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FRBは「利下げ」を急ぐべき?

トウシル / 2024年6月19日 10時9分

FRBは「利下げ」を急ぐべき?

FRBは「利下げ」を急ぐべき?

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは158.30

下値メドは157.40 

日銀利上げ:「夏から秋にかけて目標達成の可能性高まるなら、利上げを検討」
米利下げ:ウォラー理事「米経済は想定以上に過熱している」
FRB:アトランタ連銀総裁「利下げは第4四半期」 
英インフレ:1年先インフレ期待が下落  
ドイツ:サービス業PMIが50を超えて拡大ゾーンへ。利下げ期待で見通しに楽観

前日の市況

 6月18日(火曜)のドル/円相場は、前日比0.13円の「円安」。

 2024年122営業日目は157.60円からスタートして、東京時間昼前に157.52円まで下落してこの日の安値をつけた。しかし下げは浅く、夜の初め頃に158円台にのせると、158.23円まで上値を伸ばして高値をつけた。終値は157.84円。24時間のレンジ幅は0.71円。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 FOMC(米連邦準備制度理事会)が公表した最新の経済見通し(SEP、Summary of Economic Projections)によると、FOMCメンバーの過半数が、今年の利下げ見通しを1回(以下)と予想していることがわかった。3月時点では3回だった。しかし、これはあくまでも現時点での「見通し」である。FOMCの正式「政策方針」ではない。今後発表される経済データによっては2回に増える可能性もあるということだ。

 この日発表された米5月小売売上高は前月比0.1%と予想(0.3%)より低い結果で、個人消費減速の兆候を示した。前月比は-0.2%に下方修正された。5月の米CPI(消費者物価指数)や、PPI(卸売物価指数)などのインフレ指標は、米国でディスインフレがじわじわと広がっていることを示している。雇用関連のデータでは、新規失業保険申請件数が10カ月ぶりの水準まで増加した。今年の利下げは2回あると考えるマーケット参加者も多い。

 ただ、米国のインフレは経済問題であると同時に政治問題でもある。バイデン大統領が、長引く高インフレを理由に支持率を落としていることを考えると、米大統領選前に利下げはできないとの意見もある。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

日々の収穫量で一喜一憂してはいけない、植えた種の量を気にすべきだ – ロバート・ルイス・スティーヴンソン(作家)

Fight For Your Right

 FOMCが6月の会合で公表した最新の経済見通し(SEP、Summary of Economic Projections)は、FOMCメンバーの多くが利下げに慎重な考えを持っていることを明らかにした。政策金利の予想であるドットチャートでは、メンバーの過半数が、今年の利下げ見通しを1回(以下)と予想していた。3月時点では3回だった。

 パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が懸念するのは、FRBが利下げをした場合、それが「利下げサイクルの始まり」と受け取られることで金融市場が急速に緩和状態になって経済がオーバーヒートを引き起こし、インフレ率を2%まで低下させるチャンスを台無しにするリスクが高まることだ。

 しかし、FRBは利下げを早急に開始するべきとの主張も少なくない。「データ重視」アプローチをとるマーケットが、ファンダメンタルズを無視した緩和状況に逆戻りするというのは杞憂だ。むしろ、FRBが利上げを長引かせれば長引かせるほど、後でもっと利下げが必要になる可能性がある。

 2021年から2022年にかけて米国でインフレが上昇し始めたとき、FRBは「インフレは一過性にすぎない」と間違えただけでなく、「早すぎる利上げはせっかく育ってきたインフレの芽を摘む」として利上げを遅らせた。その結果、米国のインフレは、目標値の2%をあっさり超えて一時9%台まで暴走した。今のFRBは3年前と逆の間違いを犯すリスクが高まっている。

 

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の重要ブレークアウトレベル

出所:楽天証券作成

コーンチャート分析

出所:楽天証券作成
出所:楽天証券作成

(荒地 潤)

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