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「この株を買っておけば間違いない!」は本当?投資情報を見るときの注意点

トウシル / 2024年9月19日 11時0分

「この株を買っておけば間違いない!」は本当?投資情報を見るときの注意点

「この株を買っておけば間違いない!」は本当?投資情報を見るときの注意点

最近目立つ「この株を買っておけば間違いない」系の記事

 株式投資に関連する記事で最近よく見るのが「この株さえ買っておけば間違いない!」とか「この株を買って、後はほったらかしにしておけばOK!」といった論調のものです。

 最近目にしたものだと、「大手商社株を買って持ち続けていればうまくいく!」というものがありましたが、果たしてそれは本当なのでしょうか?

 投資経験の乏しい初心者の方だと、記事の文章を読んで何となく納得してしまうことも多いと思いますが、筆者の感覚ではそれは非常に危険と感じます。

 投資初心者の方は、ご自身で記事の内容を吟味したり、記事が有益なものなのか意味がないものなのかを判断する経験が乏しいので、どうしてもネットの記事やSNSの情報に振り回されてしまいがちです。

 今回のコラムでは、なぜ「この株を買っておけば間違いない」という類の記事をうのみにすることが危険なのかについてお話していきたいと思います。

株価が大きく上昇した銘柄を取り上げることが極めて多い

「この株さえ持っていれば大丈夫」系の記事に書かれている銘柄を見ると、ほぼ全てと言っていいほど、足元の株価は大きく上昇しています。

 もし、株価が低迷を続けている銘柄について「この株を持っていればOK!」と言ったところで、その見解自体は正しいのかもしれませんが、一般の個人投資家からみれば説得力がまるでない、ということになってしまいます。

 ですから、株価が大きく上昇した銘柄が取り上げられることが極めて多いです。

 最近だと、大手商社株や大手銀行株、景気敏感株などがよく取り上げられています。

株価が大きく上昇する前の株価の動きは必ずチェックすること

 例えば大手商社株であれば、銘柄により多少値動きが異なりますが、大きく上昇をしたのはここ数年のことです。

 それまではあまり大きな上昇はせず、横ばいに近い動きを実にバブル崩壊後30年近くにわたり続けていました。

 また、ある景気敏感株も、足元では上場来高値を更新しているのですが、バブル時の高値を超えたのは2024年になってようやくであり、バブル崩壊後30年以上、株価は大きく上昇することなく低迷を続けていたのです。

 しかし、「大手商社株を買っておけば間違いない!」という記事を読んでも、残念ながらそのような過去の株価の値動きについては一切触れられていません。

 つまり記事の内容をうのみにするのではなく、過去の株価の動きがどのようなものだったのかを、自分自身で確認する必要があるのです。

 そうすれば、確かに大手商社株は軒並み上場来高値まで買われているのは事実である一方、株価が大きく上昇を始める数年前までは、バブル崩壊後30年にわたり横ばいに近い動きが続いていたことが分かるのです。

 ですから、ここ数年のような株価の大きな上昇の方がまれな動きであり、今後10年、20年と再び横ばいに近い動きになる可能性もある、と考えなければいけないと思います。

これまでがそうだったから今後も同じようになるとは限らない

 無論、例えば大手商社株であれば今後も株価が大きく上昇をするかもしれません。でも、今後はそうはならないかもしれません。

 要は、将来の個別銘柄ごとの株価がどうなるかなど、誰にも分からないのです。ですから筆者に言わせれば、「この株さえ持っていれば大丈夫」という専門家のコメントはあまりに無責任に感じてしまいます。

 今までの株価の動きが非常に好調だったからといって、今後も同じようになるとは限らない、ということを特に投資初心者の方は肝に銘じておいてください。

 個人投資家が個別株に投資する際に絶対にしてはいけないことは、「この株を持って長期保有していれば間違いない」と信じ込み、その株の株価が大きく下落しても持ち続けてしまうことです。

 誤解のないように補足しておくと、「この株は長期的に有望だから長期保有しよう」と考えて投資すること自体は問題ありません。

 実際、長期的に見て株価が大きく上昇する銘柄も数多くありますし、株価が上昇しているのであれば、そのまま保有を続けることに何ら問題はなく、望ましいことです。

失敗を避けるための売却ルールをあらかじめ決めておくことが大事

 避けなければいけないのは、「この株は長期的に有望だから長期保有しよう」ということを貫いてしまい、株価が下がっても持ち続けてしまうことです。

 個人投資家が陥る失敗のダントツのトップは、「塩漬け株を作ってしまうこと」です。有望株だからといって株価が下がっても持ち続けていると、結果として塩漬け株を作ることになってしまうのです。

 ではどうすればよいのでしょうか?筆者であれば、長期的に株価が大きく上昇すると思って投資した銘柄であっても、「移動平均線を明確に割り込んだら売却する」というルールを設定し、塩漬け株の発生を未然に防いでいます。

 株価が下がっても持ち続けるから塩漬け株になってしまうわけですから、株価がどこまで下がったら売るかを事前に決めておけばよいのです。

 株式投資では、誰の発言・見解を信じるかによって、投資成績に雲泥の差が生じます。後で後悔しないためにも、ネット記事やSNSでの発信内容をうのみにするのではなく、自分自身でしっかりとかみ砕いて、有用な情報なのかどうかを正しく判断するようにしてくださいね。

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(足立 武志)

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