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個人投資家は「目標株価」を決めない方がいい?「モメンタム投資」の考え方

トウシル / 2024年6月6日 11時0分

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個人投資家は「目標株価」を決めない方がいい?「モメンタム投資」の考え方

あなたは買った株をいくらで売りますか?

 皆さんは、買った株をいくらで売るかを決めていますか?

 例えばマネー雑誌の「オススメ銘柄紹介」では、その多くに目標株価が載っていて、これを目安にする個人投資家の方もいるでしょう。

 あるいは割安株投資であれば、「PER(株価収益率)が20倍に達したら売る」とか「PBR(株価純資産倍率)が1倍を超えたら売る」といったように、ファンダメンタルをベースに目標株価を決めるという方もいると思います。

 実は筆者は「目標株価」は基本的には決めていません。投資スタイルにもよりますが、個人投資家がより多くの利益を得るためには、目標株価は設定しない方がいいと感じているからです。

株式投資で重要な「モメンタム投資」の考え方

 筆者の投資法は、株価のトレンド(方向性)を移動平均線と株価の位置関係から把握し、株価が上昇トレンドにある銘柄を買い、上昇トレンドが続く限り保有する、というものです。

 これは投資スタイルでいえば「モメンタム投資」と呼ばれるものです。

 なぜモメンタム投資が有用かといえば、株は勢いがつくと投資家の想定を超えて大きく上昇することが多々あるからです(モメンタム効果)。典型的なのはバブル相場ですが、昨今の半導体関連銘柄のように「まだ上がるの?」とびっくりするような上昇を続けるケースも少なくありません。

 無論、バブル状態になってから新規にその株を買うことはリスクが高いですが、バブル状態になる前のかなり安い段階から買うことができているのであれば、安易に売却してしまうのはもったいないといえます。

ファンダメンタル+モメンタムで株価は大きく上昇する

 例えば、今期の予想1株当たり利益100円、株価1,000円、PER10倍の銘柄があり、目標株価をPER20倍、つまり今の株価の2倍になったら売却する、と設定したとしましょう。

 もしこの銘柄がアナリストの分析で、当期の予想利益が1株当たり利益150円は見込まれるということになれば、PER20倍の株価水準は3,000円になります。

 また、来期以降さらに業績が伸び、2年後には1株当たり利益として200円は見込めるとアナリストが分析し、そのレポートを基にプロ投資家が買い進めたらどうなるでしょう。

 2年後の1株当たり利益200円で考えれば、株価2,000円のときのPERは10倍です。PER20倍は、株価が4,000円にならないと達成しません。

 しかし、上記のようなアナリストの分析は、私たち個人投資家が触れることのできない情報であることが多いですし、会社側が公表したものではありません。そのため、会社側は1株当たり100円の当期純利益予想は当面の間はそのまま修正しないでしょう。

 その結果、プロ投資家からすれば、株価2,000円は上昇の通過点に過ぎないにもかかわらず、個人投資家は予想1株当たりの当期利益は会社公表の100円のままで情報が更新されないため、株価2,000円で目標株価到達、として売ってしまうのです。

 そして売った後株価が3,000円、4,000円と上昇を続け、マーケット環境が良好であればモメンタム効果も発揮し、1万円にまで上昇する可能性だってあります。その結果、悔しい思いをしてしまいます。

特に上場来高値更新銘柄は安易に売らない方が得策

 個人投資家は与えられている情報がプロ投資家より圧倒的に少ないため、目標株価をあらかじめ決めておいても、それが妥当なものかどうかは分かりません。さらにはモメンタム効果により株価に勢いがつくと、予想できないような高値に駆け上がることもあります。

 もし、「今までの投資経験上、自分が株を売った後に大きく上がることが多い」というのであれば、目標株価は決めず、株価が上がっている間は持ち続ける方が大きな利益を得る可能性が高まります。

 特に上場来高値を更新している銘柄というのは、含み損を抱えている投資家がゼロという状態ですので、株価が上昇する際の売り圧力も少なく、モメンタム効果も相まって株価が大きく上昇することがよくあります。これを安易に売ってしまうのはあまりにももったいないと思います。

損切りの株価はあらかじめ決めておいた方がいい

 ここまで述べてきたのは買った株が上昇した場合、安易に目標株価を決めずに、株価が上昇している間は持ち続けることでより大きな利益を上げることができる、ということです。

 しかし買った株が上昇ではなく下落した場合は話が変わってきます。持ち続けることにより株価がさらに大きく下落し、塩漬け株をつくってしまう恐れが高まるからです。

 ですから買った株がいくらまで下がったら損切りするか、というルールはあらかじめ決めておくことをお勧めします。

 例えば「買値から10%下がったら」というのでもいいですし、筆者のように「移動平均線を明確に割り込んだら売却」というルールでもよいです。

 株価が上がっている間は目標株価を設定せず上昇についていく、しかし株価が買値から下がった場合は、あらかじめ定めた価格やルールにのっとって損切りを適切に実行することにより、利益をより大きく、損失をより小さくできるはずです。

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(足立 武志)

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