ドル/円、円高小休止。インフレ高止まりでFRBは利下げ見直しか?
トウシル / 2024年3月13日 10時2分
![ドル/円、円高小休止。インフレ高止まりでFRBは利下げ見直しか?](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_44554_0-small.jpg)
ドル/円、円高小休止。インフレ高止まりでFRBは利下げ見直しか?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは148.30円
↓下値メドは146.75円
大統領選と米国株:8年前のような株価ラリーは起きない。米政府に追加財政支出の余裕ない
米経済強健:消費の伸びがコロナ前をはるかに上回る
米中関係:もしトランプ大統領なら両国関係の悪化は必至
ECB利下げ: 3月はなし、早くて6月。ラガルドECB総裁が示唆
トルコリラ:トルコ中銀、政策金利45%で利上げサイクルは終了
前日の市況
2024年52営業日目のドル/円は、前日比0.73円の「円安」だった。
3月12日(火曜)は146.90円からスタート。ドル売り/円買いの流れが続き、東京時間昼前に146.62円まで下落してこの日の安値をつけた。
しかし日銀の植田総裁が、日本の景気先行きについて「一部の経済データに弱めの動き」があると、慎重な見方を示したことがきっかけとなって円高が止まった。今月の日銀会合での政策変更の期待がやや低下した。
NY市場でこの日発表された2月の米CPI(消費者物価指数)は、総合指数が予想より強くインフレ率の下げ止まりを示す内容だった。FOMC(米連邦公開市場委員会)の年内の利下げ回数が3回未満になるとの予想でドルが買い戻され、夜遅くに148.15円まで上昇してこの日の高値をつけた。ただその後は米長期金利の低下に連れて再びドル売りが優勢。147円台に押し戻されて終値は147.67円。24時間のレンジ幅は1.53円と前日の2倍以上だった。
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今日の見通し
3月のドル/円の高値 は150.71円、安値は146.48円。レンジ幅は4.24円で、中心値は148.60円。現在の水準は中心値から見て「円高」に位置している。
円安方向の注目ポイントは、中心値の148.60円まで戻ることができるかだ。12日の高値は148.15円。8日も148.12円でまでだった。円高方向の注目ポイントは今月の安値146.48円を下抜けできるかだ。12日の安値は146.62円までだった。
2024年のドル/円の高値は150.89円、安値は140.79円。レンジ幅は10.01円で、中心値は145.84円。現在の水準は今年中心値から見て「円安」に位置している。
146.48円が下に抜けると、3月末に向けて円高の勢いが加速すると見る。その場合145.84円が次のターゲットになるだろう。
主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
成功できる人っていうのは、結局、行動力がある人かどうかです。そして、行動力とは、改善する力です。
Call Me
米国の2月のCPI(消費者物価指数)は、前月比で0.4%、前年同月比で3.2%上昇して市場予想を上回った。ガソリン価格の上昇が航空運賃や交通費、衣料品の価格に波及した。ただし、食品とエネルギーを除いたコア指数は3.8%の上昇で、前月の3.9%からわずかに低下した。
CPIのデータにはFOMC(米連邦公開市場委員会)が利下げを急ぐ理由は全く見当たらない。しかし2月はインフレ圧力が多少やわらいだことで、これ以上の利下げ時期後退もないということがマーケットの安心材料となった。
2月のCPIが上昇した大きな原因のひとつとしてガソリン価格の上昇がある。しかしFRBは油田も石油会社も持っていないからエネルギー価格上昇が生むインフレをコントロールすることはできない。したがってインフレを抑制するためには「需要を減らすこと」がとって唯一の選択肢となる。
例えば自家用車の運転の自粛を求め公共交通機関の利用を促進させる、あるいは節電や工場の休業を要請するなどだ。しかし、実質所得がすでに不況レベルにあるときに、需要を減らしすぎるのは危険な戦略である。FRBは経済成長かインフレ抑制かの政策ジレンマに悩んでいる。
エネルギー節約という意味では、WFH(在宅勤務)も効果がある。一般的な会社の仕事場は、平均すると1日約5時間しか使用されていないが、照明や冷暖房はそれよりもはるかに長時間使用されている。週に3日自宅で仕事をすることで、欧州では1日あたり50万バレルの石油を節約できるという。
WFHは、通勤時間を業務の時間に使うことができて効率的だ。それだけではなく、子育て中の家庭にとっては、通勤時間を気にすることなく、自分のスキルに見合った仕事を探すことが可能になる。長期的に見れば政府の現金支給よりもはるかに少子化対策として効果的だ。これからの時代、全日出社強制はアンチエコで少子化問題無視の会社ということになるのだ。
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今週の注目経済指標
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今日の重要ブレークアウトレベル
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コーンチャート分析
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(荒地 潤)
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