トランプトレードでドル/円は3円超えの円安、155円に接近中!今月中に160円到達か?
トウシル / 2024年11月7日 10時12分
トランプトレードでドル/円は3円超えの円安、155円に接近中!今月中に160円到達か?
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは155.50円
↓下値メドは152.10円
トランプ関税:米輸出企業の負担を増やし、競争力下げるだけの結果に終わる可能性
米利下げ:利下げは引締め政策の調整。緩和政策ではない
GDP統計:GDPは100年前に設計された指標。今の経済を精確に測定することはできない
利下げ:利下げによる直接的な景気刺激効果は限定的。預金金利が下がったからといって個人が消費を増やすことはない
増税:英政府が富裕税導入を検討
前日の市況
11月6日(水曜)のドル/円相場の終値は154.64円。前日終値比3.02円の「大幅円安」だった。
2024年223営業日目は151.53円からスタート。米大統領選の開票開始直前につけた、東京時間朝の151.28円がこの日の安値となった。
トランプ候補の優勢が伝えられるなか、昼過ぎには7月31日の高値(153.90円) を超えて154円台まで円安が進んだ。海外市場に入るとトランプトレードはさらに勢いを増し、明け方には154.58円まで上値を伸ばしてこの日の高値をつけた。
米議会で共和党が上院で多数派となり下院でも勝利がほぼ確実となる中で、米大統領に返り咲くトランプ氏は、右傾化を強め、米国と世界のかかわり方を劇的に変える力を持つことになる。民主党は、バイデン大統領の戦略上の大きなミスもあったが、頼りにしていた票田がもはや存在しないことが明らかになった。
今回の選挙結果の影響は、米国だけのものではなく、海外の政治経済にも影響を与える。トランプ氏の選挙公約である貿易関税引き上げは日本や欧州の輸出企業に逆風となる。米国がウクライナ支援から手を引けば、EU(欧州連合)の防衛費増額が大きな財政負担となる。フランスのマクロン大統領はドイツのショルツ首相と会談して「この新しい状況において、より団結し、より強く、より主権的なヨーロッパを目指す」方法について話し合った。
本日(日本時間明日未明)に、FOMC(米連邦公開市場委員会)は政策金利を発表する。わずか数週間の間に、FRB(米連邦準備制度理事会)の政策に対するマーケットの評価は大きく変化した。7月に利下げをしなかったことが失敗だったという議論が、今では9月の0.5%は下げ過ぎだったという議論になっている。
米国のインフレ率はいまだ目標値を上回ったままで、ダウ平均株価は史上最高値を更新し、金先物は上昇の勢いが止まらない。米国の経済成長はトレンドを上回り、銀行の収益は良好である。
FRBがデータ重視の政策を唱えながら、このような強いデータに基づいて0.50%の利下げを実施したのは辻褄が合わない。FRBがバックワード(振り返り)・ガイダンスからフォワード・ガイダンスに戻るリスクをおかす必要はないが、データが今後も強いままならば、その事実を率直に認める必要があるだろう。
FRBが利下げ方針の見直しを迫られる一方で、ECB(欧州中央銀行)など他の中央銀行は積極的な利下げモードに突入している。中国の景気刺激策はマーケットにとって失望で、新興国通貨はドルに対して弱いままだ。目先、ドル高を止める材料はどこにも見当たらないようだ。
今週後半のドル/円 サポートとレジスタンス、ブルベア転換点
レジスタンス:
157.10円 07/23 H
155.99円 07/24 H
155.22円 07/30 H
154.72円 11/06 H
サポート:
151.28円 11/06 L
150.97円 10/23 L
150.49円 10/22 L
149.09円 10/21 L
主要指標 終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
人間が不幸なのは、自分が本当は幸福であることを知らないからだ - ドストエフスキー
Walk This Way
9月FOMC振り返り
FOMCは9月17、18両日に開催した定例会合で、主要政策金利を0.5ポイント引き下げることを決定した。パウエルFRB議長は、利下げ幅について、FRBがインフレ下落に追いつこうと急いだだけで、経済がおかしくなっているからでないと述べて、0.50%が新たな利下げペースになるとは考えていないと述べた。
FRBは、経済が予想通りに進展した場合、今回を含め2024年に2回利下げを行うことを基本シナリオとしている。ただしパウエル議長は、今後の金融政策については「会合毎に決定」するアプローチを堅持すると話すにとどめ、明確なフォワード・ガイダンスは示さなかった。
パウエルFRB議長はインフレについてパウエル議長は、新規テナントに対する賃貸料の低下を指摘して、住居費が落ち着いてきたことで、一段の低下が期待できるとの見通しを示した。また、雇用市場が縮小していることに関して、インフレ率2%が達成されるために、「これ以上の雇用市場の減速は必要ない」との考えを示している。
今週の注目経済指標
コーンチャート分析
(荒地 潤)
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