50~60歳からのNISA。始める前に確認したい今後10~20年のこと
トウシル / 2024年5月6日 11時0分
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50~60歳からのNISA。始める前に確認したい今後10~20年のこと
NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)は長期的な資産形成に適した制度とされています。若い世代の人たちが使うための制度という印象があるかもしれませんが、新しいNISAは50~60歳の現役引退や年金受給が近づく年代の人にとっても非常に使いやすい仕組みとなっています。
今回は、50~60歳の人がNISAを活用していく方法についてご説明します。
NISAの前に確認しておきたいライフプランと家計状況
NISAと聞くと「どの銘柄にいくら投資しようか」と前のめりになってしまうかもしれません。しかし、NISAを始める前に、次のようなポイントを確認しておくことが大切です。
- 今後10~20年のライフイベント、ライフプラン
- 今後10~20年の収入と支出
- 現在の資産状況(金融資産、不動産、住宅ローンなどの残高)
- 今後NISAでいくら投資していくか
50~60歳の会社員であれば、一般的には定年退職が目前となりつつあります。完全に現役引退するのか、再雇用や転職などで働き続けるのか、働き続けるなら何歳まで働くのか、など今後のライフプランを作成することが大切です。一方、個人事業主であれば定年退職はありませんが、何歳までどのくらいの収入で働くか、計画しましょう。
結婚して子どもがいる場合には、配偶者のキャリアプラン、子どもの教育費はいつまでどのくらいかかるのか、といったポイントも重要です。
今後10~20年のライフイベントを書き出してライフプランを作成
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/9/e/-/img_9e9083ce6ae42f6ebc5401b60c5b445092373.jpg)
一般的な定年退職年齢である60歳や、公的年金の支給開始年齢である65歳といったタイミングでは、収入が大きく変動する可能性があります。退職金や企業年金などでまとまった収入が入ることもあれば、再雇用や年金収入に切り替わることでの収入減も考えられます。
一方で、住宅ローンの返済が完了したり、子どもの教育費が終わったりすれば、支出が大幅に減少する可能性もあります。今後10~20年の収入計画と合わせて、支出の確認、見直しもしておきましょう。
そして、現在の資産状況を確認することも大切です。預貯金、投資信託などの有価証券、保険契約、マイホームといった資産と、住宅ローン、自動車ローン、教育ローンなどの負債がどのくらいあるのか確認します。
このようにライフプラン、収入と支出、資産状況まで確認できれば、どのくらいの金額をNISAでの投資にまわしていくことが可能か、具体的に見えてくるはずです。
50~60歳のNISAでの実践的投資法
NISAで投資を始める前にやっておくべきことが終われば、あとはNISAを利用して投資していくのみです。50~60歳の方におすすめのNISA活用法は次のようになります。
- 早期の投資完了:投資可能な資金はできるだけ早く市場に投入し、そのまま保有を継続
- 投資する商品:つみたて投資枠、成長投資枠ともに、世界の幅広い株式を対象とした低コストのインデックスファンド
- 資金の取り崩し:ライフイベントでお金が必要になった場合や、年金生活に入り収入が減少した場合などは取り崩しながら使っていく
50~60歳からのNISA活用三つのポイント
![](https://media.rakuten-sec.net/mwimgs/c/c/-/img_cc3506eb820f4515dc126dfb8cbd1334121810.png)
50~60歳の人は、若い世代と比較すると投資期間が長くは取りづらいため、投資にまわせるお金はできるだけ早く投資してしまうことが大切です。
例えば、手元にあるお金のうち360万円をNISAで投資できる場合で考えてみます。NISAでは最大で年間360万円まで投資できますので、360万円なら1年で投資を完了させてしまうことも可能です。
しかし、投資の経験がない方の場合、少しずつリスクに慣れていくのがよいと思いますので、2~3年くらいの期間で積立投資していくとよいでしょう。例えば、2年なら毎月15万円のペースで積立投資をする形になります。毎月1万円で30年間の積立投資のようなペースで始めるのはおすすめできません。
次に投資する商品ですが、長期的な収益性やインフレ対策といった観点からは株式へ投資していくことが選択肢になります。ただし、個別銘柄を選ぶのは容易ではありませんので、投資信託を利用して、世界の幅広い株式に投資できるインデックスファンドを選ぶのがおすすめです。
投資信託では信託報酬などの手数料負担が発生しますが、同じインデックスファンドでも信託報酬の水準は異なりますから、できるだけ低コストのものを選ぶとよいでしょう。なお、人生の後半で取り崩していくことを視野にいれると、投資対象は世界の株式で同じでも、分配金を支払うタイプの投資信託やETF(上場投資信託)も選択肢になります。
最後に、NISAで投資したお金をいつ使うかですが、ライフイベントでお金が必要になった時や、年金生活に入り生活費として使っていく時に取り崩していきます。
海外旅行や車の買い替えといったライフイベントも考えられますが、高齢期では医療費や介護費などが発生する可能性もあります。特に生活費として使っていく場合には、定期売却サービスを利用すると、定期的に自動的に売却できますので便利です。
定期的にライフプランをアップデートしつつ、お金を取り崩していくペースを考えながら計画的に使っていき、充実したセカンドライフを送っていただければと思います。
(横田 健一)
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