米インフレの強さに動揺。円高ポジション損切りでドル/円は148円台へ
トウシル / 2024年3月15日 9時51分
米インフレの強さに動揺。円高ポジション損切りでドル/円は148円台へ
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは148.70円
↓下値メドは147.55円
債務と成長:債務の実質金利が経済成長率よりも低ければ、債務を心配することはない
エネルギー政策:バイデン大統領、国家安全保障を理由にLNGガスの輸出ライセンスの発行停止
ECB:ラトビア中銀総裁「欧州がリセッションになる可能性がある」
日銀:4月26日の日銀会合で利上げ決定、YCCは廃止へ
FRB:アトランタ前連銀総裁「FRBに利下げを急がせるようなデータはどこにも見当たらない」
前日の市況
2024年54営業日目のドル/円は、前日比0.55円の「円安」。米国の経済指標を受けてドルが全般的に買い戻された。米利下げ期待が後退するなかで米長期金利が上昇し、ドルショートにストップがついた。
3月14日(木曜)は147.66円からスタート。東京時間夜遅くに147.42円まで下落してこの日の安値をつけた。日銀が来週の会合で「マイナス金利を解除する」との憶測記事で円高に動いた。
しかしNY市場では反発。明け方に148.36円まで上昇して高値をつけた。この日発表された米国の2月PPI(卸売物価指数)が大幅に上昇していたことで、FOMC(米連邦公開市場委員会)が来週の会合で「利下げに一段と慎重」になるとの見方が強まった。米長期金利が4.3%前後まで上昇するのに連れてドル/円は円安に動いた。終値は148.33円。24時間のレンジ幅は0.93円。
今日の見通し
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長は、「利下げを確信するレベルに達していない」との見方を示している。米国経済が弱くなったというデータが出てくるまでは利下げしないということだ。
3月に入って発表された経済データでは、米雇用統計はNFP(非農業部門雇用者)の増加数が 27.5万人と市場予想を上回った。またCPI(消費者物価指数)は前年比で3.2%上昇して、こちらも市場予想を上回っている。雇用統計の平均時給の低下やコアCPIの上昇鈍化など、インフレ圧力がやわらいでいる兆候も垣間見えるがFOMC(米連邦公開市場委員会)が利下げを急ぐほどの状況ではない。
この日発表された2月の小売売上高は前月比0.6%増で、市場予想の0.8%増を下回った。これまでインフレや高金利でも堅調だった個人消費が弱り始めたことを示した。一方で、2月のPPI(卸売物価指数)は前年同月比1.6%上昇し、5ヵ月ぶりの大きさとなり、インフレ圧力が再び増していることを示した。
FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに対していっそう慎重になっていることは確かだ。来週のFOMCでは、利下げの予想を示すドットチャートが、前回の年3回から変わらないのか、それとも2回以下に減るのかが重要なポイントになるだろう。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
勝つことがすべてではなく、勝ちたいと思うことこそがすべてなのだ
Hotel California
BLS(米労働省労働統計局)が3月8日に発表した雇用統計では、2月の失業率は3.9%と予想より弱かったものの、NFP(非農業部門雇用者)の増加数は、政府関係とヘルスケアの雇用が強く、27.5万人と予想(19.0万人)を上回った。その一方で、12月と1月の雇用増加数は合計で16.7万人と大きく下方修正された。
コロナ禍が過ぎた後に多くの米経済データに現れているのが、冬と夏の季節変動の振幅の減少、いわゆる季節性の喪失だ。BLSの計測モデルは、この新しい傾向に追いついていないことが改定値の大幅修正の原因と言われている。速報値が翌月以降に下方修正されるパターンは今後も続く可能性がある。しかし下方修正後でも、非農業部門雇用者数は4カ月間では約100万人もの仕事が増えていることを考えると、雇用市場は決して弱いわけではない。
平均時給は2月に前月比0.1%上昇、前年比4.3%上昇で、いずれも予想を下回った。上昇率はFRBのインフレ目標2%とはかけ離れたままで、インフレ期待が錨をおろしたとは言えない。とはいえ、平均時給の鈍化は、労働市場がインフレ圧力を再燃させているとの懸念をやや後退させることになった。
今回の雇用統計には、いくつかの重要なポイントがある。まず、堅調な就業者の増加数は米経済の粘り強さの証明であり、FOMCが「利下げを待つリスク」が小さいことを示している。次に、失業率の上昇や、平均時給の上昇が予想よりも低かったことは、米経済の過熱がおさまる方向に向かっていることを示唆している。
FRBが重視する指標のひとつに雇用コスト指数(ECI)がある。これは、企業が従業員に支払う雇用関係の費用であり、賃金・給与が約7割を占めている。最新の米国の雇用コスト指数(ECI)によると、前年同期比が過去2年間で最小の伸びとなっており、賃金インフレが緩やかになる兆しを示している。2月平均時給の低下は、この傾向が2024年も続いているということになる。
パウエルFRB議長は、インフレが目標値に向かって下落するという確信を得ることができれば利下げをするとの考えを示した。利下げの時期は確定していないが、「今年前半の利下げ」の可能性は依然として高いといえる。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
Winners & Losers
(荒地 潤)
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