FOMC強気でも、円安伸び悩む。ドル/円157円後半から重い
トウシル / 2024年6月13日 9時54分
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FOMC強気でも、円安伸び悩む。ドル/円157円後半から重い
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは157.45円
↓下値メドは155.80円
メキシコペソ:第1四半期のベストパフォーマンス通貨はメキシコペソ
小幅利下げ:ウォラー理事「データは米経済が大きな利下げを必要としてないことを示す」
利下げ1回:アトランタ連銀総裁「今年の利下げは1回、0.25%だけ」
円金利:植田総裁「金利水準は市場が決定する」が、「必要とあれば介入する」
スイス売り:キャリートレードの円からの乗り換えで大量のスイス売り発生
前日の市況
2024年118営業日目は157.03円からスタートした。
東京時間夜の初め頃に157.35円まで上昇してこの日の高値をつけたが、その後NY市場で発表された米5月CPI(消費者物価指数)で予想以上にインフレが低下したことでドルが売られた。指標発表後に156円台を通り抜けて155円台まで急落して、未明にはこの安値となる155.71円をつけた。
FOMC(米連邦公開市場委員会)はこの日の会合で、政策金利のFF(フェデラルファンド)レートを予想通り5.25-5.50に据え置くことを決定した。しかしFOMCメンバーによる金利予想の中央値が、3月時点の年3回の利下げから年1回に減ったと公表されると、今度はドル買い戻しが優勢になった。ドル/円も155円台後半から156円台後半まで急反発したが、157円台には戻ることができなかった。終値は156.73円。24時間のレンジ幅は1.66円。
FOMC後の「円安・円高のメド」
FOMCの次は日銀会合が待っている。日銀は、早ければ7月の会合で利上げするとの予想もでている。しかし円相場はまったく反応していない。慎重居士な植田総裁に飽き飽きしたマーケットは日銀を監視対象から外したままだ。
円安のメドは、157.47円、157.71円、160.22円
円高のメドは、154.54円、153.60円、152.74円。
短期:
直近2カ月間のドル/円のレンジは151.85円から160.22円。
高値と安値の50%(中立点)は、156.04円。
中立点から見て現在の水準は、「円安」に位置する。
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中期:
2024年のドル/円のレンジは140.79円から160.22円。
高値と安値の50%(中立点)は、150.51円。
中立点から見て現在の水準は、「円安」に位置する。
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主要指標 終値
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今日の為替ウォーキング
今日の一言
すべての宗教、芸術、科学は、同じ一つの木の枝である - アインシュタイン
No Woman, No Cry
FRB(米連邦準備制度理事会)が金融政策の運営において課せられている法的使命は「物価の安定」と「最大限の雇用」の達成であり、これはFRBのデュアル・マンデートと呼ばれている。
デュアル・マンデートを具体的な数字で示すならば、「物価の安定」とは、コアPCEが2.0%の水準だ。(2024年4月 = 2.8%)PCEとは個人消費支出の略で、米国の家計が購入した財やサービスを集計した経済指標のことである。そのうち変動の激しい食品とエネルギーを除いた数字をコアPCEという。
「雇用の最大化」とは、失業率がNAIRU(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment:非加速的失業率)の水準で、FRBはこれを4%と見積もっている。パウエルFRB議長の理想は、失業者を出さずにインフレ目標を達成することである。失業率は自然な人口動態と労働力の変化によって上昇させる。しかし、この理想の実現は非常に困難である。
雇用統計による米国の失業率は、2022年から3.7%前後で安定している。FRBは「雇用の最大化」を達成した。残るは「物価の安定」、すなわち労働市場を動揺させることなくインフレ率を下げることだけだ。
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5月のCPI(消費者物価指数)は前年比3.4%で、2022年6月のピーク時から1/3になった。ベース効果とガソリン価格の下落が大きな理由。しかし年後半はベース効果がなくなり、エネルギー価格も今後も低価格が続く保証はない。
一方で賃金上昇率は4.0%以上で高止まり、賃金と物価のスパイラルの脅威にも直面する。FRBはインフレとの戦いに勝利したのだろうか?もしFRBがコアPCEに注目しているならば、決してそうではない。
FRBの政策金利はおそらくピークに達したと思われるが、大事なことは、利上げ終了と利下げは全くの別物だということだ。CPIが予想に反して下げ止まっていることを受けて、FRBは長期間にわたる高金利の維持と、労働市場の大幅な調整が必要との認識を新たにしたことだろう。FRBが勝利宣言を出すのはまだ先のことだ。
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今週の注目経済指標
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今日の注目テクニカルレベル
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ヒートマップ分析
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(荒地 潤)
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