を変えない「慣性の法則」が働いているからだ。その外部の力というのが経済データであり、FRBは金融政策の判断を経済データに極端に依存している。
経済サイクルの初期においてこれは良い戦略だが、サイクル後期には過ちを犯しやすい悪い戦略となってしまう。なぜなら、経済データは常に過去を振り返るものであり、現在との時間差の発生が必ず起こる。将来を見据える金融政策との相性が悪いのだ。
FRBは過去に、利上げ開始を急ぎすぎてインフレ目標達成に何度も失敗したという苦い経験がある。それで利上げをためらっているうちに、インフレが目標値の4倍の8.0%まで暴騰するのを許してしまった。
ところが、今のFRBは「1970年代の過ちを繰り返してはいけない」と口にする。その当時、FRBが利上げを早めに終了したせいで、インフレが再発するのを許してしまった。このときのトラウマで、FRBは利下げに踏み出す勇気がないのだ。
日銀もまた、過去の声明にとらわれている。10年前に政府と日銀が合意した、「2%の物価安定目標」をできるだけ早期に実現することを目指すという共同声明のせいで、日銀は緩和政策から抜け出すことができずにいる。東京都区部の物価が1981年以来約42年ぶりの上昇を記録しても、まだ「ためらわず一段の緩和を行う」と繰り返す。
日銀の緩和政策に対する圧力は高まっている。企業経営者や学識者による政策提言団体である令和臨調は、日銀が2%物価目標を早期実現ではなく長期的な目標に切り替えることで、異次元緩和政策を修正するべきとした。提言にはさらに、金利機能の回復と国債市場の正常化、市場との対話の強化なども盛り込まれた。しかし、共同宣言そのものが、日銀の独立性を脅かしているとの指摘もある。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
ヒートマップ分析
(荒地 潤)
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