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元消防士が高配当投資で資産8億円!かんちさんインタビュー[前編]

トウシル / 2024年7月28日 11時0分

元消防士が高配当投資で資産8億円!かんちさんインタビュー[前編]

元消防士が高配当投資で資産8億円!かんちさんインタビュー[前編]

 高配当株をメインに8億円の資産を築いた個人投資家が、自らの投資術をまとめた投資本『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門 「自分年金」を増やす最強の5ステップ』が話題を呼んでいます。著者は、元消防士の「かんちさん」。決して高収入とはいえなかった消防士時代、どこから資産形成に着手したのか? 現在はFIREして悠々自適な生活を楽しむかんちさんに、8億円への道のりを伺いました。

▼かんちさんプロフィール

1961年三重県生まれ。「現金よりも株」をモットーとしていた祖母や父の影響を受け、22歳のとき株式投資を始める。49歳のとき、資産2億円近くに到達し、長年勤めた消防署を早期退職して、FIREを実現。その後も高配当株をメインに投資を続け、現在、資産は8億円に。年間配当金は2,000万円を越える。今年5月、自らの投資法をまとめた著書『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門 「自分年金」を増やす最強の5ステップ』を刊行した。
ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株 投資入門 「自分年金」を増やす最強の5ステップ
2024年05月30日発売/ダイヤモンド社/1,760円(税込。電子版は1,584円)

FIRE後に資産を4倍に増やした

──今年5月に発売になった著書『超★高配当株 投資入門』を読ませていただきました。消防署に勤務しながら資産2億円を築き、49歳でFIREを実現。その後も順調に増やし、今年4月には資産8億円を達成してFIRE。決して高収入ではなく、富裕層の出でもなかったのに、8億円到達はスゴイのひと言です。

かんちさん:いえいえ、私なんかまだまだですよ。10億円、20億円を達成された方も大勢いらっしゃいますし。

──FIREされた後、10数年で4倍に増やされたわけですよね。FIRE後は貯蓄を切り崩して生活している人も少なくないと聞きますが、かんちさんはまったく逆で、ものすごい勢いで増やし続けている。投資以外の収入があったりするのですか。

かんちさん:いえ、株式投資オンリーです。

──いったいどんなマジックを?(笑)。

かんちさん:特別な魔法なんてありませんよ(笑) 私は著書のタイトルにあるように「高配当株投資」を得意としているのですが、このやり方だと、ある程度まとまった資産ができると、そこからは自然に増えていくんです。

 ひんぱんに売り買いしたりせず、ほったらかしにしておいても増えていく。私に特別な才能があったわけでもなんでもない。どんな人でもマネのできる手法だと思います。

──とはいえ、高配当株に投資すれば、誰でも8億円を達成できるわけではないですよね? かんちさんならではの手法を詳しくお伺いしたく思いますが、その前に投資を始めてから今日に至るまでの経緯をお聞かせいただけますか。

かんちさん:最初に株を買ったのは22歳のときです。私の家は、祖母も父も株をやっていて、2人ともよく新聞の株式欄を見たりしていたので、私自身、投資に対する抵抗はありませんでした。それで、社会人になり、ある程度自由になるお金ができたので、自分も挑戦してみようかなと。

──まずは証券会社に足を運んで口座を開設されたんですね?

かんちさん:そうなんですが、証券会社の店舗を訪ねたら、窓口の人に「すでに口座がありますよ」といわれたんです。どうやら父が、私に黙って私名義の口座を開設していたらしい。いずれ息子も株をやるだろうと考えていたのでしょう。

──最初、何の銘柄を買ったか覚えてますか?

かんちさん:父に勧められた大型の鉄鋼株を買いました。当時、鉄鋼各社の株が軒並み低迷していて、安月給の私でも手を出すことができたんです。

バブル崩壊、リーマンショックで痛手を負うも復活

──その頃、成績はどうでした?

かんちさん:投資を始めて間もない頃、祖母の確定申告に同行したことがあるんです。そうしたら、当時の私の年収をゆうに超える金額の株の配当収入があって、ショックを受けました。

 そのとき、自分もいつかは「配当金生活」を実現したい!と思いました。ただ、その頃は、配当金よりも、株価が上がるかどうかに注意が集中していましたね。

 私が株を買うようになって1年が過ぎた頃、ちょうどバブル景気が始まりました。そのせいもあって、しばらくは好調でした。

──その頃、消防士として勤務されていたと著書にあります。失礼ながら、収入はさほど多くなかったはずですが、元手はどうされたんですか?

かんちさん:そうなんです。当時は消防士になったばかりで、月収も10万円に届かない程度だったと記憶しています。公務員なので収入は安定していたのですが、決して多くはないですよね。ただ、祖母の家に住んでいたので家賃はかかりませんでした。

 田舎だったので物価もさほど高くなかったことも幸いして、その中から節約に節約を重ねて、年間100万円ほど投資にあてていました。

──月間8万円近く、投資につぎ込んでおられたんですね。それはスゴイ…。

かんちさん:元手が少ないと、いくら株価が上昇しても利益は限られると思い、節約を心掛け、なんとか100万円捻出していたんです。ぜいたくが好きなタイプでもなかったので、節約生活はそんなに苦しくはありませんでしたが、協力してくれた妻には今も頭が上がりません(笑)。そうしたら5年後には3,000万円に増えた。元手は500万円ですから、6倍になりました。

──5年で6倍に増えたのであれば順風満帆ですね。

かんちさん:いえいえ、そんなに甘くはなかったですね。1991年にバブル景気が崩壊して、資産はおよそ半分に減りました。それから5年ほどは入金したお金が全て泡と消えてしまう状況で、大幅なマイナス収支が続きました。

──どのように巻き返したんですか?

