ドル/円147円台に下落。ここから買うか、売るか、少し迷うレベル
トウシル / 2024年2月7日 9時44分
ドル/円147円台に下落。ここから買うか、売るか、少し迷うレベル
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは148.60円
↓下値メドは147.60円
中国投資:2023年の損失トレードの第1位は「チャイナ・ロング」
米インフレ:住居費除くと米国のインフレはすでに2%以下まで低下
英国:BOEは5月に利下げへ
米大統領選:トランプ氏勝利確率50%、バイデン氏わずか29%
南ア:南ア中銀、政策金利8.25%当面維持。 7月まで利下げなし
前日の市況
2月6日(火曜)のドル/円は3営業日ぶりに下落して、前日比0.75円の「円高」となった
東京時間夜の初め頃に149円を目指して上昇したが、前日つけた年初来高値148.89円に行く着く前に失速したため、148.79円がこの日の高値となった。
その後は米長期金利が低下に転じたことでドル売りが優勢となり、明け方に148.00円を割ると147.78円まで下落してこの日の安値をつけた。終値は147.94円。24時間のレンジ幅は1.01円。
レジスタンス:
148.79(02/06)
148.89(02/05)
149.67(23/11/27)
149.71(23/11/24)
サポート:
147.78(02/06)
146.24(02/02)
145.90(02/01)
145.58(01/16)
今日の見通し
この日は、米長期金利の低下を受けて幅広いドル安相場となった。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長のタカ派発言や、雇用統計やサービス業ISMなど米経済の力強さを示す指標などが相次ぎ発表されるなかでFRBの早期利下げ観測が後退し、ドルは底堅い動きが続いている。
しかし、これらすべての強気材料を織り込んだうえで、ドル/円の高値が148円台後半までということは、一段上の150円台を目指すためには、より強力な材料、例えばFRBの利下げ見通し撤回とかあるいは再利上げなどが必要になるだろう。
この日講演を行ったメスター・クリーブランド連銀総裁やカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁は、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを急ぐ必要はないとの見解で一致したが、市場の反応は鈍かった。マーケットが期待しているのは、これまでと異なる見解だ。本日もFRB高官の講演が予定されているが、そのなかでは経済学者のクーグラー新理事の最初の講演に注目したい。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
まだ持っていないものについて考えるよりも、いま持っているものが無かったらどれほど困っていたかについて考えた方がいい
Don't Bring Me Down
FOMC(米連邦公開市場委員会)は1月30-31日に開催した定例会合で、政策金利であるFF金利を5.25%から5.50%のレンジに据え置いた。決定は全会一致。FOMCは昨年7月の利上げを最後に、4会合連続で金利を据え置いた。
FOMCは、目標達成に向けて雇用とインフレのリスクは「バランス良く移行している」として、利下げする環境が整いつつあることを示唆した。ただし、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、利下げを決定する前に「インフレ率が目標の2%に戻ることを確信する必要がある」としたうえで、「3月までに利下げを確信するレベルに達する可能性は低い」との考えを示している。
ウォラーFRB理事も、「インフレが再上昇しなければ、FRBは今年中に利下げを行う可能性がある」との見通しを示しながらも、3月利下げは時期尚早との意見だ。ウォラー理事は、それまで中立からややタカ派寄りだったパウエルFRB議長の考えを利下げ支持に変えさせた人物でFRB内のインフルエンサーとも噂されている。そのウォラー氏が利下げに対してやや距離を置いたことは FRBが利下げにやや慎重になったと考えてよいだろう。
今年の利下げは確実としても、その明確な開始時期は示されていない。金融政策決定プロセスにおいて経済データを重視すると表明しているFRBは、インフレ目標に向けた進展が不十分であることを示す情報が入ってきた場合には、利下げ時期を遅らせる可能性が高い。今月発表された米雇用統計の非農業部門雇用者数は、1月の増加数としては過去17年間で2番目の大きさとなった。これはFRBの引締めが、むしろまだ「足りない」ことを示している。
12月FOMCのドットチャートで示された、今年の利下げは3回、合計0.75%の利下げだ。ウォラー理事もこの予想を支持しているようだ。一方金利市場の予想は今年6回、合計1.5%利下げだ。今年あと7回開催されるFOMCで6回利下げを実施するためには、遅くとも5月、余裕を持つなら3月からスタートしなければならない。これが3月利下げの根拠になっていた。しかしドットチャートの3回の利下げであれば、9月まで時間の余裕がある。
FRBはインフレを低下させると同時に米国経済のハードランディングを回避して、ソフトランディングへと誘導することを目標としている。ソフトランディングに必要なのは、景気刺激策ではなく安定した実質金利である。そう考えると、マーケットの利下げ期待は行き過ぎ感があったことは否定できない。
しかし、昨年9月時点でFOMCメンバーは、2024年の利下げ幅をわずか0.25%と予想し、「再利上げ」の可能性をより熱心に議論していた。それからたった3カ月で利下げ予想は0.75%まで拡大したのだ。今後の経済データ次第では、再度方針転換が起きる可能性があるだろう。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
コーンチャート分析
(荒地 潤)
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