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米国株はやや過熱?逆指値を使って守りつつ攻める(窪田真之)

トウシル / 2024年5月28日 7時0分

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米国株はやや過熱?逆指値を使って守りつつ攻める(窪田真之)

エヌビディア急騰、ナスダック最高値、日経平均は高値で堅調

 米半導体大手エヌビディアが22日に発表した2024年2-4月(2025年1月期第1四半期)決算は、売上高が前年同期の約3.6倍の260.4億ドル、純利益は約7.3倍の148.8億ドルで、市場予想を大幅に上回り、株価は決算を好感して、急騰しました。

 エヌビディア急騰により、ナスダック総合指数は最高値を更新しました。米景気ソフトランディング(軟着陸)が見えてくる中、米国の企業業績が良好なことから、ナスダック上昇が継続しています。

 日経平均株価(225種)はやや上値が重くなっていますが、米国株好調を受けて、高値圏で堅調に推移しています。

 ただし、このように強気がまん延している時には注意も必要です。ショック安は、誰も予想しないタイミングで来ることが多いからです。さらなる上昇に期待しつつも、シートベルトを締め直してよいタイミングともいえます。

 日経平均は以下の通り、アベノミクスが本格的にスタートした2013年以降、急落・急騰をくり返しつつ、上昇してきています。

<日経平均の動き(2012年末を100として指数化):2012年末~2024年5月27日>

出所:2012年末の値を100として指数化。QUICKより楽天証券経済研究所が作成

 日経平均に投資すれば中長期で上昇期待があるものの、短期的にはマイナス10%~マイナス20%のショック安はよくあります。

 それは米国株も同じです。上のグラフに米S&P500種指数を加えると以下の通り。

<日経平均とS&P500種指数の動き比較(2012年末を100として指数化):2024年5月27日まで(S&P500は5月24日まで)>

出所:QUICKより作成

 こんな時、日本株・米国株への投資はどうしたらよいでしょうか? 短期的な株価変動を気にせず、日経平均インデックスファンドやS&P500インデックスファンドなどに毎月1万円など一定金額をコツコツと積み立てしていくのが、とても良い方法だと思います。

 もっと積極的に動くならば、他の方法もあります。大きく上昇すると期待する個別株に選別投資するとともに、失敗した時に備えて、逆指値の売り注文を入れておく方法です。この方法は、日本株でも、米国株でも可能です。今日は、逆指値の使い方を解説します。

「逆指値」売り注文とは

 一言でいうと、「想定外の株価下落に備える損切り予約」です。

「ここまで株価が下がってしまったら、さらなる下落によって損失がどんどん拡大する可能性がある」と考えられる株価水準を決め、「そこまで下がったら、自動的に売り注文が出る」ように予約しておくのが、「逆指値・売り」注文です。

 逆指値注文には、逆指値の成行売り注文と、逆指値の指値売り注文があります。私は、損切り予約として使うのは「逆指値・成行売り注文」に限るべきと思います。このリポートでは、逆指値・成行売り注文に絞って、説明します。

<逆指値・成行売り注文のイメージ図>

「億り人」は損切り達人

 株のトレーディングで1億円以上の金融資産を作った人を「億り人」と呼びます。億り人の成功談に、「これこれを買ったら株価10倍に」のような話がたくさん出てきます。

 ただし、どんな投資の達人でも、選ぶ銘柄で百発百中はあり得ません。たくさんの銘柄をトレードしているうちに、「そのまま持っていたら株価が半値になっていた!」という銘柄も多数あるはずです。

 そういう失敗銘柄を、暴落初期に素早く損切りできないと、億り人にはなれません。「保有し続けていたら半値になっていた銘柄を、暴落初日に10%の下げで損切りした」というような「損切り成功談」が、億り人にはたくさんあるはずです。

 一般の個人投資家が、機関投資家やデイトレーダーに対して不利な点は、「日中、常に相場を見ていることができない」ことです。投資銘柄に想定外の悪材料が出て急落する時、大きな損失を抱える前に素早く損切りすることは、長期のパフォーマンス向上にとても大切です。

 ところが、個人投資家の場合、家事・育児に忙しかったり、会社で仕事中だったりして株価を見ていないうちに大きく下がってしまうことがあります。

 そうならないように、値動きの荒いテーマ株に投資する場合は、逆指値・成行売り注文を入れておくべきと思います。

逆指値の成行売り注文を、しっかり使いこなす

 逆指値注文には、売り注文も、買い注文もあります。意味を説明すると、以下の通りです。

◆「逆指値売り注文」:指定した価格まで、株価が下がった時、出される売り注文
◆「逆指値買い注文」:指定した価格まで、株価が上がった時、出される買い注文

 株式投資の初心者の方は、逆指値の成行売り注文だけ覚えて、使っていただければOKです。逆指値買い注文は、信用取引で信用売りしたときなどに使うくらいで、通常の取引で使うことはほとんどありません。

 それでは、具体例で説明します。米国株の例で説明します。

<指値売りと逆指値売り>

 上の図を使って、指値と逆指値を説明します。株価が150ドルの銘柄を1株保有していて、160ドルまで上昇したら利益確定売りをしようと思っているとします。その場合、160ドルに「指値(さしね)売り」注文を入れます。それが、指値注文です。

 これに対し、逆指値は、損切りの予約です。株価150ドルの銘柄を1株保有していて、140ドルまで下がったら損切り売りをしようと思っている場合、140ドルに「逆指値・成行売り」注文を入れておくことができます。米国株の逆指値注文は、iSPEED、マーケットスピードIIまたは、楽天証券のスマホまたはPCウェブページからログインして出すことができます。

 この株が、160ドルまで上昇し、あなたが入れた指値売り注文にヒットすれば、160ドルで利益確定売りが成立します。一方、この株が下落し、140ドルを付けた時は、損失確定の成行売り注文が出されます。

 その時点で、140ドルに指値の買い注文が残っていれば、140ドルでの損切りが成立します。140ドル買い指値がなくなっている場合は、それより下の、一番高い価格に入っている買い指値にヒットして、売ることになります。

 逆指値の成行売り注文を入れておけば、きっちり損切りできます。株価をずっと見ていると、いろいろ迷って損切りできなくなる人も、損切りできるのがメリットです。

 以下の説明もご参照ください。

【米国株】逆指値注文の仕組み

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(窪田 真之)

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