「みんなやってる」に流されないで!2024年新NISA「自分流」を築くためのポイント3選
トウシル / 2024年1月26日 8時0分
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「みんなやってる」に流されないで!2024年新NISA「自分流」を築くためのポイント3選
資産形成の正解は人それぞれですが、一方で、多くの人が失敗してしまう考え方や、やり方があるようです。このシリーズでは、資産形成を始める人が陥りがちな失敗事例を取り上げ、やってはいけない行動を分かりやすく解説します。
お悩み
新NISAを始めたいが正解が分からないので言われた通りにやってみたけど…
山田良太さん(仮名)会社員・35歳(既婚、共働き、子どもは1人)
山田さんは今話題の新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の口座開設を完了し、これから投資で資産形成を始めようとしているところですが、何をどのくらい買ったらいいのか悩んでいます。
いろんな商品があってどれを選んだらいいのか分からないので、つみたて投資枠では米国S&P500種指数と全世界株式へ毎月5万円ずつ、成長投資枠にはネットで調べておすすめとされていた高配当株式や新興国へ投資する投資信託をスポットでいくらか買ってみることにしました。
買ってみたはいいものの本当にこれでいいのか、どうも不安が拭えません。ネットや雑誌を見ても、どこもがおすすめしている商品を選んだはずなのに何かしっくりきません。
妻に相談してみても、「よく分からないけど生活資金は確保しているし、貯金で置いとくよりはいいんじゃない。」とあまり相手にしてもらえません。山田さん自身も考えるのが面倒になってきて、しばらくはこのままでいいかと思って様子を見ることにしました。
山田さんのように投資で迷っている人が自信をもって投資をするにはどうしたらいいのでしょうか?
【2024年からの新NISA制度について、詳しい説明はこちら】
投資では最大利益ではなく、自分にとって適切な投資を選ぼう
NISAが新しい制度として大きく改正された2024年になって、多くの人が新しい気持ちでNISAを利用しながら資産形成を行っているのではないでしょうか? もちろん投資をするなら少しでも資産が増えたらうれしいものですが、損をするのではと不安を感じながら投資をしている人もいると思います。
私もお客さまやメディアの取材でどうしたらいいのか?という質問をたくさんいただきました。結論としては、シンプルな運用方法や、人それぞれの収支状況や運用への考え方次第となってしまいます。ただ、これは世間で話題になっている「何がいいか?」を目指すのではなく、自分にとって適切な投資を選ぶことが大切という意味です。
新NISAで投資に選ばれる商品対象はS&P500と全世界株式の2強となっていますが、そのほかにも日本株式や新興国株式の投資信託や個別銘柄、金など、投資先として選ばれている商品は多種多様です。
現代は情報が取得しやすくなった分、情報過多になっている感じが否めません。そうした中で周囲に惑わされずに自分のためになる資産形成を貫くためのポイント3選をお伝えします。
自分の資産形成を貫くためのポイント1:自分がいる資産形成のステージを知る
資産形成のために投資をしようと考えるときに、まずは軸となる自分自身の状況把握が何よりも大切になります。どんなに良い情報であろうと、そもそも自分に合った話でなければ意味がありません。むしろ自分には合っていない投資、やらない方がいい投資をしてしまう可能性もあります。
「自分を知る」というのは投資にとって非常に重要です。知っておくべきことは、主にその人の投資経験や知識、年齢や家族構成、現在や将来の収入や支出、資産状況などのことです。
さらに金融機関などでは高齢者(金融業界では75歳以上を定義している場合が多い)への勧誘に関しては、管理者が上記の内容に加えて、個人の健康状態や理解力なども提案の前に確認することが求められています。
多くの人が始めているNISAを利用した資産形成では、余裕資金のある家計であることが前提であり、投資の継続力が求められます。お金を何に使うのかを振り分ける順位づけを間違えず、無理のない金額で投資をしていくことが大切です。収入が増えて投資金額を増やすこともあれば、支出が増えて減額することがあっても問題はありません。
あなたにとって最適な投資が他の人にとってはそうとは限らないように、逆もまた同じです。資産形成といっても、やり方や最終目標は人によってさまざまで、株式などの証券投資をして資産を築くだけが資産形成のやり方ではありません。自分のペースで少しずつステージを上げていきましょう。
自分の資産形成を貫くためのポイント2:商品の選び方をなんとなくで終わらせない
投資をするということは、最終的には何かしらの商品を購入するということです。新NISAではS&P500を投資対象とする投資信託と、全世界株式を投資対象とする投資信託の2つが圧倒的な存在感を持っています。
これは新NISAのつみたて投資枠を対象とした話で、成長投資枠についてはそれらの商品をさらに買い増ししている人もいれば、他に高配当株式であったり、新興国株の投資信託だったりともう少し幅広い商品が選択されているようです。
どんな投資対象に投資しても自分が納得できていればよいと思いますが、多くの人はなんとなくみんなが投資しているからS&P500や全世界株式へ投資をしていないでしょうか?
