1年半で約500億円の被害額!増える投資詐欺、どうすれば身を守れる?
トウシル / 2024年8月8日 16時0分
1年半で約500億円の被害額!増える投資詐欺、どうすれば身を守れる?
優待弁護士・澤井康生さんプロフィール
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最近どんなタイプの投資詐欺が増えているのか
昨今急増している投資詐欺の中で特に多いのがSNS型投資詐欺といわれるSNSを利用した手口です。
これはFacebook、X、Instagram、LINEなどのSNSに表示される広告をクリックさせて、最終的にはLINEなどのグループチャットに誘導して、グループチャットの中で勧誘者と何回かチャットのやり取りをして信用させた後に投資金名目で多額の資金を振り込ませてだまし取る手口の犯罪です。
特に最近流行しているのが、SNS型投資詐欺の中でも著名な投資家、起業家、有識者などになりすます、なりすましタイプのSNS型投資詐欺です。
典型的な例
SNS型投資詐欺の被害発生状況
(3,570件、約506.3億円の被害:令和5年1月~令和6年6月)
投資詐欺の場合、どのような犯罪が成立するのか
まずは刑法上の詐欺罪(刑法246条1項)が成立します。人を欺いて財物を交付させた場合に該当しますので、詐欺罪が成立し、10年以下の懲役となります。
さらに詐欺が組織的に実行されていた場合には特別法の組織的犯罪処罰法3条1項13号の組織的詐欺罪が成立する場合もあります。
投資詐欺も立派な犯罪であり、刑罰も決して軽いものではありません。
被害に遭った場合、どこに相談したらよいか
投資詐欺の被害に遭った場合には通常の犯罪行為で被害に遭った場合と同様に警察に相談してください。
SNS型投資詐欺の場合、SNS上の相手がどこの誰なのかを調べることが必要不可欠になります。一般私人がSNS上の相手がどこの誰なのかを調べることは容易ではありませんのでまず警察に相談した方がよいでしょう。
弁護士に相談すれば被害金を回収できるなどの広告を出している例を見かけますが、弁護士であっても相手を突き止めるのはそう簡単ではありません。弁護士は相手がどこの誰か特定できれば、刑事告訴したり、民事裁判を起こすなどの法的措置を取ることができますが、相手を特定できなければ弁護士といえども効果的な措置を取ることは困難だからです。
ですから、まずは捜査権のある警察に相談すべきということになります。
被害に遭わないためにはどうすればよいか
まずSNSの広告で表示される投資案件は、ひとまずは「詐欺ではないか」と疑った方がよいでしょう。特に最新の手口については警察庁のHPに紹介されていますので、一度、読んでおいた方がよいでしょう。手口を知っておけば、同じような広告や勧誘が来た場合に詐欺ではないかと疑って警戒することができます。
特に最近はやっている著名人なりすまし型詐欺について、著名人がSNS上でそのような投資の勧誘を行うことはまずないので、そのような広告は最初から詐欺と疑ってかかり無視した方がよいでしょう。
SNS型投資詐欺の被害発生状況:被疑者が詐称した職業
また、投資対象として暗号資産や投資手段としてアプリをインストールするよう勧誘された場合には、それらの暗号資産や投資アプリをネットで検索してみて、実在するものか否か調査する方法もあります。
さらに投資金を振り込むように指示された口座について、通常は投資会社の法人名義となるところ、これが個人名義となっていたり、振込先口座が毎回変更される場合は怪しいので、詐欺を疑った方がよいでしょう。
怪しいと思ったら、自分でも調べてみよう!
次に怪しいなと思ったら自分でも調査することです。例えば相手方が実在する金融商品取引業者などであれば、金融庁に登録しているはずです。無登録での金融商品取引業自体が違法ですから、そのような場合には詐欺と疑った方がよいでしょう。以下、金融庁のホームページに、金融商品取引業または暗号資産交換業の登録を受けている業者一覧が掲載されています。
さらに、無登録で金融商品取引業や暗号資産交換業を行っている者で、すでに警告書を発出し他業者も掲載・公表していますので、こちらに該当がないか、確認してみるとよいでしょう。
チャットに誘導されたらまず警戒!
最後に結論ですが、SNS上の広告で出てくる投資の勧誘、特に著名人をモデルとしたものは詐欺の可能性が極めて高いので不用意にクリックしないようにしましょう。また、そのような手口以外の場合でもSNSで出会って投資の勧誘をしてくるパターンも詐欺の可能性が極めて高いので要注意です。
特にチャットで何回かやり取りすると仲良くなった気持ちになりついつい相手を信用してしまいがちですが、しょせんはどこの誰か分からない相手です。安易に信用してはいけません。チャットやチャットグループに勧誘されたらまず詐欺を疑ってください。
SNS型投資詐欺の被害発生状況:被害者の年齢層(総数3,570人)
そのもうけ話、本当?チェックリスト一つでも当てはまったら要注意!
□「必ずもうかる」「あなただけに教える」といった文言がある
□有名人や著名な投資家などの名前が出てくる
□結果的にLINEなどのチャットアプリに誘導される
□アプリインストール画面に誘導される
□何らかの理由をつけて、お金を振り込むよう要求される
□振込先の口座名が個人名だったり、頻繁に変わったりする
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(澤井 康生)
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