ドル/円155円台で上値重そう。雇用統計を前に円売り慎重
トウシル / 2024年6月7日 10時24分
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ドル/円155円台で上値重そう。雇用統計を前に円売り慎重
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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「「ドル/円は155円が分岐点?今後の重要イベントに注目」」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは156.85円
↓下値メドは154.70円
キャリトレ:金利差よりもボラティリティの低さが重要
日銀:「利上げは時期尚早、今後も緩和状態続ける」
米利上げ:ボストン連銀総裁「利上げの可能性を完全に排除することはできない」
中豪経済:RBA、中国の不動産不況が豪経済に波及することを警戒
BOE:ベイリー総裁「インフレが目標値に下がる前に利下げできる」
前日の市況
6月6日(木曜)のドル/円相場は前日比0.47円の「円高」。
2024年114営業日目は155.99円からスタートして。東京時間はドル売りが優勢のなか、昼前に155.35円まで下落してこの日の安値をつけた。しかし、日銀の「利上げは時期尚早」とのコメントが間接的な介入効果となって円高が止まると、夜遅くには今週火曜日からの高値圏の156.44円まで円安に戻した。ただ156.50円を超えることはできず、再び155円台に押し戻されて、終値は155.66円。24時間のレンジ幅は1.09円。
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ECB(欧州中央銀行)は、6月6日の理事会で、2019年9月以来、約4年9カ月ぶりの利下げを決定して、主要政策金利を0.25%ポイント引き下げた。9カ月にわたり過去最高の4%で維持していたデポ金利は3.75%に引き下げられた。
ECBは物価の上昇を抑えるために2022年7月から10回連続で利上げを行ってきたが、インフレ率の伸びが落ち着いてきたとの判断で、今回利下げに踏み切った。ラガルドECB総裁は、2025年下半期にはインフレが目標値の2.0%まで低下するとの自信を示した。その一方で2024年と2025年のインフレ予想は2.5%と2.2%にそれぞれ上方修正された。
ECB会合後のユーロ/ドルは上昇した。利下げはユーロ売り材料だが、すでに100%織り込み済だったことや、今後の利下げをコミットしない「タカ派的利下げ」だったことで欧州と米国の金利差拡大は広がらないとの見方がユーロのサポート材料となった。
欧州のインフレの性質は米国と類似性が高いと言われている。3カ月後に利下げを実施する考えのFRBにとっては、今回のECBの利下げは、絶好のケーススタディになりそうだ。
主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
相場を認識する力に長けている人は、相場を自分の有利な方向に利用することができる。今ある相場から自分の望む相場を作り出していく
Stairway to Heaven
BLS(米労働省労働統計局)が5月3日に発表した4月の雇用統計では、NFP(非農業部門雇用者)は、17.5万人増加したが、事前予想の25万人増を下回った。政府部門とレジャー部門で雇用が急減したことが影響した。前月分は30.3万人から31.3万人へ上昇修正された。
失業率は3.9%で前月より0.1ポイント上昇したが、米国の失業率は過去50年間で最も低い水準にあり、働きたい人がほぼ全員仕事に就くことができる「完全雇用」の状態にあることに変わりはない。平均時給は、前月比で0.3%上昇。前年同月比では3.9%上昇で、ここ数年で最低のペースとなった。
19歳以上の米国人口のうち、働く意欲がある人の割合を示す労働参加率は62.7%で横ばいだった。25から54歳の年齢層では83.5%に小幅上昇し、約20年ぶり高水準に並んだ。0.1%の労働参加率の上昇は、労働力供給が約40万人増えることを意味する。労働力の供給不足問題が解消に向いつつあることで、賃金上昇率の緩和とディスインフレ(物価上昇率の低下)が進むことが期待される。
米国の利下げについては、2024年が始まった時点では「年6回」の予想が中心だったが、次第に後退し、5月のFOMC(米連邦公開市場委員会)時点では「12月に1回」、もしくは「今年ゼロ」という予想にまで後退した。しかし、前回の雇用統計を受けて、「今年2回」の予想が再び増えているようだ。FOMCは6月と7月の会合で、政策金利を据え置く可能性が高く、もし利下げが実施されるとすれば、最も早いのは9月の会合になるだろう。
雇用統計は、9月FOMCまでにあと4回(今回、7月11日、8月14日、そして9月11日)発表がある。CPI(消費者物価指数)の発表は5回。経済データ次第で利下げ確率は今後も大きく変動するだろう。
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今週の注目経済指標
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今日の注目テクニカルレベル
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Winners & Losers
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(荒地 潤)
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