個人投資家のドル/円の見通しは、「151円台をキープする限り、円安継続」!
トウシル / 2024年10月25日 9時53分
個人投資家のドル/円の見通しは、「151円台をキープする限り、円安継続」!
※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の荒地 潤が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「10/25「短期ドル/円の見通しは、「151円台をキープする限り、円安継続」!」FXマーケットライブ」
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは153.10円
↓下値メドは151.85円
対中制裁関税:関税引き上げとは,米消費者から金を巻き上げ米政府と米企業に渡すことである
金融政策:インフレ抑制が成功するかどうかは、すべて「政策の強さと持続性」にかかっている
米中関係:対中60%追加関税で中国GDPは年率2.5%に縮小か
デフレ:耐久財は過去20年間で最も大きく価格が下落
FRB利下げ:11月に利下げしても「利下げサイクル」のハードルは高い
前日の市況
10月24日(木曜)のドル/円相場の終値は151.83円。前日比0.93円の「円高」だった。
米国では大統領選でトランプ候補と共和党の勝利、日本では衆院選での石破自民党の苦戦の予想が伝えられ、FRB利下げと日銀利上げの双方に慎重な見方が広がるなかで、今週のドル/円は153円台まで上昇して日銀利上げ後の高値をつけた。しかし円安の動きが急速だったことや、日銀利上げ後の高値を更新したことで、この日は調整の円買い戻しが入った。
2024年214営業日目は152.64円からスタートした。高値は東京時間朝の152.84円と伸びなかった。前日の高値(153.19円)には届かなかった。その後は徐々にドル売りに押された。海外市場で152.00円を割ると、未明には151.56円まで下値を広げた。もっとも前日の安値(150.97円)まで下げることはなかった。
7月に日銀が利上げを決定した大きな理由のひとつに「円安が物価上昇に与える影響」が掲げられている。
そのインフレ抑制のための円高効果が消滅したことで、政府日銀は、再び介入を行うかあるいは早期利上げを行うかの決断を迫られることになる。
この日のドル/円は「介入警戒感」もあって一息ついたが、 来週の金融政策決定会合で、日銀が「円安容認」と受け取られるような決定をするならば、160円に向けた円安がリスタートする可能性もある。
個人投資家 最新売買動向:
下のドーナツグラフは、楽天FX口座における個人投資家の最新の売買比率(売りと買いの数量の割合)で、外側のドーナツは「建玉(保有ポジション)」、内側のドーナツは「注文(オーダー)」の比率を示している。
楽天FXで取引していただいている個人投資家の10月25日時点のドル/円のオープン(未決済)ポジションは、数量比率でドルショート50%に対してドルロング50%と中立状態になっている。
楽天FXにおける ドル/円価格分布
オープンポジションの価格分布をみると現在の水準(151.80円)から円安方向は、ドルロング/円ショート(赤色のバー)が、ドルショート/円ロング(青色バー)より相当多くなっている。昨日のドル/円が152.80円から151.55円まで下げる過程で、152円台前半から後半のロングを持たされてしまったようだ。
注文状況を見ると、キリの良い152.00円や昨日の高値の152.80円での売りオーダーが多い。現在の水準(151.80円)より円高方向は、ネットでは買いオーダーの方がやや多くなっているが、151.00円より円高は売りオーダーの方が多い。個人投資家は151円を割れない限り、円安が続くと予想して、ドル/円のロングポジションをキープしている。151.00円より円高になった場合は、戦略見直しをすると思われる。
2024年 主要指標
今日の為替ウォーキング
今日の一言
今日一日、怒らず、恐れず、悲しまず、正直、親切、愉快に生きよ
I Should Be So Lucky
FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げをためらっていたのはなぜか。それは、 インフレ率を目標値まで引き下げる唯一の方法が、失業率の上昇だとFRBが信じていたからである。そのためには、引締め政策を続けて経済にブレーキをかける必要がある。失業率が4.3%まで上がったのを確認したFRBは、9月に利下げに踏み切った。
FRBの政策の考えは、フィリップス曲線に従っている。フィリップス曲線とは、 横軸を失業率、縦軸を物価上昇率にとって関係をグラフに描いた時、「失業率が上がるほど、物価は下がる」という曲線を描くというものだ。
しかし米経済は、成長は力強く失業率は低かったのに、インフレ率も低下して、右肩下がりのフィリップス曲線では説明がつかない経済事象が起きていた。高インフレはコロナ禍によるサプライチェーンの混乱が生み出したもので、それが収まるにつれてインフレも失業率とは関係なく低下したという見方になっている。
FRBには、物価の安定と雇用の最大化というデュアルマンデートが(二重の使命)課されている。失業率が上昇するまで金利を高く維持したことは、完全雇用の使命と矛盾するとの批判もある。
米国の急速なインフレ鈍化は、FRBの政策とは「ほとんど関係がなかった」との考えになっている。初期の利上げは必要だったが、後期の利上げはインフレにほとんど影響がなかった。むしろFRBは経済を邪魔しないように潔く利下げするべきだったという考えが主流になっている。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
Winners & Losers
(荒地 潤)
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