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ドル/円、やや買い疲れか。150円は難しい?

トウシル / 2024年1月19日 11時19分

ドル/円、やや買い疲れか。150円は難しい?

ドル/円、やや買い疲れか。150円は難しい?

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは148.40

 ↓下値メドは147.75 

借金まみれ:中国の労働人口の1% 800万人が、借金でブラックリストに  
AIと金融:金融業界がAIを採用する際の最大のハードルは、テクノロジー自体の弱点と、特定の業務への導入に対する規制上のハードル
ECB政策ミス:シュナーベル理事、昨年9月の利上げは間違いだったことを暗に認める
中国格下げ:ムーディーズ、見通しを安定的からネガティブに引き下げ。地方政府や国営企業の財務状況悪化を理由に  
日銀:「ゼロ金利解除の段階ではない」

前日の市況

  2024年14営業日目、1月18日(木曜)のドル/円は、前日比0.06円の「円高」だった。
東京市場で日経平均株価と共に148円台前半まで上昇したが、輸出企業の売りに押され、夜の初め頃に147.66円まで下落してこの日の安値をつけた。

 しかし米国市場では雇用関連の強いデータに反応した米長期金利の上昇がドル買いを促した。再び148円に戻すと、夜遅くに148.30円まで上昇してこの日の高値をつけた。終値は148.13円。24時間のレンジ幅は0.65円。

 この日発表された雇用関連のデータの失業保険申請件数は18.7万件と、2022年9月以来の低水準となった。失業保険の継続受給者数も、昨年10月以来の少なさ。データは、米労働市場の力強さが続いていることを示している。

 雇用関連のデータだけではなく、1月に発表された一連の米国指標はインフレ率や小売売上高も強く、データ重視主義のFRB(米連邦準備制度理事会)を慎重にさせている。アトランタ連銀総裁は「最悪なのは、早すぎる利下げだ」とこの日発言した。

レジスタンス:
148.30(01/18)
148.53(01/17)
148.84円(23/11/28)
149.67円(23/11/27)

サポート:
147.66(01/18)
147.04(01/17)
145.58(01/16)

本日の見通し

 ドル/円は、米経済指標の好調さと米長期金利の上昇がドル買いを支えるなかで147円台の買いが強い。この日も147台後半まで売られたが、結局148円台に戻している。

 一方で、今週前半のようなドル買いの勢いは徐々に弱まっているようだ。終値ベースでも、月曜から水曜までは平均1.00円ペースの勢いで円安が進んできたが、この日は前日比ほぼフラットになった。昨年末のドルショートの買い戻しも148円台でほぼカバーされたと考えると、ポジションは軽くなって動きやすい。11月27日以来遠ざかっている149円台をチャレンジするには一段の強力なドル買い材料が必要だろう。

 FRB利下げ見通し調整はいったん小休止して、来週のマーケットの関心は22日の日銀金融政策決定会合に移る。ドル/円の150円台は日銀がカギを握るだろう。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

虎の尾をつかんだ者は、うかつに手を放せなくなる

Black Dog

 FRBの今年の利下げは確実としても、その明確な開始時期は示されていない。金融政策決定プロセスにおいて経済データを重視すると表明しているFRBは、インフレ目標に向けた進展が不十分であることを示す情報が入ってきた場合には、利下げ時期を遅らせる可能性が高い。1月になって発表された米国の経済指標は、雇用統計、CPI(消費者物価指数)、小売売上高のいずれも予想以上の強さを示した。

 ウォラーFRB理事は、「インフレが再上昇しなければ、FRBは今年中に利下げを行う可能性がある」との見通しを示しながらも、3月の利下げには慎重な姿勢を示している。

 ウォラー理事は、FRB内のインフルエンサーとも呼ばれ、それまでタカ派寄りだったパウエルFRB議長の考えを利下げ支持に変えた人物と噂されている。利下げを否定したわけではないが、今回の発言は、FRBが利下げに対してやや慎重になっていることを示唆している。

 金利市場は、FRBが今年6回、合計1.5%利下げすると想定しているが、ウォラー理事は、12月FOMC(米連邦公開市場委員会)のドットチャートの中心予想である今年3回、0.75%の利下げを支持しているようだ。今年のFOMCは8回開催される。1月の金利据え置きは確実とすると、今年中に6回利下げを行うには、3月からスタートしなければほぼ間に合わない。これが早期利下げの根拠になっている。しかし3回の利下げであれば、スタートは6月、あるいは9月まで時間の余裕がある。

 FRBはインフレを低下させると同時に米国経済のハードランディングを回避して、ソフトランディングへと誘導しようとしている。しかし、ソフトランディングに必要なのは、景気刺激策よりも、安定した実質金利である。マーケットの利下げ期待は行き過ぎ感があることは否定できない。

 今のFX市場で起きているのは、 FRB利下げという文脈の中でのポジション修正だ。FRB政策が転換してドル高/円安トレンドに回帰したわけではない。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

Winners & Losers

出所:楽天証券作成

(荒地 潤)

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