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投資詐欺にだまされないで!怪しい投資話のありがちポイント3選

トウシル / 2024年6月23日 11時0分

投資詐欺にだまされないで!怪しい投資話のありがちポイント3選

投資詐欺にだまされないで!怪しい投資話のありがちポイント3選

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の西崎 努が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
投資詐欺にだまされないで!怪しい投資話のありがちポイント3選

 資産形成の正解は人それぞれですが、一方で、多くの人が失敗してしまう考え方や、やり方があるようです。このシリーズでは、資産形成を始める人が陥りがちな失敗事例を取り上げ、やってはいけない行動を分かりやすく解説します。

お悩み

親が投資詐欺にだまされてしまい、大切な老後のお金を奪われた!!

西北和都さん(仮名)会社員・40歳(既婚、共働き、子ども3人)

 ある日、西北さんが近所の実家に子どもを連れて顔を出すと、親が何となく元気がなさそうにしていることに気がつきました。近所とはいえ共働きだとなかなか顔を出す機会は多くないので、孫に会えることを楽しみにしている親なのにどうしたのかと気になりつつも、その日は聞くことができませんでした。

 翌週になって西北さんはどうしても気になったので、一人で実家に帰って親に何かあったのかを尋ねることにしました。すると、昔仕事で一緒に働いていたAさんから連絡があって、飲みながら昔話をして盛り上がっている時に最近どんな投資をしているのか?という話になったそうです。

 Aさんは「自分もこれのおかげで老後は定期的に収入が入って安心して暮らせている」と言って、昔お世話になったから紹介するよと勧められたようです。

 Aさんの仕事での誠実な働きぶりを当時見ていて、投資内容にも違和感はなかったので、それならと銀行預金においてあったお金のうち1,000万円を指定された口座に振り込んだそうです。

 しかしその後、Aさんとは連絡が取れなくなり、投資したはずのお金もどうなっているのか分からなくなってしまい、これはだまされたのだと理解してショックを受けていたようです。

 西北さんはその話を聞いて憤りましたが、今となってはどうしようもなく、警察に被害届を出そうと言っても親はもう忘れたいと言って落ち込んでしまい、何もすることができませんでした。

 西北さんは自分や家族が二度とこのような被害に遭わないように行動しようと決心するとともに、子どもにも投資詐欺や悪い話があることをしっかり教えることにしました。

投資詐欺はこちらの心理を利用して巧みに誘導してくる

 投資詐欺は、人々からお金をだまし取るために虚偽の投資機会を提供する詐欺の一種です。投資家をだますために誘惑し、高いリターンを約束する一方で、実際にはそのようなリターンを生み出す裏付けがない場合がほとんどです。

 その中でも、最近著名人をかたったSNSを通じた投資詐欺が拡大し続けています。著名人の名前や写真を悪用した、うその投資広告が当たり前のように出てきては消えて、また手を変えて出てくることが繰り返されています。「SNS型投資詐欺」と呼ばれ、警察庁でも注意喚起されており、その手口が公開されています。

 投資詐欺は年々巧妙になっており、以下のような特徴が挙げられます。全体的な共通点ではなく、これらの特徴を組み合わせてだまそうとしてきます。

  • 高額な利益や高利回り、もしくは確定した利益を約束する
  • 緊急性を強調し、すぐに投資をするように圧力をかけてくる
  • 信頼性を持たせるために、大企業や著名人のふりをする
  • 複雑なスキームを提示して、理解をさせない
  • コミュニケーションを制限して、情報を精査させない

 日々の生活の中で詐欺に直面する機会があまりない人が多いため、ほとんどの人が自分はだまされるわけないと考えていると思いますが、詐欺グループは組織的にどうやってだますかに力を入れています。

 一度ターゲットにされると日々の生活に影響が出るほど執拗(しつよう)に狙われる可能性もあり、しかも明確な被害や証拠がなければ自己防衛に努めるしか手段がないケースもあります。

 特に「高齢者」「資産家」「独り身」などに該当する人は要注意ですが、保有資産があまりない「未成年」もターゲットとされやすく、投資詐欺の被害は発生しています。

 今回は、自分だけではなく大切な人を守るためにも、知っておきたい投資詐欺からお金や生活を守るための注意点をお伝えします。

怪しい投資話のありがちポイント1:うまい話には裏があると「疑念」を持つこと

「うまい話には裏がある」といわれるように、あまりにも良い話は疑ってかかるべきです。一般的な投資の話でも、良いことしか説明がなければ、何か説明されていないデメリットやリスクがあるのではと考えましょう。

 私も、仕事をしている時にあまりにも良過ぎる話が持ち掛けられた場合には、私に提案せずに自分でやったら良いのでは?とお答えするようにしています。これは投資でも同じで、確実にもうかる話なら人に勧めずに自分で投資すればいいだけです。

 それを他人に勧めている時点で確実にもうかる話とはいえないでしょう。良い点と悪い点の両方の話をすることは当たり前のことです。

 ただ、こうした話は往々にして特別感を醸し出したり、緊急性があるとして考える時間をあたえないように提案されたりします。できるだけ冷静な判断ができないように誘導することによって、当たり前の判断ができないようにしてきます。

 詐欺は、冷静に考えればだまされるはずがない提案がほとんどです。つまり、だます人はいかに「冷静に考えさせないか」を考えたり、「冷静でないタイミング」を狙ってさまざまな方法でアプローチをしてくるわけです。

