「もっと早く売っておけば…」はNG!下落時に大損をしないための投資思考とは
トウシル / 2024年6月20日 11時0分
「もっと早く売っておけば…」はNG!下落時に大損をしないための投資思考とは
株価が下がったらどんな気持ちになりますか?
株価は理屈の上では長期で見れば右肩上がりに上昇していくもの。しかし実際は長期間株価が上昇せずに低迷することもありますし、個別銘柄の場合はいくら保有を続けても過去の高値にまで一向に到達せず低空飛行を続けるということも非常に多いです。
従って、私たち個人投資家は株価の下落と上手に付き合っていかないといけません。そしてこの時、付き合い方を間違ってしまうと、時に大きな損失につながってしまうのです。
株価が下がったらどんな気持ちになりますか?もし保有している株の株価が下がり続けたら「こんなことならもっと早く売っておけばよかった」「こんな株買うべきではなかった」「我慢して持ち続けていればそのうち株価は戻るだろう」といった感情が生じるのではないでしょうか。
一方、保有していない株の株価が大きく下がったら「安く買えるからうれしい!」「もっと下がるかもしれないので下手に手を出すのはやめておこう」といった気持ちになると思います。
しかしこれらの気持ちは、株式投資で大きな失敗につながりやすい思考なのです。
「もっと早く売っておけば…」は絶対にNG
株式投資では「たられば」がつきものですが、これをいかに低減できるかが重要です。
投資初心者にとって最も多い思考、それは株価が大きく下がった後に「もっと早く売っておけばよかった…」というものです。しかしこれは株式投資で成功したいなら絶対にNGです。
これは、株価が大きく下がった後に悔しがるのがNGというのではなく、株価が大きく下がった後に、株を持ち続けてしまっていることがNGなのです。
その理由は明白です。株価が大きく下がってしまったのに持ち続けているということは、すでに多額の含み損を抱えてしまっているからです。
そしてもう一つの理由、それはこのような思考をするということは、「買った後株価が下がったらどうするのか?」を考えずに株式投資をしていることに他ならないからです。
言い換えれば、買った後株価が「上がること」しか考えていない個人投資家が初心者には多すぎるのです。
大きな損失を防ぐには「事前のルール設定」が重要
例えばNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)で多くの個人投資家が買っている某銘柄は、株価が高値から大きく下落していて、個人投資家は含み損を抱えた現実に頭を抱えているといいます。
でも筆者であればそのようなことにはなりません。それは「買った株が下がったらどうするのか?」を、株を買うときにルール設定しているからです。
筆者のルールは皆さんご存じのとおり、「25日移動平均線を明確に割り込んだら売却」ですが、上記の株をもし高値で買ったとしても筆者のルール通りに動けば損失はかなり小さく抑えることができています。
なお、株価が下がっても上がるまで持ち続ける、という考え方もありますが、筆者はお勧めしません。持ち続けた結果、さらに株価が下落したり、何年もの間株価が低迷し続けて一向に上がらない、という可能性も個別株の場合は高いですし、事実塩漬け株に苦しんでいる個人投資家はこの考え方で株式投資をしていることが多いからです。
この点、配当金目的の投資であれば、株価が下がってもそのまま持ち続けてよいと思いますが、実際に株価が下がったときに不安で仕方がない、という気持ちになるのであれば、どこまで下がったら売却するかのルール設定をしておくのがよいと思います。
不安を我慢すると、さらに株価が下がったときにパニックになり、安値で投げ売りしてしまうリスクが高まってしまうからです。
株価だけを見て割安かどうかを判断してはいけない
一方、株価が大きく下がってくると「安く買える機会が到来した!」と思う個人投資家も多いことでしょう。
事実、上記で述べた某銘柄についても、SNSでは「いつが買い時か」という議論が盛んに行われています。
しかし、株価だけを見て割安かどうかを判断するのは危険です。もしそのように判断している方がいるのであれば、そうではなく「なぜこの株の株価がこんなに大きく下がったのか?」という視点で考えてください。
もし、企業の状況に何も変化がなく、株価だけが下がったのであれば、それは確かに割安になったと言ってよいでしょう。
しかし現実は、株価が大きく下がっているということは、それだけ誰かが売っているわけです。そして個人投資家にはなぜ誰かが売っているかまでは分かりませんが、「何らかのネガティブな理由があって売られているのだろう」くらいは推測できます。
株価下落が続く銘柄をいつ買うかのルール設定も必要
株価が大きく下落を続ける銘柄を見ると、大口の投資家が一貫して売り越している一方で個人投資家が買い越しているという構図をとてもよく見かけます。
これは残念ながら、大口投資家が何か明確な理由があり、意思を持ってその株を売り抜けている一方で、個人投資家は単に「株価そのもの」に注目して株を買っていることの現れなのです。
株価が下がり続けて割安に見えたとしても、個人投資家には知りえない何かネガティブな材料が内包されているかもしれません。そんな中で買い向かった結果、さらなる株価下落で大きな損失を被ってしまう恐れも高いです。
ですから、株価が下がったからといって安易に買い向かうのではなく、例えば株価が25日移動平均線を超えたら買う、といったように下げ止まり(言い換えれば大口投資家の売り需要の低下)を確認してから買うようにすることをお勧めします。
逆に、株価下落がいつまで続くか怖いので様子見をしていたらいつの間にか上昇に転じて買いそびれてしまった、というケースもあるでしょう。それを避けるためにも、どこまで反転したら買うか、というルールを事前に設けておくことはとても有用です。
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