ジャクソンホールでパウエルFRB議長が語るFRB利下げの可能性は? そして来週のドルはどうなる?
トウシル / 2024年8月23日 9時42分
ジャクソンホールでパウエルFRB議長が語るFRB利下げの可能性は? そして来週のドルはどうなる?
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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「「ジャクソンホールでパウエルFRB議長が語るFRB利下げの可能性は? そして来週のドルはどうなる?」」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは147.00円
↓下値メドは144.95円
賃上げ効果低い?:日本では人口の高齢化により、消費を収入に頼らない人の割合が増えている
日本インフレ:日本企業が労働コストの価格転嫁を強める
FRB:アトランタ連銀総裁:労働市場は昨年より弱含んだが、悪化しているわけではない
米インフレ:ボウマン理事「インフレは当面の間、上昇し続けるだろう」
カナダ利下げ:マックレムBoC総裁「引締め水準である必要はなくなった」
前日の市況
今年もまた、米カンザスシティ連銀が主催する世界金融市場首脳の「夏休みキャンプ大会」が米国ジャクソンホールで開催される。今年は22日から24日までの日程で、今日23日にはパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演が予定されている。
ジャクソンホールはワイオミング州に位置する全米有数の観光地であり避暑地でもある。招待客リストは約120人に上り、FRB理事・地区連銀総のほかに、各国の中央銀行総裁、政治家や学者が高級リゾートホテルに宿泊して、夏の終わりを満喫する。日銀の植田総裁は、国会閉会中審査のため欠席。
8月22日(木曜)のドル/円相場は前日比1.03円の「円安」だった。
2024年169営業日目は145.05円からスタート。
東京時間朝につけた144.85円がこの日の安値。前日の安値(144.45円)まで下がる前に反転して145円台を回復すると、そこからさらに買いが強まり146円台にのせた。
FRB高官が利下げに対して慎重な意見を述べたことを理由に夜遅くには146.52円まで上値を伸ばしてこの日の高値をつけた。ただ前日の高値(146.89円)は超えなかった。 終値は146.30円。24時間のレンジ幅は1.68円。
米労働省は、2023年4月から2024年3月の雇用者数は81万8000人程度の下方修正になると公表した。月ベースで約6.8万人少なくなる計算だ。FRBの金融政策が「引締め的」であることの証明でもあり、9月の利下げはほぼ確実になったといってよいだろう。FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録でも、ほとんどの参加者が「9月利下げが妥当」であるとの見解を示している。
とはいえ、米経済が0.50%の大幅利下げをするほど悪化しているわけではない。2025年はインフレ再燃リスクが高まることが予想されるなかで、FRBの利下げサイクルにはまだ不透明な部分がある。9月以降の利下げについて、データ重視の慎重姿勢を維持するならば、マーケットには「FRBはタカ派」と映り、ドルの下落余地も限定的なるだろう。
2024年 主要指標終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
最も重要な決定とは、何をするかではなく、何をしないかを決めることだ - スティーブ・ジョブズ
Ordinary World
下のグラフは、金融先物取引業協会が公表する店頭外国為替証拠金取引における個人投資家のオープン・ポジション(建玉状況)の月間推移である。
折れ線グラフはFXレートの推移、棒グラフは、各月末時点における、未決済のネットポジションで、プラスの時は「買い持ち」、マイナスは「売り持ち」になっていることを示す。
ドル/円は「下がったら、買え!」
店頭FX取引における7月末の個人投資家のドル/円のネットポジションは、「ロング」に転換した。買い持ちから売り持ちを差し引いたネットポジションは、79.4億ドルのロングになった。6月末時点では、22.9億ドルのショートだった。
7月は、1986年以来38年ぶりの160円台まで円安が進み、財務省が為替介入を実施した。過度n円安に対して国内企業や政治家からの不満が強まるなかで、日銀は7月31日に政策金利を0.25%利上げした。これを受けてドル/円は149.50円まで大きく円高に動いた。
しかし、個人投資家の多くは、この下落を買い増しのチャンスと考えたようだ。ドル/円が下落したあと、ロングポジションは、2022年12月以来約2年半ぶりの水準まで積みあがった。
ユーロ/円は「よかった、やっと下がった」
店頭FX取引における、7月末の個人投資家のユーロ/円のネットポジションは、「ショート」が縮小した。
買い持ちから売り持ちを差し引いたネットポジションは、3.2億ユーロのショートになった。
ショートポジションは6月末より81%減少した。
ユーロ/円は、 4年以上一貫してネットショート状態で、最盛期には43.4億ユーロまで売り持ちが積みあがった。6月には1999年のユーロ発足後の最高値である172円台までユーロ高が進んでいたが、7月の為替介入と日銀の利下げで円高が進むなかで160円台前半まで下落した。 個人投資家はこの機会をとらえて長年のショートポジションを手仕舞いしたようだ。ユーロ/円のショートポジションは2020年4月以来最小となっている。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
ヒートマップ分析
(荒地 潤)
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