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日本は実質「高金利時代」に突入。これから円高が始まるのか?

トウシル / 2024年3月19日 10時1分

日本は実質「高金利時代」に突入。これから円高が始まるのか?

日本は実質「高金利時代」に突入。これから円高が始まるのか?

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは149.55

 ↓下値メドは148.70 

債務と成長:債務の実質金利が経済成長率よりも低ければ、債務を心配することはない
天然ガス:バイデン大統領、国家安全保障を理由にLNGガスの輸出ライセンスの発行停止 
ECB:ラトビア中銀総裁「欧州がリセッションになる可能性がある」 
FRB:アトランタ前連銀総裁「FRBに利下げを急がせるようなデータはどこにも見当たらない」 
日銀:3月19日の日銀会合で利上げ決定、YCCは廃止へ。4月26日会合から前倒し

前日の市況

 2024年56営業日目のドル/円は、前日比0.10円の「円安」。だった。今週の「中央銀行イベント」を前に狭いレンジ内での取引となった。

 3月18日(月曜)は149.06円からスタート。東京時間昼前 に149.33円まで円安になってこの日の高値をつけたあと148.90円まで円高に戻して安値をつけた。終値は149.17円。24時間のレンジ幅は0.43円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

今日の見通し

 日銀は本日の金融政策決定会合で、大規模緩和の解除を決定する。YCC(イールドカーブ・コントロール、長短金利操作)を廃止して、マイナス金利も解除する。約17年ぶりの歴史的政策変更である。しかし報道各社がすでに内容をリークしているため、マーケットに動揺はない。利上げでも円高にならないのは「織り込み済」ということだ。今は逆に、日銀が緩和解除を見送ることこそがサプライズだ。

 日銀はマイナス金利解除後も、当面はゼロ金利を維持すると見られている。これもドル/円が円安にとどまっている理由のひとつだ。しかし植田総裁が会合後の記者会見で予想以上にタカ派的姿勢を示すならば、円高に動く可能性がある。

 しかし、その円高も限定的だろう。明日のFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げ幅縮小の見通しを示した場合、日米金利差はそれほど縮小しないということで、キャリートレーダーにとっては、ドル/円の下落は絶好の押し目買いチャンスとなる。FRBだけではなく他の中央銀行も利下げに慎重であるため、クロス円においても日銀ゼロ金利解除の円高インパクトを減殺することになる。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

※次回為替Walkerは、4月2日(火)の掲載です。 

今日の為替ウォーキング

今日の一言

相場は、とにかくまずやってみる。だめなら原因を追究する。そして修正する。この繰り返し

American Woman

 日銀の利上げに興味はなくても、自分が払う住宅ローンの金利がこれから上がると知ったら無関心ではいられないだろう。

 日銀が昨年7月にYCC(イールドカーブ・コントロール)政策の柔軟化を決めたことで長期金利の上昇が続いている。大手銀行4行は、10年固定金利を12年ぶりの高さとなる0.15%幅引き上げた。今後も住宅ローンの固定金利を引き上げる動きが続くと見られている。

 植田総裁は、日銀はマイナス金利政策を継続している限りマクロ経済への影響は限定的だと述べているが、家計が直面しているのは中央銀行の金利ではない。重要なのは市中銀行の金利なのだ。その点において、日本ではすでに「利上げ」が行われている。

 住宅ローンの変動金利は、日銀の政策金利の影響を受ける。日銀がマイナス金利政策を解除することにより、変動金利も上昇することになる。新たに住宅ローンを変動金利で借りる人はもちろんのこと、すでに変動金利で借りている人の金利も上がることになる。日本は事実上、高金利時代に突入している。

 厚生労働省は2023年分の毎月勤労統計調査を発表し、物価を考慮した働き手1人あたりの「実質賃金」は前年比マイナス2.5%だった。減少は2年連続で、減少幅は9年ぶりの大きさだった。原材料の高騰に円安が追い打ちをかけて、日本のインフレ率は上昇している。一方で賃金の伸びはインフレ率に追いついていない。

 その結果、実質所得は減少の一途をたどっている。米国の消費者はインフレになって生活レベルを落とすよりもクレジットカードで買い物を続けようとする。しかし日本の消費者は生活を切り詰める傾向が強い。経済感覚としては正しいが、反面、消費が縮小するので企業は値上げを続けることができなくなり、インフレが一過性で終わってしまう。

 これこそが、現在の日銀にとっての最大の問題点でもあった。利上げをしなければインフレ上昇は止まらず、実質賃金はさらに安くなり消費が縮小する。かといって利上げをすれば、インフレは低下するだろうが、日銀はいつまでたっても物価目標を達成できない。金利高で日本を不景気になれば、消費がさらに縮小するリスクもあるのだ。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

※次回為替Walkerは、4月2日(火)の掲載です。 

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

タイムゾーン 分析

出所:楽天証券作成

※次回為替Walkerは、4月2日(火)の掲載です。 

(荒地 潤)

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