自民党の衆院選敗北で「悪い円安」が加速するのか?
トウシル / 2024年10月29日 9時53分
自民党の衆院選敗北で「悪い円安」が加速するのか?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは153.95円
↓下値メドは152.50円
日本経済:日銀生活意識調査 1年後の物価上がる「90%」。経済良くなる「8% 」
株式市場:米株式市場は、今後何年も続くバブルの最初の段階
中国市場:アップル、スタバ、マクドなどが中国市場で急速にシェア失う
FRB:米経済が減速しているのに利下げしないのは「利上げと同じ」
貿易収支:第1四半期で貿易赤字だった国は、世界で日本と南アフリカだけ
前日の市況
10月28日(月曜)のドル/円相場の終値は153.28円。前日終値比0.95円の「円安」だった。
27日に行われた衆議院選挙では、自民・公明連立の議席数は215議席にとどまり、2009年以来の与党過半数(今回は233議席)割れとなった。政権維持のために連立の拡大を模索する石破首相は、連立相手の財政拡大や減税の要求を呑む可能性が高く、これを好ましい動きと捉えた株式市場は上昇した。
しかしFX市場では、日銀の追加利上げが遠のいたことや、財政健全化の後退による日本国債格下げのリスクを懸念して円安が進んだ。一方、立憲民主党政権になった場合は、減税よりも増税の可能性がある。立民の野田代表は金融所得課税の強化を主張している。
2024年216営業日目は、先週末NY終値(152.33円)から0.50円の円安水準の152.85円からスタートした。衆院選挙の結果を受けて石破首相退陣の噂がでるなか東京時間昼前に23日の高値(153.19円)を超えて153.87円まで円安に動いた。もっとも今後の政局はまだ不確定要因が多い。マーケットは今週の日銀会合や雇用統計を控えてポジションを大きく傾けることに慎重で、円安は7月31日の高値(153.90円)に届く前に勢いを失った。
夜遅くには152.40円まで円高に動いてこの日の安値をつけたが、米連邦準備制度理事会(FRB)利下げ予想の見直しによる米長期金利の上昇を受けて再び153円台に戻した。24時間のレンジ幅は1.47円。
今週前半のドル/円 サポートとレジスタンス、ブルベア転換点
レジスタンス:
157.10円 07/23 H
155.99円 07/24 H
155.22円 07/30 H
153.90円 07/31 H
153.87円 10/28 H
サポート:
152.40円 10/28 L
151.46円 10/25 L
150.97円 10/23 L
150.49円 10/22 L
149.09円 10/21 L
短期:(高値+安値)x 1/2 =146.73円
9月15日から10月28日までのレンジは、139.58円から153.87円。
レンジ幅は、14.29円。
高値と安値の50%(中間点)は、146.73円。現在のレートは中間点よりも「円安」。
高値と中間点の50%は、150.30円。現在のレートはこの水準よりも「円安」。
2024年 主要指標
今日の為替ウォーキング
今日の一言
来るものは最大限に利用し、去るものは最小限に関わる
Will You Still Love Me Tomorrow?
米雇用統計ではNFP(非農業部門雇用者数)はもちろん重要だが、それ以前の問題として、果たしてその数字が正確なのかということがある。7月と8月NFPは、合計で予想に比べて8.3万人少なかったが、9月は逆に予想より12.4万人も多かった。このようにブレが非常に大きいのだ。
数ある経済データの中でもトップランクに位置する重要指標である雇用統計は、FRBの政策決定に非常に大きな影響を持っている。そしてFRBの政策はECB(欧州中央銀行)や日銀など世界の中央銀行に影響を与える。おおげさに言えば、雇用統計が不正確であるために、世界の金融市場が間違った方向に進むリスクがあるのだ。
雇用統計の精度が低い原因はいくつかある。まず、BLS(米労働省)の雇用者増加数の季節調整モデルが、雇用市場の構造変化に対応できていないことだ。例えば、これまで1月の雇用者は、前年末のクリスマス商戦の反動で減少するのがパターンだった。しかし、新型コロナ流行後は、そのような季節性を無視して雇用者が急増するようになっている。
また、データ数が少ないこともある。米国の重要な経済指標の多くはアンケート調査に基づいている。一般に、家計調査の回答率が60%を下回るとそのデータの信頼性は低くなるといわれるが、雇用に関する企業の回答率は新型コロナ流行の時期に大きく下がり(ロックダウンの期間中にわざわざ出勤してアンケートに回答しようとする社員が少なかったため)、40%程度しかない。また、統計には副業やスタートアップの小さい会社の雇用状況も正確に反映されていない。
回答率が低いだけではなく、データが存続している事業所のものに偏っていることも問題だ。倒産企業からのデータがほとんど得られないことで、実態よりも失業者は少なく、就業者は多い結果になるのは当然だ。そのため雇用市場の本当の弱点が見過ごされてきたおそれがある。
BLS(米労働省)は今年の8月、2023年4月から2024年3月までの雇用者数が81万8000人程度の下方修正になったと公表した。月ベースでは約6.8万人少なくなる計算だ。つまり、雇用統計の不正確性とは、「実勢よりも多めに計上されている」ことにあるのだ。これは雇用者数が予想よりも多くても割り引いて考えた方が良いということであり、逆に少ない場合には、雇用市場が予想以上に悪化しているということになる。雇用市場の過熱状態はすでに消えているのに、FRB(米連邦準備制度理事会)のデータ重視政策が利下げ判断のタイミングを誤らせた可能性もある。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
タイムゾーン 分析
(荒地 潤)
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