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個人投資家は、今夜の米雇用統計で円安期待か? 円ショート増える

トウシル / 2024年7月5日 10時10分

個人投資家は、今夜の米雇用統計で円安期待か? 円ショート増える

個人投資家は、今夜の米雇用統計で円安期待か? 円ショート増える

※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「個人投資家は、今夜の米雇用統計で円安を期待?」FXマーケットライブ

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは161.75

下値メドは160.85 

日本経済:円安で家計消費が後退。中国景気後退でインバウンドも不安定  
円安:植田日銀総裁「強い米経済が、為替レートを介して日本経済と物価に影響を与えている」
ドル:南ア準備銀行副総裁「ドル高と米高金利が、新興国の経済成長にマイナス影響」  
BOEへの提言: BOEは「適切なテクノロジーと適切な人材」を配置すべき。政策は過去の予測の過剰依存をやめること - バーナンキ前FRB議長  
英インフレ:ラムスデンBOE副総裁「英国のインフレは下向きリスク」 
ECB:ホルツマン理事「FRBが利下げしなければ、ECBが3、4回利下げするのは難しい」  

前日の市況

 7月4日(木曜)のドル/円相場は前日比0.44円の「円高」だった。

 今週公表されたFOMC(米連邦公開市場委員会)議事録によると、6月会合では、参加者がインフレ低下進展の認識を共有したが、政策金利の見通しについては見解の相違があった。何名かはインフレがさらに上昇した場合は利上げの必要があると主張したが、多くは予期せぬ景気後退に対応できるように金融政策を準備しておくべきとの意見だった。

 雇用市場については、ひっ迫度の低下を示唆するデータが増えていることが確認された。何名かの参加者から雇用統計の就業者増加数が実勢よりも多く計上されている可能性があるとの指摘があった。FOMCは政策決定においてデータを重視しているため、これは重要なメッセージといえる。最新の雇用統計の詳細については「米雇用市場が強いって、本当ですか? 6月米雇用統計 詳細レポート」をお読みください。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 2024年134営業日目は161.59円からスタート。東京時間朝に161.67円まで上昇したのが高値で、この日の上値は重かった。東京時間 夜の初め頃に一時161円を割り、160.95円まで下落して安値をつけた。終値は161.27円。24時間のレンジ幅は0.73円。

 米国市場が独立記念日で休場だったことや本日発表の米6月雇用統計の発表待ちで、動きは限定的だった。英国の総選挙では野党労働党が圧勝して14年ぶりの政権交代が確実となったが、現在のところポンドに大きな動きはない。

ドル/円 最新売買動向:売り持ちと買い持ちの比率が「逆転」

 下のドーナツグラフは、楽天FX口座における個人投資家の最新の売買比率(売りと買いの数量の割合)で、外側のドーナツは「建玉(保有ポジション)」、内側のドーナツは「注文(オーダー)」の比率を示している。

出所:楽天証券作成

 7月5日朝のドル/円のオープン(未決済)・ポジションは、前日と比較して、売り持ちがさらに4ポイント減り、売り持ち「47%」に対して、買い持ちは「53%」となっている。わずかであるが、売りよりも買いが上回った。

 また、ドル/円のオーダー状況は、前日と比較して、売り方向が7ポイント増えて、売りオーダー「50%」に対して、買いオーダーは「50%」となっている。「下がったら買う」という注文が6割近くを占める。

ユーロ/円 最新売買動向:雇用統計直前のポジションを確認

出所:楽天証券作成

 7月5日朝のユーロ/円のオープン(未決済)・ポジションは、前日と比較して、売り持ちが4ポイント減り、売り持ち「64%」に対して、買い持ちは「36%」となっている。ポジションは売り持ちに大きく偏った状態が続いている。

 また、ユーロ/円のオーダー状況は、前日と比較して、売り方向が5ポイント増えて、売りオーダー「29%」に対して、買いオーダーは「71%」となっている。

2024年 主要指標

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

最良の日も、最悪の日も、いずれ陽が沈む

Livin' La Vida Loca

 BLS(米労働省労働統計局)が6月7日に発表した雇用統計では、5月のNFP(非農業部門雇用者)は27.2万人増となり、事前予想の19.0万人増を大幅に上回った。前月急減した政府関連とレジャー、ホスピタリティ部門の雇用が今月は大幅増加したためで、民間部門の雇用者数は全体で22万9,000人増加した。なお、4月分は17.5万人から16.5万人へ下方修正された。

 失業率は4.0%に上昇し、2022年1月以来の高さとなった。平均時給は前月比0.4%上昇し、4月の0.2%増から上振れした。前年同月比は4.1%増となった。前年同月比は2022年3月の5.6%をピークに4.0%台まで下降し、この1年間は横ばい状態が続いていたが、3.0%台まで下がる前に再上昇する気配を見せている。19歳以上の米国人口のうち、働く意欲がある人の割合を示す労働参加率は62.5%に低下した。

 非農業部門雇用者数は再び増加傾向を示している。20万人以上の増加は、雇用市場拡大というテーマが継続していることを示し、FOMCの米景気拡大の認識は強まっている。しかし、25万人を超える増加は、強い雇用市場がFOMC(米連邦公開市場委員会)のインフレ目標達成を妨げるという懸念を強めることになる。5月の非農業部門雇用者数が27.2万人増という結果になったことで、年内2回の利下げの公算が小さくなっただけでなく、2025年にFRBの「利上げ再開」のリスクも高まることになりそうだ。


今週の注目経済指標

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

Winners & Losers

出所:楽天証券作成

(荒地 潤)

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