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横山光昭さん:ボーナスが元手でも、投資デビューは「3,000円がいい」理由

トウシル / 2024年5月6日 11時0分

横山光昭さん:ボーナスが元手でも、投資デビューは「3,000円がいい」理由

横山光昭さん:ボーナスが元手でも、投資デビューは「3,000円がいい」理由

※この記事は2018年7月2日に掲載されたものです。

≫≫後編【100円ではじめる投資信託の長期投資はつまらない。でも、5年後にその継続力は自信になる】

 

投資をしたいと思っていても、普段はなかなか始められない。そこで、おかねに余裕が生まれるボーナスの時期こそ投資デビューにぴったりかも。そんなふうに思って投資にも詳しいFP(ファイナンシャルプランナー)の横山光昭さんに相談してみました。すると「賛成です」とうれしい返事。ところがよく聞いてみると……。

ボーナスをもらったタイミングで投資を始めてもいいの?

「ボーナスのお金をそのまま投資に回すことに賛成しているわけではありません。私は家計の延長線上に投資があると考えているので、まずボーナスのお金で家計を見直して、強い家計を作ってから、投資に進むことをおすすめしています。強い家計ができている人は投資を考えるタイミングでしょうし、そうでない人は家計の見直しから始めてください」

 家計を見直すとは、こういうこと。カードローンやクレジットカードのリボ払いの残高(=借金)がある人はボーナスを使って精算する。もちろん借金がなくなったところで安心してはいけません。「いよいよ家計の見直しです」と横山さんのアドバイス。具体的には?

「お金の使い方は『消費』『浪費』『投資』の3つに分けられます。消費は食費や光熱費のような生活に必要なもの。浪費は今を楽しむためのムダ遣い。投資は自分の将来につながること。知識を増やすための本代、スキルを上げるための習い事代もそうだし、預貯金、投資信託の購入などもそうです。理想の割合は、消費70%、浪費5%、投資25%。家計に問題のある人は、まず浪費がオーバーしていないか確認してみましょう。でも、ゼロにする必要はありませんよ。楽しみの部分も残しておくのは構いません。消費、浪費、投資のバランスを見直すのです」

 浪費はゼロにしなくていいというアドバイスがうれしいですね。ただし、お金は無限にあるわけではないので、「支出に優先順位をつける習慣をつけてください」とのこと。「そのうち自分にとって必要な支出かどうかが自然に判断できるようになりますよ」。

投資に回すお金はいくらがいいの?

 ところで、投資の中に預貯金が含まれています。投資の中から、どれくらいを預貯金としていくとよいのでしょう?

「投資の目安は月収(手取り)の25%くらいです。月収が20万円なら5万円。そのうちの60%相当の3万円を預貯金にまわし、40%相当の2万円を習い事や本代といった自己投資として使うというイメージですね」

 そして3万円を「使う」「ためる」「増やす」の3つの口座に順番に入れていきます。

「使う口座は、家計で支出がかさんだときになど、使うためのお金を入れておくための口座です。ためる口座は病気やけがで働けなくなったり、失業したりといういざというときに備えるためのお金です」 

 つまり、守りのための口座ということ。では、増やすための口座は?

「増やす口座は、老後など将来に向けて備えるお金を入れます。使う口座には月収の1.5カ月分、ためる口座には少なくとも月収の6カ月分~1年分を目標にしてください」

「この3つの口座に同時にお金を入れるのではなく、使う→ためる→増やすの順にお金を入れていきます。まず使う口座が1.5カ月分になるまで集中的にお金を入れていきます。この間は他の口座が空でも大丈夫。満タンになったら、次にためる口座にお金を入れ、最後に増やす口座です。ボーナスもいきなり投資に回すのではなく、使う口座とためる口座を満タンにすることを優先してください」

 使う口座、ためる口座は銀行の口座を使いますが、増やす口座はいろいろな投資商品が買える証券会社の口座がおすすめだそう。

投資を体験するために、3,000円からはじめてもOK

「原則は使う口座、増やす口座が満タンになってから増やす口座を使うのですが、二つの口座が満タンになるまでに相当な時間がかかりそうな場合、勉強のために3,000円くらいの少額投資を体験してみるのはいいと思います。経済の動きにも興味が持てるようになり、知識が増えますからね」

 だめなのは、順番を間違えてしまうこと。「iDeCo(イデコ:個人型確定拠出年金)という節税になるお得な制度ができたから今すぐ投資を始めようといった焦りは禁物」というアドバイスは厳守しましょう。

 さて、いよいよ増やす口座の出番になったら、何を買いましょう?

「少額投資や投資の勉強を通じて理解した範ちゅうで投資をするようにしてください。例えば、TOPIX(東証株価指数)は東証プライム市場に上場している銘柄を対象として算出されている株価指数(インデックス)で、株式市場全体の動きを表しているということが理解できていたら、TOPIXに連動するインデックスファンドを買ってみます。決して○○という銘柄が値上がりしそうとか、FXがもうかりそうといった聞きかじりの情報に振り回されないでください」

 お金にためる順番があるように、投資にも順番があります。次回は、投資の順番やおすすめの投資商品について横山さんに聞きましょう。

≫≫後編【100円ではじめる投資信託の長期投資はつまらない。でも、5年後にその継続力は自信になる】

[教えてくれたのは]
マイエフピー代表 横山光昭さん

日本でもトップクラスの人気を誇るファイナンシャルプランナー。マイナス家計を健全な家計に変える「家計再生」のプロフェッショナルとして、これまでの相談件数は2.4万件を突破。著書は、シリーズ累計90万部超の最新作『貯金感覚でできる3000円投資生活デラックス』、『年収200万円からの貯金生活宣言』を代表作とし、著作は162冊、累計360万部となる大人気著者でもある。

(トウシル編集チーム)

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