私は別にそれでもよいと思っています。ただし、なんとなく投資した商品であっても、そこで終わらせずにきちんと商品の理解を深めることは、必要な投資のルーティーンです。
S&P500へ投資するといっても投資先の米国株式はどんな企業が入っているのか? 上位比率の銘柄はどこか? 為替の米ドルはどんな理由で動いているのか?など考えておくべきことは多数あります。
自分の投資知識や判断力を磨くためには、投資する商品を買う理由を考えてその商品の中身を理解することが大切です。その結果が良いときもあれば良くないときもあると思いますが、それによって自分の知識や判断が間違っていたのかそうでないのかが分かります。こうした投資の積み重ねによって少しずつ投資に詳しくなっていくことができます。
自分の資産形成を貫くためのポイント3:今後の対応を自問自答する
投資経験の少ない人が商品の値動きや相場について悩みすぎて翻弄(ほんろう)されていることはよくあることです。投資経験が少ないうちは投資に消極的になったり、投資している商品をそのまま放置したりしてしまい、塩漬けになることもあります。とはいえ、投資経験が豊富な人やプロでも、常に悩みながら熟考した上で投資をしているはずです。
よく勘違いしがちなのですが、別に個人が資産形成する上で高度な投資知識や豊富な経験などは不要だと私は思います。まだ投資経験が少ない、でも時間をかけて勉強などできない、そんな人のためにNISAを利用したインデックス投信の積立投資はおすすめできる投資手法ですし、だからこそこれだけ資産形成の見本のように広まっているのだと思います。
ただ基本的にほったらかしでよい積立投資であっても、やはり投資した商品についてはしっかり知るべきです。投資信託なら月次報告のレポートはその商品を知ることにとても有効なのでぜひご覧ください。
大切なことは、自分が理解して納得できる範囲で投資をすること、そして少しずつでもいいので投資知識を増やして、理解力を高め、判断力を身に付けていくことです。資産形成層の現役世代の方はなかなか時間が取れないかもしれませんが、四半期ごとでもいいので自分の投資を振り返る機会をぜひ作っておいてください。
投資はマイペースに行うものだが、放置していいわけではない
投資は日々時間をかけても駄目、ほったらかし過ぎても駄目
よく株式投資を始めたら、日中株価が気になって仕事中も株価を見てしまうという人がいます。最近では米国株式が人気ですから、深夜の米国取引時間に株価を見て、なかなか寝られないという人もいるようです。それで本業がおろそかになっては本末転倒です。
だからといって、買ってから本当に放置しておくのでは、何で価格が動いたのかも分からなくなりますので、やはり定期的には確認が必要です。
投資をするなら自分の状況にあった投資のやり方や商品を選ぶ。当たり前のようですが意外とできていない人も多いのです。その時のはやりや周りがやっているから自分もやらないといけないと思って、投資を始めようとする人もいます。
新NISAも、投資で資産形成をするには非常に良い制度だと私自身も思いますが、あなたにとって「今」必要なのかどうか、考えてみる必要があるのではないでしょうか?
■著者・西崎努氏の著書『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』(アスコム刊)、『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊)が大好評発売中です!
【要チェック】
楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、本連載「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。
また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。
(西崎努)
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