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今週はさらに円安か? 今夜からマーケットはボラティリティ高くなる予想

トウシル / 2024年5月14日 9時56分

今週はさらに円安か? 今夜からマーケットはボラティリティ高くなる予想

今週はさらに円安か? 今夜からマーケットはボラティリティ高くなる予想

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは156.50

下値メドは155.60 

米経済:「米景気再加速」がトレンドワード入り
ロシア:ウクライナの次は欧州のどの国が標的になってもおかしくない
ウクライナ:マクロン仏大統領、EU軍設立を討議
NZ:オアRBNZ総裁「NZの政策金利5.5%は中立金利より高い」 
英国増税:英国の債務は維持不能水準に。政府が支出削減しない限り増税は不可避  

前日の市況

 5月13日(月曜)のドル/円相場は、前日比0.41円の「円安」。

 利下げに慎重な見方を示すFRB(米連邦準備制度理事会)メンバーが増えている。この日はジェファーソン理事が発言して、「当面の間、政策金利は据え置くのが妥当」との見解を示した。米消費者の1年先インフレ期待は4月には3.3%に上昇して昨年11月以来の高さとなった。

 その一方で、今週発表される米国の4月CPI(消費者物価指数)は下落するとの予想が多い。多くの為替トレーダーが指標発表前にドル買い持ちポジション減らしているが、ドル/円だけは例外だった。イエレン財務長官が「為替レートは市場に委ねられるべき」と発言して、次の為替介入はないとの見方が広がった。通貨安が輸入インフレを悪化させるという意味では、米国がドル安につながる介入を容認できないのは当然だ。利上げという痛みに耐えながらインフレと戦う米国にすると、日銀がゼロ金利政策を続けながら、円安は介入で抑えようとする日本の財務省には不満なのだろう。

 2024年96営業日目のドル/円は、155.64円からスタート。東京時間 昼前に日銀が国債買い入れオペ額を減額したことで金利差縮小の期待から円買いが起きたが、すぐに押し目買いに拾われて安値は155.20円止まりだった。

 イエレン財務長官の発言で日本の介入リスクが後退するなかで、未明には2日以来の156円台にのせると、156.25円まで上昇してこの日の高値をつけた。終値は156.21円。24時間のレンジ幅は0.75円。

いつもとは逆に、今月は米国のPPI(卸売物価指数)がCPIの先に今夜発表される。CPIの「先行指数」としての注目度は高くなり、PPIの結果が強くても弱くても予想を超える結果となれば、明日のCPIに向けてFXのボラティリティは一段と高まる可能性が高い。またパウエルFRB議長の発言も予定されている。

出所:楽天証券作成

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

最も重要なことは”勝つ”こと。すべてが勝利に帰結する - アイルトン・セナ(F1レーサー)

Rapture

 FRBによる大幅な利下げを前提とした2024年の「ドル安シナリオ」は、全面的な見直しが迫られている。今年利下げする可能性がゼロになったわけではないが、最近の発言を聞く限り、FRBはあまり積極的ではないようだ。

 FRBは「物価の安定」だけではなく「雇用の最大化」に対する責務(デュアルマンデート)を負っている。つまり、FRBはインフレだけではなく米国の経済成長にも配慮して政策を運営する義務があるのだ。その意味でパウエルFRB議長が5月FOMC(米連邦公開市場委員会)会合後の記者会見で「雇用の安定」に言及したことは重要だ。

 FRBが成長(雇用)とインフレのバランスを取りながら、米経済をソフトランディングに誘導しようとするときに大幅利下げは必要ない。必要なのは景気刺激的な低金利ではなく、「安定した金利」だ。

 インフレも、FRBが2%目標達成に執着するのではなく、3%程度まで許容するならば利上げも長期間にわたる高金利を続ける必要もなくなる。

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の重要ブレークアウトレベル

出所:楽天証券作成

タイムゾーン 分析

出所:楽天証券作成

(荒地 潤)

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