 そんなうまい話が簡単にあるわけもなく、投資にはリターンと一緒にリスクがつきものであるという当たり前のことを忘れないようにしましょう。

怪しい投資話のありがちポイント2:投資話をうのみにせずに「確認」をすること

 投資詐欺はよくよく考えたらおかしい話や、過去に似た詐欺話があったりします。同じような詐欺であっても名称が変わったり、手口や勧誘場所を変えたりすることで新たな被害が広まることも多々あります。

 実際、過去には多くの投資家が詐欺に遭い、大きな損失を被っています。安易に投資話をうのみにせず、慎重に「確認」を行うことが不可欠です。では何を確認するべきなのか? 私からおすすめしたい確認事項は次の通りです。

1.情報の信頼性を確認する

 まずは提供された情報が信頼できるのかを確認します。投資案件を持ってきた人の所属する企業がきちんと金融庁などの公式機関に登録されているのか、万が一されていなければ法律上問題がないのかをしっかり確認する必要があります。

2.投資のリスクとリターンを確認する

 投資詐欺の多くは大したリスクがない(もしくは全くない)上にリターンが約束されているような提案をしてきます。リスクを大して説明もせずにリターンを強調してくるような話には要注意です。リターンよりもリスクをしっかり確認しましょう。

3.投資先の実態を確認する

 投資詐欺では投資先の実態がないこともあります。ありもしない企業の株式や売買される予定のない不動産、複雑で内容が分からない投資話などを提案してきます。またポンジスキーム(新しい投資家から集めたお金を使って、既存の投資家に高いリターンを支払う詐欺)では一見実在するように見せかけて、ある日急に支払いがなくなったり倒産したりします。

 こうした詐欺集団の企業であっても実害が出るまでは広告を普通に出していることもあるので、きちんと実態を確認することが重要です。

4.契約内容をきちんと確認する

 投資をする前には必ず契約内容をきちんと確認しましょう。特に、手数料、リスク、解約時の条件に関する条項などを細かくチェックしましょう。曖昧な点や疑問がある場合は、納得できるまで説明を求め続けることが大切です。

5.第三者の意見を確認する

 自分で確認するだけではなく、第三者の意見を確認することで自分では気づけなかったことが分かるかもしれません。今ではネットでも簡単に確認することができますし、専門家による無料相談もたくさんあります。いろんな視点の意見を確認することが投資詐欺を回避するためにとても有効です。

 投資話をうのみにせずに「確認」を行うことは、投資詐欺に遭わないための最善の防衛策です。逆に投資詐欺の被害に遭った方々は、何かしらの理由があってこうした確認をしていなかった可能性があります。投資は最終的には自己責任であり、利益も損失も自分に返ってきます。しっかりとした確認作業が成功の鍵ということを覚えておいてください。

怪しい投資話のありがちポイント3:知り合いだからと信頼しすぎないこと

 残念な話ですが、お客さまの相談に乗っていると知り合いにだまされたという話も珍しくはありません。普段からよく会う人というよりは、昔お世話になった人、世話をした後輩、中には昔担当だった金融機関の営業員が会社を辞めて提案しにきたなど、以前に付き合いはあったけど今は少し疎遠になっている人から被害を受けていることが多いようです。

 また、相手はだますつもりがないというケースもあります。その知り合いも第三者から勧められて、本当に良いと思って善意で提案していることがあります。自分に知識がないことによって、知らぬ間に自分も投資詐欺の片棒を担いでしまうのです。

 普段なら引っかからないような投資話であっても、「知り合いだから」ということで深く考えずに大丈夫と思ってしまう人が一定数います。性善説の考え方は個人的には好ましいと思いますが、お金に関わる話であればある程度慎重に考える必要があります。知り合いだからといって安易に信頼しすぎることなく、きちんと投資の内容を「確認」することを怠ってはいけません。

 知り合いに自分がだまされているかもしれないなんて想像できないと思いますが、現実問題として被害に遭っている方もいます。被害状況を鑑みると「自分に知識がないことで、相手に任せすぎていた」というように信頼関係を利用した詐欺が発生しています。

 もちろん詐欺をした人が悪いのですが、お金の知識を得てきちんと管理をすることは、自分の身を守るためだけでなく、周囲の人が悪事を起こすきっかけをなくすことにもつながります。

自分だけでなく大切な人の大切な資産を守るために

投資詐欺は私たちの身近にたくさんあることを知ろう

 金融教育のために某中学校・高等学校で授業をした際に驚いたのは、中学生で悪徳商法について種類や被害を学んでいる点でした。たしかに家計や投資の話をする前に、世の中には悪いことを考える人がいて、自分の身を守るためにはどうしたらいいのかを知ることの方が重要度は高いでしょう。

 投資詐欺は普段は出合うことはないかもしれませんが、私たちの身近に確かにあります。SNSのようなネットコミュニケーションだけでなく、普段の人付き合いの中でも出てくる可能性はあります。

 しかし、一定の投資知識を身につけ、うまい話には乗らずに、「確認」するべきことを確認し忘れないことで、被害から身を守ることはできます。自分だけでなく、子どもや高齢になった親を守るためにも、投資詐欺は人ごとではなく確かにあるものだと理解しておきましょう。

■著者・西崎努氏の著書『60歳を過ぎたらやってはいけない資産運用』(アスコム刊)『老後資産の一番安全な運用方法 シニア投資入門』(アスコム刊)が大好評発売中です!

【要チェック】
 楽天証券「トウシルの公式YouTubeチャンネル」では、本連載「やってはいけない資産形成」のコラムを動画で視聴できます。

 また、リーファス社の公式YouTubeチャンネル『ニーサ教授のお金と投資の実践講座』では、同コラムの他にも動画でお金と投資の知識を学ぶことができます。

(西崎努)

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