9月米利下げ確定で、ドル/円は148円が短期天井か?
トウシル / 2024年8月15日 10時11分
9月米利下げ確定で、ドル/円は148円が短期天井か?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは147.85円
↓下値メドは146.30円
中国不動産:中国政府は、不動産不況の救済策として売れ残った住宅を買い取る計画
対中EV関税:中国製EVの関税は「象徴的」意味合い。米国の輸入割合わずか15%
米労働市場:リッチモンド連銀総裁「労働市場は通常状態に戻りつつある」
円高:中期円コール需要
ECB利下げ:シュナーベルECB理事「今後利下げは慎重なアプローチが必要」
前日の市況
8月14日(水曜)のドル/円相場は前日比0.49円の「円安」だった。
2024年163営業日目は146.81円からスタート。東京市場は売りが優勢。NZ準備銀行(RBNZ)の利下げに反応したクロス円の売りに連れて東京時間昼前に146.07円まで下落してこの日の安値をつけた。ただその後は145円台入りを回避すると147円台半ばまで戻した。
NY市場でこの日発表された米7月CPI(消費者物価指数)は、インフレ率の順調な鈍化傾向を示した。FRB(米連邦準備制度理事会)の9月利下げへの期待が高まるなかで、CPI発表直後に146円台半ばまで下げる場面があったが、すぐに戻すと夜遅くには147.58円まで反発してこの日の高値をつけた。終値は147.33円。24時間のレンジ幅は1.51円。
個人投資家 最新売買動向:
下のドーナツグラフは、楽天FX口座における個人投資家の最新の売買比率(売りと買いの数量の割合)で、外側のドーナツは「建玉(保有ポジション)」、内側のドーナツは「注文(オーダー)」の比率を示している。
ドル/円:
ドル/円のオープンポジションは、売り持ち「50%」に対して、買い持ちは「50%」と、バランスしている。オーダー状況は、売りオーダー「47%」に対して、買いオーダーは「53%」となっている。
ユーロ/円:
ユーロ/円のオープンポジションは、売り持ち「60%」に対して、買い持ちは「40%」と、全体としてみると「ユーロ/円ショート」のポジションになっている。オーダー状況は、売りオーダー「38%」に対して、買いオーダーは「62%」となっている。
ポンド/円:
ポンド/円のオープンポジションは、売り持ち「53%」に対して、買い持ちは「47%」と、全体としてみると、やや「ポンド/円ショート」のポジションになっている。オーダー状況は、売りオーダー「51%」に対して、買いオーダーは「49%」となっている。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
あなたの心が正しいと思うことをしなさい。どっちにしたって批判されるのだから。- ルーズベルト大統領夫人
Something About You
岸田総理大臣は14日に記者会見を開き、派閥の裏金事件への「けじめ」として、9月に行われる自民党総裁選挙に立候補しない意向を表明した。これによって、新総裁が選出されたあと、総理大臣を退任することになる。
ところで、忘れてしまった人も多いだろうが、岸田首相は約2年前の2022年10月28日に「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を発表した。財政支出39兆円、民間支出を含めると71.6兆円という空前の事業規模の景気刺激策だった。
岸田首相の総合経済対策は、「円安を活かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化」が柱だった。しかし「円安」は、観光業など一部のセクターを除くと、多くの日本企業にとって、かつてのようなメリットがないのが現実だ。製造業のほぼ4分の1はすでに海外に移転し、かつてのような為替レートとの関係も今は薄れている。
そこで日本企業を国内に呼び戻すために政府が目指したのが「サステナブルな円安」だった。この2年間、政府・日銀はこの総合経済対策に沿って円安政策を実施した結果、ドル/円は今年の7月には約162円まで円安が進んだ。しかしその後は急速な反動によって、現在は147円台まで円高に戻っている。これは総合経済対策が発表された2022年10月28日の終値(147.48円)とほぼ同水準である。岸田政権が目指した「サステナブルな円安」は振り出しに戻ってしまった。
FRB(米連邦準備制度理事会)が早ければ来月に利下げサイクルを実施して、入れ替わるように日銀が利上げサイクル向けて始動することになれば、今後のドル/円は円安よりも円高に動く確率が高い。1998年に147.70円まで円安が進んだときは、その3カ月後にヘッジファンドのLTCMが破綻してたった2日間で30円も暴落した。
「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」。歴史でまったく同じことが繰り返されることはないが、似たような出来事が起きることはたびたびあるという格言だ。ある日突然、円安が終わる時が来るかもしれない。財務省の神田財務官は円安を抑えるために為替介入をしたが、後任者は円高を防ぐための介入をすることになるかもしれない。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
ヒートマップ分析
(荒地 潤)
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