3万5,000円突破でも持ち株が上がらない!株価上昇の恩恵を受けたい投資家へアドバイス
トウシル / 2024年1月18日 11時0分
3万5,000円突破でも持ち株が上がらない!株価上昇の恩恵を受けたい投資家へアドバイス
一気に日経平均株価がバブル後高値を更新
2024年の日本株マーケットは、大発会1月4日の寄り付き直後に急落し、一瞬ヒヤリとさせられましたが、その後は目を見張るような強さとなりました。日経平均株価は昨年11月20日につけていたバブル後高値3万3,853円46銭をあっさり更新。3万4,000円台もすっ飛ばしてあっという間に3万5,000円を突破、1月12日には3万5,839円60銭まで駆け上がりました。
日経平均は3万3,500円近辺でこれまでなんと6回も頭打ちになっていましたが、これを軽々と突破したことで、新たな上昇トレンドの局面に入った可能性が高いと考えられます。
日経平均株価は上昇しているが個別株は?
日経平均が3万5,000円ということは、バブル時の高値である3万8,957円44銭からおよそ1割下の水準に迫っているわけです。では個別株の大部分が、同様にバブル時の高値に迫っているかといえば、決してそんなことはありません。
例えば証券最大手の野村ホールディングス(8604)は1987年の高値(バブルより前に高値を付けています)からみれば8分の1以下の水準ですし、鉄鋼最大手の日本製鉄(5401)は、1989年の高値から3分の1ほどの水準にとどまっています。
また、東証グロース250指数をみると、1年前とほとんど同じ水準で、直近の動きをみても日経平均の大幅上昇に全くついていけておりません。
このように、今は日経平均が上昇しても、同じように個別株も上昇するわけではない、という点には十分注意しておく必要があります。
今後も同様の展開が生じる可能性は高い
米国のS&P500種指数の大幅上昇の背景には、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる7銘柄の大きな上昇が強く影響しているということはご存じの方も多いでしょう。
これと似たような事象が、近年の日本株にも起きているのではないかと筆者は感じています。つまり、日本を代表するような有名な銘柄(日経平均採用銘柄)を買う動きが強まっていて、それ以外の例えば小型成長株にはなかなか資金が回ってこないということです。
さらには、新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)のつみたて投資枠を使って、日経平均やTOPIX(東証株価指数)に連動するタイプのインデックスファンドに投資資金の流入が期待できますが、いくらそれらに資金流入があっても、日経平均にもTOPIXにも関係のない個別株には資金が回ってこないのです。
従って、今後も日経平均や日経平均採用銘柄は強いが、それ以外の銘柄はあまり上昇しないという展開が生じる可能性は高いとみています。
筆者が行っている「日経平均株価上昇」の恩恵を受けるための投資手法とは
実は筆者も、日経平均が短期間に大きく上昇した割には、筆者自身の保有株は上がっていないという印象を受けます。
もちろん、大きく上がった銘柄もあるのですが、やはり特に小型成長株に株価が伸び悩むものが多いです。
思い返すと、2023年の5~6月ごろの日経平均の大幅な上昇の時期も同じようなことが起きていましたし、過去にも「日経平均が上がっても我が持ち株は上がらず」ということは頻繁に起きています。
困ったことに、日経平均が上がっても同じように上昇しない銘柄は、日経平均が下がるときは同じように下がってしまうことも多いので、やはり日経平均の上昇の恩恵はしっかり受けておきたいというのが本心です。
そこで筆者が行っているのが日経平均先物への投資です。日経平均先物は日経平均に連動した動きになりますから、日経平均先物を保有していれば、日経平均の上昇の恩恵を丸々受けることができます。
日経平均先物以外にも、日経平均のCFDだったり、日経平均に連動するETF(上場投資信託)でもよいですが、保有する個別株が上がらないとしても利益を出せるようにしておくことを筆者個人的にはお勧めします。
日経平均株価の横ばいを経ての高値更新は素直に乗るべき
また今回は、上でも触れたように日経平均が3万3,500円近辺で6回も頭打ちになっていたところを上抜けした形になりましたが、このようにしばらくの間横ばいを経たのち、高値更新となる動きを見せた場合は、それに素直に乗っていくのが過去の経験則上望ましいといえます。
これは個別株の場合でも同様なのですが、横ばいから上昇に転じるというのは、今までの買い手の勢いだけでは突破できなかった株価水準が、新たな買い手が現れたことで突破できたことを表します。したがって、株価のトレンドが横ばいから上向きに変化した可能性が高いといえるのです。
では具体的にどうするかといえば、筆者は昨年11月20日の高値突破の水準で、日経平均先物に逆指値の買い注文を入れておきました。その結果、高値突破間もない水準で日経平均先物を買うことができました。
この方法は、昨年5月に、それまで2年以上続いた横ばいの水準を上抜けた時も同様に通用しています。
もちろん投資に絶対はありませんが、横ばいからの上抜けは、新たな上昇相場に突入した重要なサインであることが多いですから、常に意識しておくとよいと思います。
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(足立 武志)
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