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ドル/円、強い米インフレ率で一時146円台まで上昇。1カ月ぶり高値

トウシル / 2024年1月12日 10時1分

ドル/円、強い米インフレ率で一時146円台まで上昇。1カ月ぶり高値

ドル/円、強い米インフレ率で一時146円台まで上昇。1カ月ぶり高値

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは146.25

 ↓下値メドは144.75 

欧州経済:2024年は大量失業ともなうリセッションが始まる気配 
マクロ経済:経済の不確実性に対する恐怖は、経済ナショナリズムや偏見政治を助長する-
RBNZの使命:NZ新政府が「雇用安定」をRBNZのマンデートから外す。価格安定に集中 
米中貿易:ベトナム、タイ、メキシコを経由して米国に中国製品が流入
鉄鉱石:中国政府、鉄鉱石市場を監視。価格統制強める

市況

 2024年9営業日目のドル/円は、前日比0.47円の「円高」24時間のレンジ幅は1.48円。
1月11日(木曜)は145.63円でオープンしてNY市場までは145円台前半の取引を続けた。米CPI(消費者物価指数)が発表された東京時間夜遅くに144.94円まで下落してこの日の安値をつけたが、すぐに146.42円まで反発してこの日の高値をつけた。CPIインフレ率は前月より上昇したが、FRB(米連邦準備制度理事会)利下げ方針に影響を与えるほどではないとの見方が広まるにつれ、米長期金利が低下して4.00%を下回ると145円台に押し戻された。終値は145.24円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

レジスタンス:
146.42(01/11)
147.30(23/12/07)
147.50(23/12/06)
148.34円(23/12/01)

サポート:
144.94(01/11)
144.32(01/10)
143.39(01/09)
142.85(01/04)

 ドル/円は、この日発表された米CPIの上振れや雇用関連データの強さを理由にドル買いが優勢となり、今月の雇用統計発表後の高値を超え一時1カ月ぶりの高値をつけた。しかし、FRB(米連邦準備制度理事会)の早期利下げ期待が後退することはなく、次第にドル売りが強まると、145円台前半まで反落した。メスター米クリーブランド連銀総裁は早期利下げをけん制した。ダウ平均株価は、米CPI発表後に一時270ドル超下落したが、米企業決算への期待で上げに転じた。

 今日のドル/円は、上値は146円台、下値は144円を意識した動きとなると考える。FRBの利下げ期待がドル安材料になる一方で、米指標の強さで利下げ時期の後ずれとの見方がドル安を限定的にしてレンジ相場が続きそうだ。また、米企業決算の動向にも注目が集まる。

2023年 騰落表

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

将来を思い煩うな。現在為すべきことを為せ。その他は神の考えることだ

Sweet Emotion

 ダイエットで本当にきついのは、最初の1キロではなく、目標体重までの最後の500グラムである。中央銀行によるインフレ対策も同じだ。FRBは1年でインフレ率を9%から3%に下げることができた。しかし、そこから目標値の2%にもっていくには倍の時間がかかると予想されている。

 12月の米CPIは、前年比で3.1%から3.4%の大幅上昇となった。ここ数ヵ月間大きく下げていたエネルギー価格が、12月はほとんど変化しなかったことがCPIの押し上げ要因となった。

 12月のコア指数は前年比3.9%も、予想を上回る強さだった。構成要素のうち、住居費と中古車価格が予想に反して大幅に上昇したことが押し上げ要因となった。とはいえ、2022年9月の6.6%のピークからコロナ禍前の水準にまで半分以上戻っている。

 今回のCPIは過去数カ月に比べると強かったものの、全体としては、長期的インフレ鈍化傾向を示しており、今回のCPIの結果を受けて1月のFOMC(米連邦公開市場委員会)が追加利上げを決定する可能性はほぼゼロと考えられている。ただし、メスター・クリーブランド連銀総裁が「3月は利下げ時期としては恐らく早過ぎる」と発言したように、今回のCPIは利下げに対してFOMCメンバーをより慎重にさせたと考えられる。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

ヒートマップ分析

出所:楽天証券作成
出所:楽天証券作成

 

(荒地 潤)

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