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利下げは0.25%か0.50%か? 今夜のFOMC、何を見ればいい?

トウシル / 2024年9月18日 9時57分

利下げは0.25%か0.50%か? 今夜のFOMC、何を見ればいい?

利下げは0.25%か0.50%か? 今夜のFOMC、何を見ればいい?

今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは143.25

下値メドは140.60 

確証バイアス:認知心理学や社会心理学における用語で、仮説や信念を検証する際にそれを支持する情報ばかりを集め、反証する情報を無視または集めようとしない傾向のこと
英原発:英労働党は、クリーンエネルギーとして原子力発電推進をマニフェストに
米株式市場:S&Pは年内あと20%上昇余地
欧中貿易摩擦:中国がEUからの豚肉輸入に報復関税  
RBA:利上げはしないが、最初の利下げは来年2月までなし。2025年末政策金利3.35% 

前日の市況

 9月17日(火曜)のドル/円相場は、前日比1.84円の「円安」だった。前日比円安は6営業日ぶり。

 この日発表された小売売上高などの米指標は予想以上に堅調で、今夜のFOMC(米連邦公開市場委員会)の大幅利下げの確率がやや低くなったことからドル買い戻しの調整が入った。

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 2024年187営業日目は140.57円からスタート。

 東京時間昼前に140.32円まで下げたが140円割れは回避した。NY市場の米指標発表後に前日の高値(140.91円)を超え、ドル買いが強まるなかで141円台を登り抜けて、明け方には142.47円まで上昇してこの日の高値をつけた。終値は142.41円。24時間のレンジ幅は2.14円。

出所:楽天証券作成

 金融政策は、実際の経済に反映されるまでに、半年から1年の遅れ(ラグ)がある。今日利下げをしたからといって、明日の経済が変わるわけではない。最悪なのは、経済データが急速に悪化してしまって、FRBが長期的な予測やプランを持たないまま、緊急対応を迫られることだ。

 FRB(米連邦準備制度理事会)は、政策決定において「データ重視」主義を掲げ、リアルタイムの経済データに反応している。FRBは、予測を立てそれに基づいて行動すべきだという考えを、やや意図的に捨てているようだ。予測が間違っていることは悪いが、予測を持っていないというのはもっと悪い。

25か50か、それが問題だ

 FRBの現在の政策金利は1年前と変わっていないが、経済の状況は明らかに変わっていて、しかも弱くなっている。すなわち、政策は当初の意図よりも、かなり引締め状態にあるということだ。もしドットチャートが「予想より少ない利下げ」を示すならば、FOMCは成長カーブに遅れているとの批判を招くかもしれない。

 逆に「予想より多い利下げ」ならば、それはFOMCが6月の時よりも米国の成長リスクに対する懸念を高めているというであり、米企業の将来収益リスクが現在の株価に織り込まれているよりも大きいことを意味する。利下げ幅の大きさが、必ずしも株式市場にプラスになるとは限らない。

 金利市場は、来年6月までに政策金利のFF金利が、現在の5.25%から3.00%まで引き下げられると予想している。つまり2.25%の利下げがあるということだ。今回9月から来年6月までにFOMC会合は7回開かれる。そうすると0.25%x5回(1.25%)にプラスして、0.50% x 2回(1.00%)の利下げが必要ということになる。FOMCの焦りは、マーケットを不安にさせる可能性がある。

 しかし、FOMCが今回、ドットチャートにおいて、2025年末のFF金利が3.0%になるような予想を示すならば、来年末までのFOMC会合11回のうち利下げは0.25%x9回で間に合うことになる。FOMCの余裕はマーケットに安心感を与えるかもしれない。

FOMC前後の「円安・円高のメド」 

円安のメドは;
144.23円
144.03円
143.80円    09/09 高値
143.71円
142.46円    09/17 高値

円高のメドは;
140.32円 
139.58円    09/16 安値
138.06円
137.68円
137.24円    2023年07月 安値

2024年 主要指標

出所:楽天証券作成

今日の為替ウォーキング

今日の一言

策は力を凌ぐ

The Heart of Rock & Roll

 政策金利(FF金利)を5.25%-5.50%に据え置くことを決定した7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)会合では、声明文の内容に重要な変更があった。前回までの声明文は、インフレのみに焦点を合わせた、「引き続きインフレリスクに高い関心を払っている」という表現だったが、今回は「(インフレと雇用の)デュアル・マンデート(2大責務)の両面リスクに注意を払っている」に変更されていた。

 労働市場についての認識も変わっていた。前回までは、「雇用の増加は力強く、失業率は低いままである」だったが、7月の声明文では、「雇用の増加は緩やかになり、失業率は低いままであるが上昇した」と慎重な表現に置き換えらえた。

 パウエル議長によると、FRBは今「インフレ再加速」と「米経済の減速」という「二面性のリスク」に直面している。FRBが早急な利下げに踏み切ればインフレが再加速する可能性がある一方で、利下げが遅すぎると経済に悪影響を与えるおそれがあるのだ。FOMCの利下げは0.25%なのか、それとも0.5%利下げなのか。しかしより重要なのは9月の利下げ幅よりも、今後の利下げの回数だ。

 FOMCが、9月、11月、12月と三回連続で金利を引き下げた場合、年末のFF金利は4.625%になる。来年は3月まで毎会合、それ以降は四半期毎で計5回、1.25%の利下げをして、2025年末の金利を3.375%まで下げる。2026年は、利下げサイクル最後の仕上げとして0.25%引き下げて、FF金利は3.125%。これは現在のFOMCの長期予想に一致する。

出所:楽天証券作成

今週の注目経済指標

出所:楽天証券作成

今日の注目テクニカルレベル

出所:楽天証券作成

タイムゾーン 分析

出所:楽天証券作成

(荒地 潤)

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