強すぎる米1月雇用統計のレビュー。FRBは利下げよりも、利上げをするべきか?
トウシル / 2024年2月6日 10時15分
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強すぎる米1月雇用統計のレビュー。FRBは利下げよりも、利上げをするべきか?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは148.95円
↓下値メドは148.30円
やっぱり円安:日銀「円高による輸出減で国内企業がコストカットする状況は避けなくてはいけない」
米中対立:米政府、中国製EV車購入時の最大7,500ドルの税控除廃止
レアアース:中国政府がレアアース精製技術の輸出禁止へ
欧州経済:2008年のリーマンショック後に匹敵する二番底不況のリスク高まる
英国経済:経済成長マイナスでリセッション危機
前日の市況
2024年26営業日目、2月5日(月曜)のドル/円は、前日比0.30円の「円安」。
東京時間夕方に148.27円まで下げてこの日の安値をつけたが、下値の堅さを確認したあとは上昇した。
NY市場に入ると米経済指標の上振れや米長期金利が上昇するなか、未明には11月以来の高値となる148.89円まで円安が進んだ。終値は148.69円。24時間のレンジ幅は0.63円。
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レジスタンス:
148.89(02/05)
148.58(02/02)
148.70(01/23)
サポート:
148.27(02/05)
146.24(02/02)
145.90(02/01)
145.58(01/16)
今日の見通し
先週の雇用統計など、強い米指標が相次いで発表されるなかで米早期利下げ観測が後退し、ドルは底堅い動きを維持しそうだ。
この日発表されたサービス業ISMは53.4と、前月の50.6から大幅に改善した。新規受注や雇用の指数も上昇し、サービス分野の活動が拡大を継続し、そのペースが加速したことを示す内容だった。FRB(米連邦準備制度理事会)のボウマン理事は「米国経済は、利下げが妥当と思える地点に達していない」との考えを示し、インフレが高止まりするようならば「再利上げを検討する」こともありえると述べた。
しかし、現水準の148円台はドルの強気材料はほぼ全て織り込んだ水準と考える。ここから150円台を目指すためには、FRBの利下げ見通し撤回とか、あるいは再利上げなどという強力な材料が必要だろう。米中貿易摩擦や地政学リスクをエクスキューズにしたロング利食いのドル下落リスクに注意したい。
主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
感情をそのままマーケットに持ち込んでしまうと必ず負ける
Can't Fight This Feeling
1月の雇用統計は、市場予想を上回る強い結果だった。特に雇用者の増加と平均労働賃金の伸びが目立ち、米国の労働市場が再び勢いを増していることを示した。この結果を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ先送りの可能性が高まった。
1月は、NFP(非農業部門の就業者数)は前月比で35.3万人増加して、事前予想の+17.8万人を大きく上回った。また12月の増加数は33.3万人に上方修正された3ヵ月間平均は28.6万人となり、FRBが「ちょうどよい」と考える増加数の月10万人から20万人程度の範囲を超えた。
失業率は3.7%で前月と変わらず。平均賃金は、前月比で+0.6%と前月+0.4%から加速した。前年比では+4.5%と前月の+4.3%を上回った。賃金の伸びは新型コロナの期間平均を大きく上回り、FRBのインフレ目標2%に整合的とする範囲を超えている。
1月のNFPは1月の増加数としては過去17年間で2番目の大きさとなった。特に目立つのが米国の製造業で、1月には2万3,000人、過去3カ月では5万6,000人の雇用を増やしている。製造業が採用縮小から拡大へと転換したことは、米経済がハードランディングどころか、「ノーランディング」に向かっている可能性が高いということである。
それはまた、政策金利の水準はFRBが考えるほど景気抑制的ではないということにもなる。
そう考えるなら、マーケットが現在織り込む「年末までに1.5%の利下げ(3月を含めたFOMC:米連邦公開市場委員会で毎回0.25%利下げ)」というのは明らかに行き過ぎで、今後再調整されることになり、その過程においてドル/円相場にも相当の影響があるだろう。
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今週の注目経済指標
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今日の重要ブレークアウトレベル
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タイムゾーン 分析
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(荒地 潤)
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