買いたいと思っていた小型成長株が下がっている!今が狙い目?
トウシル / 2024年7月27日 8時0分
買いたいと思っていた小型成長株が下がっている!今が狙い目?
「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第39回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
クイズ:小型成長株のA社とB社、ここで買っていい?
次のA社とB社はともに、東証グロース市場に上場していて、生成AI(人工知能)関連として成長が期待されている小型株です。A社、B社をここで買って良いか、企業業績についての情報と株価チャートを見た上で、ご判断ください。
<A社の業績>
<A社株価チャート:2023年7月3日~2024年7月23日>
<B社業績>
<B社株価チャート:2023年7月3日~2024年7月23日>
ファンダメンタルズ分析とテクニカル分析、両方で判断
株式投資で成功するのに大切な武器は、「テクニカル分析」と「ファンダメンタルズ分析」です。
テクニカル分析とは、株価チャート・売買高の変化を見て、株価が買われる流れにあるか売られる流れにあるか判断する手法です。ファンダメンタルズ分析とは、ファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に当たる個別企業の業績、財務、株価指標、ビジネスモデル、経済環境など分析し、その銘柄の「成長性」や「割安性」を判断する手法です。
テクニカル分析の重要さは、私の著書『株トレ』で解説しています。保有銘柄の株価チャートに「強い売りシグナル」が出たら、どんな事情があろうといったん売るべきです。どんなにファンダメンタルズが良いと信じている銘柄でも、強い売りシグナルが出たら、売って頭を冷やすべきです。
逆に、株価チャートに「強い買いシグナル」が出た銘柄は、黙って買うべきです。銘柄の好き嫌いが激しい人は、嫌いな銘柄に強い買いシグナルが出ても無視しますが、強いシグナルには素直に従うべきです。
とはいえ、見た瞬間に「売り!」とか「買い!」とか確信できるシグナルが出ているチャートは、そんなにしょっちゅう見つかるものではありません。ほとんどの株価チャートは、「やや強そう」「やや弱そう」「中立」のどれかです。
あいまいなチャートのシグナルで無理に売買していると、「だまし」にひっかかりやすくなります。「やや強そう」「やや弱そう」だけで売買していると、逆に持っていかれて痛い目を見ることがあります。
そこで大切なのは、ファンダメンタルズを見ることです。テクニカルとファンダメンタルズを総合的に見て判断することが大切です。
クイズの正解:B社は買っていくべき、A社は買うべきではない
A社は、買うべきでありません。
B社は、積極的に買っていくべきと思います。
【1】ファンダメンタルズ分析では、どちらも「買い」
A社もB社も、成長株投資の一番おもしろいところに見えます。両社とも前期(2024年3月期)は赤字ですが、今期(2025年3月期)に会社予想では売上高が急増して黒字に転換する見込みです。
会社予想通りの業績が達成できるとすると、成長株投資の一番おもしろいところです。ただし、今期はまだ始まったばかりで、本当に会社予想通りの業績になるか分かりません。
【2】テクニカル分析では、A社は「売り(または様子見)」、B社は「買い」です。
テクニカル分析は、株式投資で重要な武器ですが、必ず当たるものではありません。7割当たれば良い方で、3割は外れます。従って、テクニカル分析だけで、自信を持って判断することはできません。
【3】ファンダメンタルズとテクニカルの総合判断
A社はここで買うべきではありません。業績予想を見ると買いたくなりますが、株価チャートには警戒シグナルが出ています。会社の予想はあまりに楽観的でまず達成はムリ、ということに投資家が気付き始めたのかもしれません。
B社は積極的に買っていきたいところです。業績予想を見ると「買い」ですが、本当に業績予想が達成できるか、まだ分かりません。ただし、株価チャートを見ると、業績予想の達成確度は高いと見て買い始めている投資家が増えてきているようです。
テクニカル・ファンダメンタルズ分析を詳しく学びたい方へ
8月1日ごろ、私の「株トレ」新刊が、ダイヤモンド社より出版されます。
「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編」
一問一答形式で、株式投資のファンダメンタルズ分析を学ぶ内容です。
2021年12月出版の前作「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ」の続編です。
前作で、テクニカル分析(チャートの読み方)を学び、今回出版する続編でファンダメンタルズ分析(決算書の読み方など)を学びます。株式投資で個別株投資にチャレンジしたい方、決算書くらい読めるようになりたい方に役立つ内容です。
(窪田 真之)
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