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確定申告を「しなければいけない」ケースと「したほうがお得」なケースとは?

トウシル / 2024年3月8日 11時0分

確定申告を「しなければいけない」ケースと「したほうがお得」なケースとは?

確定申告を「しなければいけない」ケースと「したほうがお得」なケースとは?

 2月16~3月15日は確定申告の期間です。サラリーマンの方の中には、確定申告は面倒だな、難しそうだなと思っている方もいらっしゃることでしょう。よく分からないから今回はやめておこうかな、と諦めモードの方もいるかもしれません。

 そんな方のために今回は、サラリーマンの確定申告についての素朴な疑問に答えていきたいと思います。

そもそも私は確定申告する必要がありますか?

 サラリーマンの場合は、会社が行ってくれる年末調整で税金の申告・納税は終わっているので、基本的には確定申告をする必要はありません。ですが、確定申告をしなければいけないケース、確定申告をするとお得になるケースがあります。

サラリーマンで確定申告をしなければいけないのはどんなケース?

 サラリーマンであっても確定申告をしなければいけないのはこのような方です。

(よくあるケース)

  • 副業やその他の所得が年間20万円を超えている
  • 会社勤めを続けながら年金も受けとっている
  • 給与年収が2,000万円を超えている

 これらに該当する人は確定申告をしなければいけません。

 最近では、副業やバイトなどで複数の収入がある人も増えてきました。副業をしている方で、売上から経費を引いた金額が20万円を超えた場合は確定申告が必要です。

 バイトなどで2カ所以上から給与を受け取っていて、2カ所目からの給与収入が20万円を超えている場合には確定申告が必要です。また、年金を受け取っている方でまだ仕事を続けていて、年金以外の給与所得が20万円以上ある場合には確定申告が必要です。

 給与年収が2,000万円を超えている場合は、会社で年末調整をしてもらえないので自分で確定申告をしなければいけません。

 本来支払うべき税金を払っていないと無申告加算税が課される場合もあります。必ず確定申告をしましょう。

確定申告をするとお得になるのはどんなケース?

 上記のケースは「確定申告をしなければいけない」ケースでしたが、確定申告は必須ではないですが「確定申告をするとお得になる」ケースもあります。

(よくあるケース)

  • 10万円以上の医療費がかかった
  • ふるさと納税や対象団体に寄付をした
  • 住宅ローンを組んだ

 これらに該当する人は、確定申告をすると払いすぎた税金が戻ってきます。

 出産や入院などで高額な医療費がかかり、出産一時金や受け取った入院給付金などを差し引いても10万円以上になる場合は、確定申告をすることで税金が還付されます。生計を一にする家族の医療費は全て合算して申告することができます。

 ふるさと納税をしたり、学校など寄付金控除の対象となる団体に寄付をしたりした場合には、確定申告をすることで税金が還付されます。ふるさと納税だけの場合は、ワンストップ特例制度を利用される方が多いかもしれませんが、うっかりワンストップ特例制度を利用できる条件から外れてしまった場合は、確定申告をすることで税金の還付を受けることができます。

 子どもの通う学校に寄付をした場合は、入学した年(入学願書受付の開始日から入学が予定される年の年末まで)の寄付は寄付金控除の対象になりませんが、次年度以降は寄付金控除の対象となります。

 住宅ローンを組んだ場合は、住宅ローン控除の対象となる物件であれば、確定申告をすることで住宅ローン控除を受けることができます。確定申告が必要なのは最初の年だけで、翌年以降は年末調整で対応してもらえます。

 上記のようなケースの場合、確定申告をすることで払いすぎた税金が返ってきます。また、特に子育て世帯のサラリーマンの場合は、確定申告をしないと税金面だけでなく子育てに関する助成金や保育料などでも損をすることがあるので、面倒でも確定申告をすることをおすすめします。

サラリーマンの確定申告、今からではもう遅いですか?

 サラリーマンの場合、基本的には年末調整で税金の申告・納税は終わっていることになりますが、年末調整で対応してもらえない控除がある場合には、確定申告をすることで払いすぎた税金を還付してもらえます。この申告のことを「還付申告」と言います。

 実は還付申告の場合は、2月16~3月15日の確定申告の期間以外でも、収入のあった翌年の1/1から年中いつでも申告可能です。また、さかのぼって5年間還付申告をすることができます。

 逆に、本来確定申告をしなければいけないにもかかわらず、していなかった場合は今すぐに確定申告をしてください。期限を過ぎてしまった場合は延滞税などのペナルティが発生します。もしそのまま放置して、税務署から指摘を受けた場合には、無申告加算税が課されることもあります。気づいたらすぐに確定申告をするようにしましょう。

難しくてよく分からないのですが、税理士さんに相談した方がいいですか?

 滅多に行わない確定申告なので、難しくてよく分からないから誰かに教えてほしいと思いますよね。税金のことなので税理士さんに相談すればいいのかな、と思うかもしれませんが、サラリーマンの確定申告の場合、相続などの複雑な申告でなければ、税理士さんに相談するほど難しくはないと思います。

 インターネットで「確定申告書等作成コーナー」を検索し、作成開始に進み、質問に答えていくと最後に確定申告書ができあがります。スマホからでも簡単に確定申告書を作成することができます。また、マイナンバーカードがあれば提出もそのままオンラインで可能です。

 どうしてもよく分からないという場合は、税務署で無料相談会を実施しています。国税相談専用ダイヤル(0570-00-5901)から、確定申告やその他の税金に関する電話相談もできますのでそちらも利用してみてください。

まとめ

 サラリーマンの確定申告は「しなければいけない」ケースと「したほうがお得」なケースがあります。「した方がお得」程度であれば、やりたくないなと思うかもしれませんね。

 でも、いざやってみたら、感覚的に進んでいける仕様になっているので、そこまで難しくはないと思います。税金以外でも影響してくる場合もあるので、面倒でも確定申告をすることをおすすめします。

(橋本 絵美)

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