ドル/円 154円台まで円安に戻す。日銀は利上げ時期曖昧で、円高は限定的
トウシル / 2024年11月19日 10時31分
ドル/円 154円台まで円安に戻す。日銀は利上げ時期曖昧で、円高は限定的
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは155.40円
↓下値メドは153.85円
日銀:「中立金利1%に向けた、適時かつ段階的な利上げが必要」
エヌビディア:次世代AIチップの生産問題に直面
原油:OPECは減産延長へ。世界的需要後退で
ゴールド:中国政府は3ヵ月連続で金購入停止
ブラジル:ブラジル中銀、利上げを検討
前日の市況
11月18日(月曜)のドル/円相場の終値は154.64円。前日終値比0.19円の「円安」だった。
この日のマーケットは、日本銀行の政策に対する期待と失望、米国の金利動向が交錯する中で動いたが、強い方向感はでなかった。
2024年231営業日目は154.27円からスタートした。植田日銀総裁の発言への期待で、東京時間朝に153.84円まで円高に動き、先週金曜日の安値(153.86円)をわずかながら更新した。
しかし、植田総裁はこの日講演で利上げについて明確な時期を示さなかった。早期利上げを期待するマーケットには「日銀はハト派」と映り、円は失望で売られた。12月の日銀会合での0.25%の利上げ確率は約54%と見込んでいるが、植田総裁発言前から大きく変わっていない。
ドル/円は夜遅くに155円台にのせ、155.36円まで円安に動いた。ただその後は米長期金利が4.50%近くから4.40%台に低下したことを受け、154円台に戻して引けた。24時間のレンジ幅は1.52円。
ユーロ/ドルは先週1.0496ドルまで下落して年初来安値を更新したが、この日は米長期金利の低下を背景に買い戻されて1.06台まで買い戻された。
米長期金利の低下に加え、ドイツ連銀のナーゲル総裁やアイルランド中銀のマクルーフ総裁が「ECB(欧州中央銀行)は、利下げを急ぐ必要はない」と強気発言をしたこともユーロ買い戻しの材料となった。もっともECB内には異なる見解を持つ理事もいて、クロアチア中銀のブイチッチ総裁は欧州の「インフレ下がりすぎ」リスクを警告している。
今週前半のドル/円 サポートとレジスタンス、ブルベア転換点
レジスタンス:
157.61円 07/22 H
157.10円 07/23 H
156.75円 11/15 H
155.36円 11/18 H
サポート:
153.84円 11/18 L
153.41円 11/12 L
152.62円 11/11 L
152.14円 11/08 L
ドル/円短期:(高値+安値)x 1/2 =149.85円
10月1日から11月18日までのレンジは、142.95円から156.75円。
レンジ幅は、13.80円。
高値と安値の50%(中間点)は、149.85円。現在のレートは中間点よりも「円安」。
高値と中間点の50%は、153.30円。現在のレートはこの水準よりも「円安」。
主要指標終値
今日の為替ウォーキング
今日の一言
良い成績を残せば、自分がやりたいことを選択することができる – ジム・ロジャース
The Final Countdown
FOMC(米連邦公開市場委員会)メンバーの多くが利下げに後ろ向きの考えを示していたのは、わずか3月前のことである。
パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が当時心配していたのは、利下げによって金融市場が急速に緩和状態になり、経済がオーバーヒートを引き起こすことでインフレ率を2%まで低下させるチャンスを台無しにしてしまうことだった。
しかし、FRBが利下げをためらっているうちに、米国の今年の失業率はわずか半年の間に3.7%から4.1%まで上昇した。リセッション時(景気後退期)以外で起きることはめったにないといわれるほどの急上昇である。
マーケットが、ファンダメンタルズを無視した緩和状況に逆戻りするというのは杞憂だ。より急激でより大幅な利下げが必要になるリスクが高まるなかで、FRBは、利下げもっと早くに開始するべきだったという見方は少なくない。
2021年から2022年にかけて米国でインフレが上昇し始めたとき、FRBは「インフレは一過性にすぎない」と痛恨の判断ミスをした。「早すぎる利上げは健全なインフレの芽を摘む」などという理屈でインフレが上昇するなかでも利上げすることに抵抗した。その結果、米国のインフレ率はギズモからアッと今に凶暴なグレムリンに変貌して、一時9%台まで暴走した。
9月のFOMC会合でFRBが異例の0.50%の大幅利下げを決断した理由は、3年前と同じ轍は踏まないという強い意志の表れだろう。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
タイムゾーン 分析
(荒地 潤)
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