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一時1ドル139円台、日経平均は円高で上値重い。18日米利下げは0.25%か(窪田真之)

トウシル / 2024年9月17日 8時0分

一時1ドル139円台、日経平均は円高で上値重い。18日米利下げは0.25%か(窪田真之)

一時1ドル139円台、日経平均は円高で上値重い。18日米利下げは0.25%か(窪田真之)

円高嫌気で売られた日経平均、米国株高を受けて反発

 先週(営業日9月9-13日)の日経平均は1週間で190円上昇して3万6,581円となりました。日経平均は円高を嫌気して、11日に一時3万5,253円まで売られました。米景気減速・インフレ鈍化を受けて、FRB(米連邦準備制度理事会)が年内0.75%~1%の利下げを行うとの思惑が広がり、先週は1ドル140円台まで円高が進みました。日本が祝日の16日(月)には、アジア市場で一時1ドル139円台をつけました。

 今期(2025年3月期)の日本企業の業績予想の前提は1ドル145円前後が多いことから、それを超える円高が進んでいることが、業績の下方修正要因になる懸念が生じました。

 ところが、米インフレ鈍化・利下げ期待を受けて米国株が上昇したことを好感して、日経平均は12日に前日比1,213円高と急反発しました。その結果、1週間では190円の上昇となりました。

日経平均株価週足:2024年1月4日~9月13日

出所:QUICKより楽天証券経済研究所作成

 今年の日経平均は7月11日まで「円安株高」局面が続いていました。米景気が堅調でドル金利が高止まる中で、「円安株高」がいつまでも続く期待がありました。

 ところが、1ドル161円台、日経平均4万2,224円をつけた7月11日を境に、「円高株安」局面に転換しました。米景気が冷え込む不安から米金利が低下して急激な円高が進むと、円高で企業業績が悪化する日本株が売られ、日経平均が急落しました。

 日経平均は、8月5日に一時3万1,458円まで下落していますが、これは海外投機筋による日経平均オプション取引解消によって起こった「過剰反応」と考えています。この急落・急騰はオプション絡みの特殊な取引で引き起こされたもので、経済実態を映したものではありません。これについて詳しい説明をお読みになりたい方は、以下のレポートを参照してください。

2024年9月2日:令和のブラックマンデー続報、歴史的暴落にプット売りが影響(窪田真之)

米利下げ、年内に0.75%~1%?

 今週17-18日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを行うことがほぼ確実です。利下げ幅は0.25%となると考えられています。一時0.5%となるとの期待がありましたが、8月のコアCPI(消費者物価指数)が前月比0.3%上昇と高かったことから、利下げ幅は0.25%との見方が増えています。

 18日のFOMCのもう1つの注目点は、FOMCメンバーによる年末のFF金利予測(中央値)が発表されることです。それを見ることによって、年内あと何%の利下げが見込まれているかがわかります。

 FRBは11月6-7日、12月17-18日のFOMCでもさらに0.25%の利下げを行う可能性が高いと見られています。そうなると、年内に合わせて0.75%の利下げが行われることになります。

 金融市場の一部に、年内3回と考えられる米利下げのうち、どれか1つが0.5%の利下げとなるとの期待もあります。その場合は、年内に合わせて1%の利下げとなります。

 一方、日本銀行は利上げスタンスを維持しています。今週26-27日の日銀金融政策決定会合では政策変更はないと考えられますが、日本のインフレ率も高まっていることから先行き、利上げしていくスタンスです。日米金利差の縮小を見つつ、さらなる円高が進む可能性があります。

 こうした中、米国株は高値で堅調です。インフレが低下して米景気ソフトランディング期待が高まる中、利下げが続く期待があることが好感されています。

米インフレ率(CPI総合・コア指数前年比上昇率)推移:2020年1月~2024年8月

出所:米労働省より楽天証券経済研究所が作成

 8月は総合インフレ率が2.5%まで低下したことが好感された一方、コアインフレ率が3.2%と高止まっていることが懸念されました。コアCPIが前月比で0.3%上昇と想定以上の伸びであったことを受け、FRBは9月の利下げは0.5%ではなく、0.25%に留めるとの見方が広がりました。

 最後に「株トレ」新刊出版のお知らせです。ダイヤモンド社より8月1日に、以下、私の新刊が出版されました。
 
「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編」
 一問一答形式で、株式投資のファンダメンタルズ分析を学ぶ内容です。

(窪田 真之)

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