12月米雇用統計レビュー。ドル/円144円は中立ゾーン
トウシル / 2024年1月10日 10時9分
12月米雇用統計レビュー。ドル/円144円は中立ゾーン
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは142.05円
↓下値メドは140.30円
消費者金融:世界の金融システムの約50%占めるまで成長
CTAポジション:半年ぶり人民元ロングに転換。円ショートは大幅縮小
豪ドル:少なくとも10%過小評価
原油:イランは24年3月までに日量360万バレル増産計画。輸出を拡大
ハンガリー:現在11.5%の政策金利は2024年2月までに10%以下に
市況
2024年7営業日目のドル/円は、前日比0.27円の「円安」。24時間のレンジ幅は1.23円。
1月9日(火曜)は144.19円でオープンしたあと、連休明けに持ち込まれた実需のドル売りに押されて東京時間昼前に144円を下に抜けると143.39円まで下落してこの日の安値をつけた。米10年債利回りの低下もドル/円の頭を重くした。
しかしNY市場ではドルの買い戻しが優勢になり、明け方には144円台を回復、144.62円まで上昇してこの日の高値をつけた。終値は144.48円。
レジスタンス:
144.62(01/09)
144.92(01/08)
145.98(01/05)
145.99(23/12/13)
サポート:
143.39(01/09)
143.66(01/08)
142.85(01/04)
141.85(01/03)
2022年のドル/円は、FRBの利上げで日米金利差が急速かつ大幅に拡大したことを背景として、32年ぶりの円安水準になった。2022年のドル/円の安値は1月の113.47円。そこから高値151.95円をつけるまで10カ月間上昇を続けたあと、日銀がYCC(イールドカーブ・コントロール)政策で長期金利の誘導目標を引き上げたことをきっかけに年末には130円台まで下落した。2022年の値幅は38.50円だった。
2023年のドル/円の安値は、1月13日につけた127.21円。日銀は4月に植田総裁に代替わりしたが、緩和政策の方針を変えなかったことで、トレンドは再び円安に戻り、上昇を続けて11月13日には2022年の高値にほぼ並ぶ151.91円をつけた。2022年の値幅は24.70円だった。
今年は、2年間続いたFRBの引締め政策が終了し、利下げサイクルに入ることが確実視されている。日銀もいよいよゼロ金利解除に向けて始動を開始する。
2022年も2023年も1月に安値をつけた後、年末までほぼ一貫して円安が続いた。2024年のドル/円が去年2年の円安ラリーの道を反対に辿るとするならば、1月につけた146円が今年の高値なって、 年末には121円までの円高になることもありえるだろう。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
人生を愛するなら時間を無駄にするな。人生は時間で出来ているんだ - ブルース・リー
Heroes
12月の雇用統計は、NFP(非農業部門雇用者数)が堅調に伸びたほか、賃金も引き続き底堅いペースで上昇した。失業率は横ばいだった。全体としては、マーケットが期待したほど「弱く」なく、FRB(米連邦準備制度理事会)が3月に利下げを開始するとの観測に疑問を投げかける内容となった。
BLS(米労働省労働統計局)が1月5日発表した12月の米雇用統計によると、NFPは前月比で21.6万人増加して、市場予想の+17.5万人を上回った。業種別では政府部門が+5.2万人、レジャー部門が+4.0万人、また暖冬で建設部門が+1.7万人の雇用増となった。
12月のNFPは、事前予想より4.1万人も多い結果だったが、一方で10、11月は合計で7.1万人下方修正されている。単月としては強いが、トレンドとしてみると雇用市場にそれほど勢いがあるわけではない。直近3カ月の平均増加数は+16.5万人で、FRBが「ちょうどよい」と考える月10万人から20万人程度の範囲に収まっている。
一方、家計調査に基づく雇用者数は、2020年4月以来の大きさとなる68.3万人の減少となった。失業期間は長期化し、経済的理由でパートタイムの仕事に就く人が増え、労働時間は減少したと報告された。
失業率は3.7%で前月から横ばいだった。平均賃金は前月比で+0.4%と市場予想の+0.3%を上回った。前年比では+4.1%と前月の+4.0%から加速した。賃金の伸びはコロナ禍の平均を大きく上回り、FRBのインフレ目標2%と整合的と見る範囲を超えている。
12月の労働参加率は前月の62.8%から0.3ポイント低下して、昨年2月以来の低水準となる62.5%まで低下した。比較的若い世代と年配者で特に下げ、25歳から54歳の労働参加率は0.1ポイント低下となった。
労働力参加率とは、生産年齢人口(16歳以上の人口)に占める労働力人口(生産年齢人口のうち「働く意思を表明している人」)の割合である。労働力参加率の上昇は労働力の増加を意味し、賃金上昇圧力やインフレを緩和する方向に働く。反対に、労働力参加率の低下は、労働市場の逼迫化によるインフレ上昇の危険性が高まることを意味する。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
タイムゾーン 分析
(荒地 潤)
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