激動するドル/円為替レート、ドル金利上昇を受けて円安進む(窪田真之)
トウシル / 2024年4月18日 7時45分
![激動するドル/円為替レート、ドル金利上昇を受けて円安進む(窪田真之)](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/toushiru/toushiru_44907_0-small.jpg)
激動するドル/円為替レート、ドル金利上昇を受けて円安進む(窪田真之)
ドル金利上昇を受けて円安(ドル高)進む
円安に歯止めがかかりません。ドル金利上昇を受けて、1ドル=154円台をつけています。
ドル/円為替レートと、米2年・10年金利の動き:2022年7月1日~2024年4月17日
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/c/9/-/img_c980f7c824dedcbe0a8baf99c29743be30693.png)
ドル/円を動かす最大の要因は、ドル金利です。
【1】ドル金利が上がるとき、ドルが買われ円安(ドル高)になります。
【2】ドル金利が下がるとき、ドルが売られて円高(ドル安)になります。
厳密に言うと、ドル/円を動かす最大の要因は、日米金利差です。日本の金利がこれまでほぼゼロ近辺に固定されていたので、ドル金利がほぼ日米金利差になっていました。
ところが、最近、少し日本の10年金利が上昇しています。昨年までゼロ近辺に固定されていたのが、最近は0.9%近くまで上昇しています。円金利の動きも、少しずつドル/円為替レートに影響を及ぼすようになりました。
【3】円金利が上がるとき、円が買われ、円高(ドル安)になる傾向が出てきました。
【4】円金利が下がるとき、円が売られ、円安(ドル高)になる傾向があります。
ドル/円を動かす要因は、たくさんあって分かりにくいですが、金利に注目すればシンプルです。日米金利差が開くときは、円安(ドル高)。日米金利差が縮小するときは、円高(ドル安)と考えていれば、だいたいその通りに動いています。
もちろん、ドル/円が、それ以外の要因で動くこともあります。短期的に金利差と異なる方向に動くこともあります。それでも、長期の目線で見れば、金利差が為替の動きの背景にあることが分かります。
日米2年金利差がドル/円の長期変動を決める最重要ファクター
ドル/円為替の長期的な動きは、ほとんど日米金利差で説明できます。もっともよく動きを説明できるのは、2年金利差です。
2年金利差というのは、米国と日本の2年国債利回りの差です。以下で分かるとおり、日本の金利は長年ほぼゼロ近辺に固定されていたので、米国金利が、ほぼそのまま日米金利差となっていました。ところが、日本銀行(日銀)がマイナス金利を解除してから、2年金利が少し上昇したため、日本の金利変動も、日米金利差に影響するようになりました。
米国・日本の2年金利、および2年金利差の推移:2008年1月~2024年4月(17日)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/f/b/-/img_fb58be05ba843ff198dc07856f2018d020521.png)
ドル/円為替レートの長期の動きをもっともよく説明できるのは、日米の2年金利差です。
ドル/円為替レートと、日米2年債利回りの差:2008年1月~2024年4月(17日)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/5/0/-/img_507f3b0746689626f1f3be484e3a72a119257.png)
2008年以降の動きを見ると、おおむね日米2年金利差と、ドル/円は連動していることが分かります。
大きなトレンドが分かるように、上のグラフに赤矢印と説明を加えたのが以下のチャートです。
再掲:ドル/円為替レートと、日米2年債利回りの差:2008年1月~2022年3月(13日)
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/9/9/-/img_99658e5b5de2e9d1eccf3405b7fc35cd25612.png)
【1】2008~2012年
日米金利差の縮小に従って、円高(ドル安)が進みました。
【2】2013~2014年
日米金利差が少ししか拡大していないのに、大幅な円安(ドル高)が進みました。2年金利の差では説明できないほどの円安となりました。日銀が異次元緩和を実施する中、FRB(米連邦準備制度理事会)が金融引き締めに動いていたことが、急な円安を招きました。
今と似た環境です。今も、FRBが急激な利上げを進める中、日銀はマイナス金利を解除したものの、大規模緩和を維持しています。
【3】2015~2018年
日米金利差が拡大する中で、円高が進みました。2013~2014年の行き過ぎた円安に修正が起こったとみることができます。2016年に、米大統領選キャンペーンで共和党候補だったドナルド・トランプ氏(前大統領)と民主党候補だったヒラリー・クリントン氏が、ともに円安を批判したことも円高材料となりました。
トランプ前大統領が当選した後も、日本の対米黒字を問題視し続けたため、円高圧力が続きました。
【4】2019~2020年
日米金利差が縮小するに従って、円高が進みました。
【5】2021~2024年
日米金利差が拡大に従って、急激な円安が進みました。
▼著者おすすめのバックナンバー
2024年4月17日:株式市場が恐れる米国の「金融政策失敗シナリオ」とその兆候(愛宕伸康)
2024年4月15日:高値波乱の日経平均、企業業績は良好だが米金利上昇に不安(窪田真之)
(窪田 真之)
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1「土用の丑の日」物価高でも…あの手この手の“うなぎ商戦” 大手スーパーの目玉は「超特大」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月22日 19時59分
-
2「地方に多いホームセンター」が都会進出を狙う訳 人口減少が進む中、大手を軸に再編が進行
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 8時30分
-
3小林製薬、会長と社長が辞任へ…「紅麹」サプリ問題の対応遅れで経営責任明確化
読売新聞 / 2024年7月22日 21時37分
-
4「脱ママチャリ」電動自転車がここへ来て人気の訳 10万超でも高性能化、小型化で「1人1台」に?
東洋経済オンライン / 2024年7月23日 10時0分
-
5世界最大級・ファンボロー国際航空ショー開幕…三菱重工など日本企業14社も出展
読売新聞 / 2024年7月22日 21時54分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)