家計の資産配分どうなっているか、わかりますか?資産形成はじめの一歩!
トウシル / 2024年9月21日 8時0分
家計の資産配分どうなっているか、わかりますか?資産形成はじめの一歩!
「クイズでわかる!資産形成」(毎週土曜日に掲載)の第47回をお届けします。資産形成をきちんと学びたい方に、ぜひお読みいただきたい内容です。
今日のクイズ:家計の金融資産のうち、株式と現預金の構成比は?
長期の資産形成で、投資成果のほとんどはアセット・アロケーション(資産配分)によって決まります。国内株式、外国株式、外国債券、国内債券などの資産に、保有する投資資金を何%ずつ配分するかが重要です。
今日は、日本の家計全体の金融資産が、どのようなアセット・アロケーションになっているかを当てるクイズを出します。
家計の金融資産2,199兆円(2024年3月末時点)の資産種別内訳は、以下の通りです。【1】、【2】に当てはまる資産は何でしょう? 選択肢【A】、【B】より、選んでください。
選択肢【A】株式など
選択肢【B】現金・預金
<日本の家計の金融資産:2024年3月末時点>
敵を知り、己(おのれ)を知れば百戦するとも危うからず
皆さまは、ご自身が保有する金融資産のアセット・アロケーションが現在どうなっているかご存じですか? 例えば、金融資産を400万円持っていたとして、そのアセット・アロケーションがどうなっているか、以下のような表にまとめることはできますか?
<アセット・アロケーションの一例>
保有する投資信託は、何に投資する投資信託かによって、どこに入るか決めましょう。例えば、日経平均インデックスファンドならば、国内株式に入れましょう。全世界株式(オールカントリー)に投資している場合は、外国株式に入れましょう。オールカントリーの一部が、日本株に投資していますが、金額が小さいので問題ありません。
バランスファンド(国内株式50%・国内債券50%)に投資しているならば、国内株式と国内債券に半分ずつ入れましょう。
年金や保険の権利も、金融商品です。そこまで調べてアセット・アロケーションがどうなっているか、きちんと把握できれば理想的ですが、年金や保険の現在価値まで調べるのは大変かもしれません。最初は、年金・保険を除く金融商品だけ対象にすれば良いと思います。
ご自身の金融資産のアセット・アロケーションがどうなっているか、即座に答えられる方は少ないと思います。特に、他人のススメでいろいろな金融商品を次々と買ってきた人は、トータルで自分の運用がどういうアセット・アロケーションになっているか分からない方がたくさんいます。
長期的な資産形成を計画的に行うためには、まず、現在、保有する金融資産のアセット・アロケーションがどうなっているかを、きちんと把握することから始めましょう。
敵(金融商品の特性)を知り、己(自分のアセット・アロケーション)を知れば、百戦するとも危うからず。
クイズの正解:現預金が半分、株式が14%
【1】は【B】、【2】は【A】です。
正解を当てはめると、2024年3月末時点の日本の家計のアセット・アロケーションは以下の通りです。
<日本の家計の金融資産:2024年3月末時点>
現預金が1,118兆円(50.9%)もあるのが驚きです。日本の家計はほとんどリスクを取る運用をしていないことが分かります。
日本でデフレが続いていた時代ならば、このポートフォリオでも問題ありません。物価が上がらない時代は、現金・預金を持っていても、インフレで目減りすることがないからです。
ただし、これからの時代は、現預金の持ち過ぎは不利と思います。日本にもインフレが復活すると考えているからです。現預金の利息では、インフレによる目減りをカバーできないと予想しています。
資産形成のためのアセット・アロケーションでは、リスク取り過ぎも、取らな過ぎも問題です。適切なリスクを取っていくことが、長期的な資産形成に必要と考えています。
個人個人によって、リスク許容度が異なるので、どういうアセット・アロケーションが良いか一概には言えませんが、参考になるのが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の運用方針です。GPIFは、日本最大、かつ世界でも最大の公的年金で、運用資産254兆7,027億円を保有します(2024年6月末時点)。
そのGPIFの現在の基本ポートフォリオは、以下の通りです。
<GPIF運用の基本ポートフォリオ(2024年9月時点)>
GPIFは、過去約23年で合計162.8兆円もの運用益を獲得しています。とは言っても、決して特殊な運用をしてきたわけではありません。短期トレーディングで収益を稼いだわけでも、株価が倍になる成長株に集中投資して当てたわけでもありません。ごく当たり前の長期・国際分散投資をやることで、運用資金を増やしてきました。
私たちも、まねしようと思えば、簡単にまねることができます。老後の準備として、運用で資産を増やすことを目指す私たちにとって、参考になるものです。
GPIFを応用したアセット・アロケーション
皆さまが資産形成するためのアセット・アロケーションとして、GPIF型をそのまま使っても良いですが、個人の事情に合わせて、以下のように修正しても良いと思います。
<GPIF基本ポートフォリオを応用したさまざまなアセット・アロケーション>
GPIFの基本ポートフォリオを、タタキ台として、皆さまにふさわしいアセット・アロケーションを工夫してください。
(窪田 真之)
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