1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

日経平均:上値を重くする四つの強弱材料を分析(窪田真之) 

トウシル / 2024年11月18日 8時0分

日経平均:上値を重くする四つの強弱材料を分析(窪田真之) 

日経平均:上値を重くする四つの強弱材料を分析(窪田真之) 

日経平均は3万8,000~4万円のレンジで推移

 先週(営業日:11月11~15日)の日経平均株価は、1週間で857円下がって3万8,642円となりました。先々週(営業日:11月5~8日)は、トランプ・ラリーの一環で日経平均も1週間で1,446円上昇しました。ところが、先週は、トランプ・ラリーが一服、米国株が下がったことを受けて、日経平均も下落しました。

 11月5日投開票の米大統領選で、景気刺激策を公約する共和党のトランプ氏が勝利、さらに同時に行われた議会選で上院・下院とも共和党が過半数を制する「トリプル・レッド」が実現したことを受けて、先々週、米国の主要株価指数(ナスダック総合指数、S&P500種指数、ダウ工業株30種平均)はそろって史上最高値を更新しました。これを好感して、先々週は日経平均も上昇しました。

 ところが、先週は、米インフレ再燃・金利上昇懸念から、米国株が下がり、日経平均も売られました。トランプ氏が景気刺激策を取り、財政赤字が一段と拡大する見通しであることを受けて、米インフレ再燃・金利上昇の懸念が強まったことが影響しました。

日経平均週足チャート:2024年1月4日~11月15日

出所:楽天証券MSIIより楽天証券経済研究所が作成

 2024年の日経平均は、3万8,000~4万円のレンジを中心とした展開となっています。3月と7月に上値をトライしましたが、失敗しました。8月には、下値をトライしましたが、それも失敗しました。10月・11月は、3万8,000~4万円のレンジの往来相場となっています。

強弱材料がきっこう

 さまざまな強弱材料が出ていますが、総括して強弱がきっこうしているため、上下へトレンドが出にくくなっています。

【1】米大統領選

 景気刺激策・規制緩和を取るトランプ氏が勝利したことは強材料ですが、インフレ再燃・金利上昇のリスクを高めるのは弱材料です。

【2】日本の衆院選で与党大敗、少数与党に

 自民党主導で資本主義の成長戦略を進めるのが難しくなったことはネガティブ。野党の要求によって、財政拡大政策が取られやすくなったことが株式市場にプラスとの考えもあります。国民民主党による「年収103万円の壁撤廃」などの政策に期待が高まっています。

【3】日本でもインフレ復活

 企業業績にはプラスですが、利上げ・金利上昇・円高につながればマイナスとなります。

【4】企業業績

 9月中間決算がほぼ出そろいました。円安の追い風があるにもかかわらず、自動車など製造業が低調でさえない決算でした。ただし、ソフトバンクグループなど好業績を発表する企業もあり、東証プライムの9月中間純利益は辛うじて増益になりました。

 楽天証券経済研究所の予想では、今期(2025年3月期)純利益は4.8%増益となりますが、会社予想ベースではほぼ横ばい(0.2%の微増益)予想です。

東証プライム3月期決算主要841社の連結純利益(前期比%):2020年3月期~2025年3月期(予想)

出所:楽天証券経済研究所が作成

日本株は長期投資で買い場の判断を継続

 日本株の投資判断は、いつも述べていることと変わりません。日本株は割安で、長期的に大きく上昇する余地があると考えています。日経平均は、5年以内に5万円まで上昇すると予想しています。

 ただし、日経平均はこれからも、急落・急騰を繰り返すでしょう。従って、リスク管理は大切です。割安な日本株を時間分散しながら買い増ししていくことが長期の資産形成に寄与すると考えています。  

 最後に「株トレ」新刊出版のお知らせです。ダイヤモンド社より8月1日に、以下、私の新刊が出版されました。

「2000億円超を運用した伝説のファンドマネジャーの株トレ ファンダメンタルズ編」

 一問一答形式で、株式投資のファンダメンタルズ分析を学ぶ内容です。

▼著者おすすめのバックナンバー

2024年11月12日:米国株最高値の裏に、五つのトランプリスク。インフレ、米中摩擦、ロシアゲート…(窪田真之)
2024年11月11日:トランプ・ラリーいつまで?お祭り騒ぎの中で気になること(窪田真之)

(窪田 真之)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください