「ふるさと納税」最初の一歩!ワンストップ特例って?寄付上限額は?(窪田真之)
トウシル / 2024年9月26日 8時0分
「ふるさと納税」最初の一歩!ワンストップ特例って?寄付上限額は?(窪田真之)
読者の方から、「ふるさと納税をやってみたいがやり方が分からない」との質問が今でもあります。今日は改めて「ふるさと納税」の基礎を解説いたします。
「ふるさと納税」とは
ふるさと納税は、自分が応援したい市区町村に、実質2,000円の負担で、寄付ができる制度のことです。寄付した自治体から、返礼品が贈られてくる魅力もあります。年収などの条件によって決まる上限額の範囲内で寄付をすれば、寄付額から2,000円を差し引いた金額だけ、ご自身の納税額(所得税および住民税)が減ります。
例えば、実質2,000円の負担で5万円まで寄付できる方の場合、5万円を応援したい市区町村に寄付し、寄付金控除の手続きをすると、2,000円を差し引いた4万8,000円【注】だけ、ご自身が納めるべき税金が減ります。5万円寄付すると、4万8,000円分、納税額が減るわけですから、実質2,000円の負担で5万円の寄付を行ったことになります。
【注】「ふるさと納税」を実施し、確定申告を行うと、所得税、住民税(都道府県民税および市町村民税)の納税額が減ります。5万円を寄付した場合、(1)所得税、(2)都道府県民税、(3)市町村民税の納付額の減少額を合計すると、ちょうど4万8,000円となります。
確定申告なしで、税額控除を受ける方法もあります。
寄付する自治体数が五つ以内なら、ワンストップ特例が使える
「確定申告で寄付金控除の手続きをしてください」と言われても、確定申告した経験のない方には、とても難しいことです。でも、諦める必要はありません。確定申告しなくても、ふるさと納税の寄付金控除を受ける方法があるからです。それが、「ワンストップ特例制度」です。
1年間に「ふるさと納税」で寄付する自治体の数が五つ以内ならば、確定申告をしなくても、ふるさと納税の寄付金控除を受けることができます。それが、「ふるさと納税ワンストップ特例制度」です。ふるさと納税をする際に、寄付をする自治体に、「ワンストップ特例の適用を受ける申請書」を提出する必要があります。
ワンストップ特例を使う場合は、所得税は減りません。住民税だけで、「ふるさと納税額-2,000円」分、納税額が減ります。先に例に挙げた、5万円まで実質2,000円負担で寄付できる方の場合、5万円をワンストップ特例で寄付すると、確定申告しないでも、4万8,000円だけ、ご自身が納める住民税が減ることになります。
「楽天ふるさと納税サイト」などを通じて、ふるさと納税(寄付)を行う際、「税金控除申請に必要な書類送付」について、「必要(ワンストップ特例申請書)」を選択すれば、後で寄付をした自治体から、申請書が送付されてきます。
送られてきた申請書に必要事項を書き込み、「マイナンバー」関連の必要書類を添付して返送すれば手続き完了です。返送用封筒は入っている場合と入っていない場合があります(自治体により異なります)。入っていない場合は、自分で返送用封筒を作成して返送してください。
申請書を自治体から送付してもらわずに、ご自身で作成もできます。以下サイト内の「特例申請書をダウンロードする」からも作成できます。自治体から申請書が送ってこない場合も、ご自身で作成する必要があります。
【楽天市場】ふるさと納税|ふるさと納税はじめてガイド - ワンストップ特例制度について
ご自身でダウンロードして作成する場合は、上の「税金控除に必要な書類送付」については、「不要(電子データで自分で取得)」を選択します。
大切なことは、ワンストップ特例申請書は、寄付する都度送る必要があることです。一つの自治体に1年間に2回寄付する場合も寄付する都度送る必要があります。
寄付した翌年の1月10日までに、申請書が自治体に着かなければならないことに注意してください。2024年のふるさと納税ならば、2025年1月10日までに必着で提出してください。間に合いそうにない場合は、寄付する自治体に相談してください。
