1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

高配当利回り株の選び方、財務や収益力の見方がよくわからないときはどうする?

トウシル / 2024年2月3日 8時0分

高配当利回り株の選び方、財務や収益力の見方がよくわからないときはどうする?

高配当利回り株の選び方、財務や収益力の見方がよくわからないときはどうする?

「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第14回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。

今日のクイズ:三つの高配当銘柄のうち、どれを選べば良い?

<クイズ> 高配当利回り株の選び方について、クイズを出します。

 次のA社、B社、C社の株式のうち、一つを選んで買うとしたら、どれが良いと思いますか?

出所:筆者作成

分からない中で、投資判断しなければならないこともある

 財務が良いか悪いか、収益力が安定的か不安定か、財務諸表や決算説明会資料をよく読み込めば、かなり分かります。ただし、個人投資家の方は、財務諸表の見方をご存じなかったり、ご存じでも読み込む時間を十分に取れなかったりして、よく分からないまま投資判断をしなければならないこともあります。

 今日はそういった場合に、銘柄のどこに着目して投資判断をしたら良いか、確かめるためのクイズです。

 ところで、プロのファンドマネージャーは、投資銘柄の財務や収益力を全てしっかり分析した上で投資しているのでしょうか? 「はい、そうです」と言いたいところですが、必ずしもそうではありません。たくさんの銘柄を急いで売買しなければならないとき、財務分析に十分な時間をかけられずに、投資判断しなければならないこともあります。

 また、十分に時間があって、しっかり財務分析しても、分からないことはたくさんあります。財務が良好そうに見えた会社が、実は不良資産を抱えていて問題があることもあります。財務が一見、ぱっとしない会社でも、実は巨額の含み益を持っていて、財務優良であることもあります。財務諸表を見れば全て分かるわけではありません。

 そもそも、株式投資をする際、全て理解した上で投資することは珍しいと言えます。分からないことがいろいろある中で、リスクを理解し、適切に管理しながら行うのが株式投資です。

高配当利回り株に投資するとき注意すること

 日本株には、予想配当利回りが3%を超える魅力的な銘柄がたくさんあります。

 ただし、一つ注意が必要です。株の配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化して減配になれば、利回りが低下し、株価も大きく下がる可能性があります。銘柄選択に当たっては、単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。

 全ての上場銘柄を予想配当利回りの高い順に並べると、上位には7%を超える銘柄もあります。一見魅力的ですが、ここは注意が必要です。予想配当利回りが高過ぎる銘柄には、減配になる可能性が高いものが多いからです。

 減配リスクが低く、高配当の有望銘柄は、予想配当利回り3~5%のあたりにたくさんあります。7%超など利回りが高過ぎる銘柄は要注意です。

クイズの正解:時価総額が大きいC社

 クイズの正解はC社です。時価総額12兆円の超大型株であることが理由です。

 高配当利回り株を選ぶ際、次の三つの条件を全て満たす銘柄があれば、最高です。

  1. 時価総額が大きい
  2. 収益力が安定的
  3. 財務良好

 ただし、【1】~【3】の条件を全てクリアする完璧な銘柄は現実にはめったにありません。条件のうちどれか満たしていないことがほとんどです。

 条件が良い銘柄ほど、予想配当利回りは低くなります。何か少し足りない銘柄の方が、予想利回りは高くなります。リスクを理解した上で銘柄選別をしなければならないのが、普通です。

 実際に投資銘柄を選ぶときは、三つのうち条件【1】だけを満たしていれば、投資候補として十分です。時価総額が5兆円以上ならば、そんなに大きな問題はないと思います。

高配当利回り株は時価総額5兆円以上から選ぶだけでも良い

 予想配当利回りが高い銘柄から、減配リスクが低い銘柄を絞りこむとき、時価総額が大きい(例えば5兆円超)という条件だけ満たすものを選んでも、まあまあ良い銘柄にたどり着けます。

 収益力や財務に問題のある銘柄は、株価が上がりにくく、時価総額5兆円以上に拡大することはないからです。つまり、時価総額5兆円以上の銘柄を選べば、収益力や財務内容はそれなりに良好であると考えられます。【1】だけ満たす(時価総額が大きい)銘柄を選べば、自動的に【2】収益力や、【3】財務でも、まあまあ良い銘柄を選んでいることになります。

 時価総額が5兆円以上でなくとも、3兆円以上や1兆円以上のものでも、そこそこの銘柄が選べます。時価総額のハードルを下げた方が、利回りが高い銘柄を選びやすくなります。その代わり、収益力や財務に少し疑問符が付く銘柄も入ってきます。

 時価総額のハードルを低くするほど、利回りの魅力は高まりますが、収益力や財務のチェックが必要になることを、理解してください。

 それでは、ご参考までに、時価総額3兆円以上、予想配当利回り2.5%以上の23銘柄を掲載します。この23銘柄は、機械的にスクリーニングした銘柄で、買い推奨していない銘柄も含まれます。投資判断はご自身でなさってください。

<時価総額3兆円以上、予想配当利回り2.5%以上の23銘柄:2024年1月30日時点>

出所:時価総額はQUICK、予想配当利回りは1株当たり配当金(会社予想)を30日株価で割って算出、詳細は下の表を参照

<上記23銘柄の株価と1株当たり配当金(会社予想)>

出所:株価はQUICK、1株当たり配当金は各社決算短信
注:三菱商事・キヤノンの1株当たり配当金は、期中に行った株式分割を考慮して修正

(窪田 真之)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください