ドル/円、145円台の注目チャートポイントは?
トウシル / 2024年9月27日 9時56分
ドル/円、145円台の注目チャートポイントは?
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著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「「ドル/円、145円台の注目チャートポイントは?」FXマーケットライブ」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは145.30円
↓下値メドは144.20円
欧州:フランスや伊など7カ国がEU財政規律違反の手続き対象に
米インフレ:インフレ鈍化の証拠がもっと必要と言うが、米国の調和インフレはすでに「2%以下」
ブラジル:ブラジル大統領が中央銀行を批判「金利高すぎる」
スウェーデン:リクスバンクは12月追加に利下げ
ポンドと豪ドル:豪ドルは利下げ織り込みすぎ。ポンドは利下げ織り込まなすぎ
前日の市況
9月26日(木曜)のドル/円相場は、前日比0.10円の「円安」だった。
2024年195営業日目は144.66円からスタート。ドル買いがやや優勢のなか、一時145円台にのせたが、東京時間夜遅くに144.11円まで押し戻された。
ところが、NY市場ではこの日発表の米国指標が予想より良い結果だったことで再びドル買いが強まると前日の高値(144.85円)を超えて、145.22円まで円安に動いた。4日の高値(145.56円)に接近したが145円台を定着させることはできなかった。終値は144.87円。24時間のレンジ幅は1.10円。
日銀は、9月20日に開催された日銀会合で、予想通り政策金利を0.25%に据え置き、前回会合からの利上げの影響や金融市場の動向、経済物価情勢を慎重に見極めるとした。
日銀の見通しによると、景気は一部に弱さが見られるものの、緩やかに回復しており、潜在成長率を上回る成長が続くとし、賃金と物価の好循環が引き続き強まることで、中長期的なインフレ期待が高まると考えている。
円安が一段落し、利上げを急ぐ必要性は薄れた。日銀は政策金利を0.25%から0.50%程度に引き上げる機会を慎重にうかがっている。8月に利上げショックで乱高下した株式市場が、利上げに対して耐性をつけ、経済活動や物価が予想通りに上向けば、日銀は政策変更を検討する構えだ。来年1月の利上げが基本シナリオとなる可能性があるが、物価が堅調に推移し、市場が安定すれば、今年12月も可能性が出てくる。9月の調査では、エコノミスト36人中23人が年内の追加利上げを予想していた。
FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げサイクルに入ったことで、金利差のキャリートレードとしてのドルの魅力は今後徐々に失われていく。対照的に、日銀は慎重ながらも、方向は明確に利上げだ。そう考えると、ドル/円の上昇は限定的になりそうだ。
個人投資家 最新売買動向:
下のドーナツグラフは、楽天FX口座における個人投資家の最新の売買比率(売りと買いの数量の割合)で、外側のドーナツは「建玉(保有ポジション)」、内側のドーナツは「注文(オーダー)」の比率を示している。
ドル/円:
9月26日時点のドル/円のオープン(未決済)ポジションは、ショート53%に対して、ロングは47%で、「ドル売り持ち(円買い持ち)」ポジションがやや上回っている状況。
9月第1週から、FRB利下げなどのイベントを経て、ドル/円の売買比率が逆転した。
ここからの円安ポテンシャルは限定的と考える個人投資家が増えているということだろう。
とはいえ、ポジションに大きな傾きが出ているわけではなく、全体的にはまだ中立状態である。
週末から来週前半の「円安・円高のメド」
円安のメドは、
148.05円
147.34円
147.20円
145.56円
145.22円
円高のメドは、
144.11円
142.88円
141.73円
140.44円
140.32円
短期:高値/安値 50% = 143.39
9月1日から9月26日までのドル/円のレンジは、139.58円から147.20円。
レンジ幅は7.62円。
高値と安値の50%(中間点)は「143.39」円。現在のレートは中間点よりも「円安」。
安値と中間点の50%は「141.49」円。::現在のレートはこの水準よりも「円安」。
高値と中間点の50%は「145.30」円。::現在のレートはこの水準よりも「円安」。
長期:高値/安値 50% = 150.77
2024年のドル/円のレンジは139.58円から161.95円
レンジ幅は22.37円。
高値と安値の50%(中間点)は、150.77円。現在の水準は、中間点よりも「円高」。
安値と中間点の50%は145.17円。現在のレートはこの水準よりも「円安」。
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
なぜ労働が賛美されるのか。それは、富裕層が貧民に不満を抱かせないために労働の美徳の価値観を植え付けたことが理由である- バートランド・ラッセル
Smooth Operator
雇用統計は、数ある米経済データの中でもトップランクに位置する重要指標で、マーケットの注目度も常に高く、FRBの政策決定にも強い影響を与える。しかし、雇用統計はデータの精度が低いことでも知られている。
米国の重要な経済指標の多くはアンケート調査に基づいている。一般に、家計調査の回答率が60%を下回るとそのデータの信頼性は低くなるといわれるが、例えばCPI(消費者物価指数)の回答率は55%だ。NFP(非農業部門雇用者数)になるとさらに低く、40%程度しかない。単純に言えば米国企業の半数以上の企業データが欠落していることになる。それだけではなく、コロナ中から急速に増加した副業やスタートアップの小さい会社の雇用状況も統計には正確に反映されていない。
雇用統計のアンケート調査の問題として雇用者増加の推定のために使用するサンプル回答が、(当然だが)存続している事業所のものに偏っていることがある。倒産企業からのデータがほとんど得られないことで、実態よりも「失業者は少なく、就業者は多い」結果になるため、雇用市場の本当の弱点が見過ごされているおそれがあるのだ。
雇用市場の過熱状態はすでに消えているかもしれないのに、データ重視主義を掲げるFRBが雇用統計を信じるあまりに、利下げ判断のタイミングが遅れた可能性がある。
今週の注目経済指標
今日の注目テクニカルレベル
ヒートマップ分析
(荒地 潤)
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