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日本株、今なら少し売るのもアリ? 円高で日経平均反落(窪田真之) 

トウシル / 2024年3月11日 7時45分

日本株、今なら少し売るのもアリ? 円高で日経平均反落(窪田真之) 

日本株、今なら少し売るのもアリ? 円高で日経平均反落(窪田真之) 

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
円高で日経平均反落。日本株、少し利益確定も

円高で日経平均反落

 先週(営業日3月4~8日)の日経平均株価は、1週間で221円下落して、3月8日の終値は3万9,688円となりました。一時、4万472円(3月7日高値)まで上昇しましたが、その後、為替がやや円高に動いたことを契機に、日経平均は急反落しました。

日経平均と、ドル円為替レートの動き:2023年1月4日~2024年3月8日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 年初より、「円安→日経平均上昇」が続いてきました。1ドル150円前後まで進んだ円安に、日本株の動きを支配している外国人投資家の、日本株買いを招く効果がありました。以下2つの理由によります。

【1】円安は日本の企業業績にプラス。
【2】円安になると、ドル建て日経平均が下落し、外国人は日本株を安く買える。

 ところが先週は、一時1ドル146円台まで円高が進み、それに伴って、日経平均は急反落しました。これまで日経平均先物の買い建てを続けてきた投機筋が、円高を見て、先物売りに回ったと推定されます。

 転換点になったのは、先週3月7日です。3月18~19日に予定されている金融政策決定会合で、日本銀行のマイナス金利解除があり得るとの思惑が広がり、円高が進みました。意表をつかれる形で、その日、高く始まった日経平均は急落しました。

3月7日の日経平均の動き

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

円高に反転した理由

 日米2つの要因が、円高反転のきっかけとなりました。

【1】日銀によるマイナス金利解除が3月にも行われるとの思惑が広がったこと
【2】FRB(米連邦準備制度理事会)による利下げが年央にも始まるとの思惑が広がったこと


 これまで、日銀の金融緩和は長期化、米利下げは当分見込めないという思惑が広がる中で、ドル買い円売りのポジションを積み上げてきた投機筋が、一部、ドル売りに動いたと考えられます。

裁定買い残高に表れる、投機筋の動き

 先週は、円安が続く思惑で、日経平均先物を買い建てしていた投機筋が、一部、先物売りに動いた可能性があります。

 以下参考まで、裁定買い残の推移をご覧ください。詳しい説明は割愛しますが、投機筋の日経平均先物買いが増えると裁定買い残が増え、投機筋の先物売りが増えると裁定買い残が減ります。今年に入ってから投機筋の先物買いが増えていることが分かります。

日経平均と、裁定買い残高の推移:2021年7月1日~2024年3月8日(裁定買い残高は3月1日まで)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

日本株保有が多ければ利益確定売りも

 日本株の保有が多い投資家は、少し売ってみていいと思います。先週、日銀のマイナス金利解除の思惑が出たために日経平均は下落しましたが、金利上昇でメリットを受ける銀行株は逆行高しました。たくさん保有していれば少しだけ利益確定してもいいと思います。

 ただ、売り過ぎないように注意が必要です。短期的に日本株が調整に入る可能性があるものの、日本株は割安で、長期的にはさらなる上値余地が大きいと考えているからです。

 なお、積み立てで日本株に投資をしている方は、短期的な売買は不要と思います。引き続き、淡々と積み立てを続けていくべきと思います。

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(窪田 真之)

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