「ワンストップ特例申請書」を締め切り前に提出できなかったときでも、「確定申告」すれば、寄付金控除を受けることができます。手間はかかりますが、確定申告で寄付金控除を受けるようにしましょう。
また、間違えて「ワンストップ特例申請書」を1年以内に六つの自治体に送ってしまった場合、全て無効になるので注意が必要です。それでも、「確定申告」すれば、寄付金控除が受けられます。
一部自治体で「ワンストップ申請オンラインサービス」が利用可能に
2022年以降、ワンストップ特例申請の書類提出手続きがオンラインでできるようになりました。対応自治体もどんどん拡大中です。オンラインで提出すれば、書類提出や郵送が不要となります。ぜひ、利用をご検討ください。
詳しくは以下をご覧ください。
「ふるさと納税」最初の一歩!何はともあれ、まず、ご自身の「寄付上限額」を知ろう
年収、家族構成、扶養家族の人数などの条件により、ふるさと納税で自己負担額が2,000円を超えずに寄付できる「寄付上限額」が決まります。その上限額を知らないことには、ふるさと納税は始められません。
まず、以下の楽天ふるさと納税サイトの「かんたんシミュレーター」から、ご自身がふるさと納税の寄付金控除を受けられる「寄付上限額」の目安を、調べる必要があります。
ここで、「年収(2024年の見込み額)」「家族構成」「扶養家族」に関する情報を入力していただくと、寄付上限額(目安)が表示されます。
そこで表示される金額の上限いっぱいではなく、まず一部を使って、ふるさと納税を始めるのが、良いと思います。
確定申告する予定ならば、何件に寄付してもOKです。ワンストップ特例制度を使うならば、寄付する自治体の数が年間で5件以内となるように考えて、1自治体への寄付額を決める必要があります。
12月に入り、2024年の年収額もほぼ分かるようになり、寄付上限いっぱいまでふるさと納税を行う際には、「かんたんシミュレーター」ではなく、「詳細版シミュレーター」で、正確に計算した方が良いと思います。
次に、寄付する自治体を選びましょう。ワンストップ特例を使うならば5自治体まで。
返礼品が魅力的な自治体、応援したい自治体から選ぶのが良いと思います。楽天ふるさと納税サイトを使えば、気に入った返礼品を、自由自在に検索できます。
同時に、ふるさと納税の寄付金控除を受ける方法を、決める必要もあります。確定申告を行うか、確定申告不要の「ワンストップ特例制度」を利用するか、どちらかです。
確定申告をしたことがない人は、確定申告が不要の「ワンストップ特例制度」を利用したらいいと思います。そのためには、1年間に寄付する自治体を5件以内にする必要があります。
医療費控除や寄付金控除などを受けるために、確定申告をしたことがある人は、確定申告によって、ふるさと納税の寄付金控除を受ければ良いと思います。確定申告するならば、寄付する自治体の件数はいくつでも問題ありません。今年は、確定申告する予定がなく、「わざわざ確定申告するのは面倒」ならば、ワンストップ特例から始めたら良いと思います。
次に、寄付する時期を考えましょう。
次に考えるべきは、寄付する時期です。例年、年末近くになってから、ばたばたとふるさと納税をする方が多いですが、理想的には、1~3月、4~6月、7~9月、10~12月に分散して寄付する方が良いです。なぜならば、寄付する時期によって、受け取れる返礼品が異なるからです。季節に応じた、さまざまな特産品を楽しむことができます。
多数の自治体に、時期を分散しないで寄付すると、返礼品が一時期に集中する問題もあります。お米のように、保存の効くものならばいいですが、生鮮食料品などは、冷蔵庫に入りきらなくなることもあります。旬のものを、旬のときにいただくには、時期の分散が望ましいと言えます。
例年、ふるさと納税を12月に集中させてしまう人が多いのですが、なるべく時期は分散した方が良いと思います。
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(窪田 真之)
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