介入効果1日もたず。ドル/円、再び158円近辺まで円安
トウシル / 2024年5月1日 9時57分
介入効果1日もたず。ドル/円、再び158円近辺まで円安
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは158.50円
↓下値メドは156.25円
米中関係:トランプ氏が米大統領になって対中関税を引き上げるなら、米インフレは大幅上昇
旧正月:マカオの中国人観光客、前年比226%増
英雇用市場:就業者の伸びがコロナ前の平均超える
ドイツGDP:2024年成長見通しをわずか0.2%に下方修正
豪雇用市場:失業率が2年ぶり高水準。1月の新規雇用はわずか500人
前日の市況
4月30日(火曜)のドル/円相場は前日比1.45円の「円安」。5兆円規模と推測される介入めいた動きによって29日(月曜)は160円台から154円台半ばまで急落する場面があったが、円高へ流れが変わることはなかった。
2024年88営業日目のドル/円は、156.24円からスタート。東京時間朝に156.05円まで下げたが、155円台に下がることなく徐々に上昇して海外時間には157円台に乗せた。この日発表された米国のECI(雇用コスト指数)が市場予想を上回ったことが理由。ECIとは企業が実際に負担する雇用コストを示した指数で、全体の7割を給与が占める。本日から会合を開くFOMC(米連邦公開市場委員会)の元に届く最新のデータで、この数字を見るFRB(米連邦準備制度理事会)メンバーは一層タカ派姿勢に傾くことになるだろう。
ドルが広範に買われるなかで、ドル/円は明け方に157.85円まで上値を伸ばしてこの日の高値をつけた。終値は157.81円。24時間のレンジ幅は1.80円。
FOMCは、5月1日(日本時間2日未明)に政策金利を発表する。ただ、政策金利の据え置きは確実視されているので、イベントとしての注目度はそれほど高くはない。FOMC後にパウエルFRB議長は記者会見を開くが、すでに先週、「インフレに進展が見られない」などとの見解を明らかにしているため、サプライズ発言はないと考えられている。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
熱心に学ぶ姿勢はやがて習慣として定着する
I Don't Want to Miss a Thing
労働者一人当たりの平均賃金を示す現金給与総額(名目賃金)は、厚生労働省の発表によると、2023年の春闘が30年ぶりの高水準であったこともあり1.2%増加した。ところが、同年の消費者物価指数が大幅な上昇となったため、実質賃金は前年比マイナス2.5%だった。減少は2年連続で、減少幅は9年ぶりの大きさである。
34年ぶりの円安が原材料の高騰に追い打ちをかけて、日本のインフレ率はさらに上昇する。賃金の伸びはインフレ率の上昇からさらに引き離されて、実質所得は減少の一途をたどることになる。消費者は、生活レベルを落とすか借金して今の生活を続けるかの二択しかない。日本の消費者の多くはクレジットカードの残高を増やすよりは生活を切り詰めようとする傾向が強い。経済感覚としては正しいが、消費が縮小するから企業は値上げを続けることができなくなり、インフレは一過性で終わってしまう。
これは日銀にとって頭の痛い問題となっている。利上げをしなければインフレ上昇は止まらず、実質賃金はさらに安くなり消費が縮小する。かといって利上げをしてインフレが下がってしまえば、日銀は物価目標を達成できない。金利高が不景気を引き起こせば、消費はさらに縮小するリスクもある。どちらにしても、日銀は利上げできないのだ。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
タイムゾーン 分析
(荒地 潤)
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