かんちさん:2000年代はじめに不動産バブルが訪れ、一気に上昇気流に乗ることができました。割安だったうちに不動産株をまとめて買ったら、そのほとんどが急騰したんです。その流れの中で資産1億円を達成しました。その後、2000年代半ばにみずほフィナンシャルグループ(8411)の株で大きく資産を増やしました。

 システム障害などの問題を引き起こして業績が悪化し、連日安値を更新していたのですが、国内に数行しかない都市銀行の一つだし、倒産することはないだろうし、いずれ株価も回復するだろう、という確信があったので、少しリバウンドしたところで買い集めました。そうしたら予想通り、上場来高値を記録するまで高騰したんです。

──リベンジできたんですね。その勢いで8億まで一気に増えたんですか?

かんちさん:いえ、みずほ株のおかげで一時は資産3億円に増えたのですが、2008年のリーマンショックでまたしても半分に減らしました(笑)。そこからまた再起を図り、2億円弱に戻ったとき、仕事を辞める決断を下しました。

著書『超★高配当株 投資入門』の9ページより。時折減るが着実に配当金による複利が膨れ上がっていくのがよくわかる。

売買で稼ごうとせず「貯株」に注力する

──投資を始めてから何度かは痛い目にもあったご様子ですが、何度かあったチャンスをしっかりものにしている様子も印象的です。今の主な手法である高配当株に集中し始めたのはいつごろですか?

かんちさん:当時から高配当株も買っていました。高配当株を長期にわたって持ち続けるという手法だったから、当時は兼業投資家だった私でも、無理なく資産を増やすことができたんだと思います。短期間で2倍、3倍に増やすことは無理でも、少しずつ着実に増やしていけます。

 株式投資とは何かと聞かれたら、安値で買って、高くなったら売ることで利益を得るもの、と答える人が多いでしょう。しかし、その方法でコンスタントに利益を上げ続けるのは至難の業です。会社勤めの傍ら、売買を行っている一般の個人投資家が簡単にできることではありません。やはり高配当銘柄への投資が、資産増大の背中を大きく押してくれたんだと思います。

──株の配当金は、1株保有につきいくらという計算で支払われるので、当然、多く保有していたほうか有利になりますね。

かんちさん:そう、だから、私は「貯金」ならぬ「貯株」を意識することをおススメしています。株の売買で稼ごうとするのでなく、まずはできるだけ多く保有することに注力する。もちろん、「配当金がある株を」ということですが。

──かんちさんは優待株も多く保有されていますよね。

かんちさん:優待株も、保有しているだけで利益を得られるという点で、高配当株と同じだと考えています。配当金ではなく、その会社の製品や商品券などがもらえるわけですが。その意味では優待株を「貯株」するのもアリかなと思います。

──これも著書を読んで驚いたのですが、かんちさんは600銘柄以上保有されていらっしゃいますよね。日本の上場企業は約3,900社ですから、全体の7分の1以上の銘柄を保有されている。ただ、その大半は優待銘柄らしいですね。

かんちさん:高価なものでなくても届くとうれしいし、家計の助けにもなります。それで手当たり次第買っていたら、数百銘柄になったんです(笑)。もっとも優待株は、通常、優待をもらえる最低単元しか買いませんから、金額ベースでは多くありません。

──金額ベースだと高配当銘柄が圧倒的に多い?

かんちさん:はい、そうなります。優待株は100株保有が大半ですが、高配当株は数千株、銘柄によっては1万株以上保有しています。金額ベースだと高配当株が5割、優待株が3割、残りの2割が成長株というかんじです。

──かんちさんはフルポジションを貫いているとのことですから、資産8億円のうち、およそ4億円は高配当株ということですね。

かんちさん:はい、だから、年間の配当収入はかなりの額になります。今現在、2,000万円超といったところでしょうか。

──それだけあれば余裕で暮らせますね。というか、かなりぜいたくができる(笑)。

かんちさん:そうなんですが、私、ぜいたくができないタイプでして(笑)。高価な服とか時計とかいっさい興味がないし、食事も低価格のチェーン店で十分です。クルマやバイクも輸入車に乗りたいとは思いません。

──旅行とかは?

かんちさん:旅行は好きですが、国内旅行の場合、ホテルの優待券を使えたりするので、あまりお金はかからないんですよ。

──では、残ったお金は?

かんちさん:もちろん再投資します。

──つまり、配当金を再投資するので保有株が増える、保有株が増えるので配当金がさらに増える、結果、資産がどんどん膨らんでいくと?

かんちさん:ここ数年はそんな状況です。もちろん、今は日本株が絶好調なので、その恩恵も大いに受けていますが。

──では、後編は高配当株投資についてもう少しつっこんでお伺いします。

後編「年間2,000万円の配当金!配当利回り3.5%が絶対条件 高配当投資家・かんちさんインタビュー[後編]」へ続く>>

(トウシル編集チーム)

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