FX個人投資家の期待は、円安?円高? 最新ドル/円ポジション状況
トウシル / 2024年11月20日 10時3分
FX個人投資家の期待は、円安?円高? 最新ドル/円ポジション状況
今日のレンジ予測
[本日のドル/円]
↑上値メドは155.40円
↓下値メドは153.85円
米雇用市場:欠員補充をしない「サイレントレイオフ」をする企業が増加
原油:OPEC:2024年の需要見通し引き下げ:中国の景気後退で
FRB:グールズビー・シカゴ連銀総裁「金利は「かなり引締め的」状態」
米インフレ:NY連銀の3年超インフレ期待が、統計開始以来最も低い2.3%に低下。
原油:IEAが2025年の需要予測を下方修正。中国の景気後退で
前日の市況
11月19日(火曜)のドル/円相場の終値は154.64円。前日終値比0.19円の「円安」だった。地政学的リスクや政府当局の発言の影響を受けながら動いたが、強い方向感はでなかった。
2024年232営業日目は154.60円からスタートした。
日銀の植田総裁は、最近の講演で「経済・物価見通しが実現すれば政策金利を引き上げる可能性がある」との考えを示したものの、具体的な利上げのタイミングについては明言を避けた。これが「日銀は円安容認」と受け取られて円は再び売られて154円台に乗せたが、財務省から円安けん制発言が出たことで円安はいったん頭打ちとなった。
東京時間夕方は、地政学リスクの高まりで円高に動いた。ウクライナが米国から供与された長距離ミサイルATACMSを使用してロシア領内を攻撃したことが報じられ、これに対しロシアのプーチン大統領が核兵器使用の条件を緩和する新たな「核ドクトリン」を承認した。マーケットが急速にリスク回避姿勢を強めるなかで、ドル/円は前日の安値(153.84円)を下抜けして 153.27円まで円高に動いた。
ただその後はリスクオフが緩んだ。明け方には東京時間の高値を超えて154.67円まで上昇してこの日の高値をつけた。24時間のレンジ幅は1.52円。
個人投資家 最新売買動向:
11月19日時点の楽天FXのドル/円のオープン(未決済)ポジションの価格分布をみると、現在の水準(154.70円)から円安方向はドルロング/円ショート(赤色のバー)が、ドルショート/円ロング(青色バー)よりかなり多くなっているのがわかる [1]。
今週のドル/円は、植田日銀総裁の講演内容が「円安容認」と受け取られたことが、円売り安心感となって、 155円台まで円安が進んだのち、19日には財務省の円安けん制発言とリスクオフの動きで153円台前半まで急速に円高になった。この動きで、一段のドル高/円安を見込んでいた個人トレーダーは、155円台のドルロングでつかまったようだ。
オーダーの価格分布は、オープンポジションの価格分布とは反対に、現在の水準(154.70円)から円安方向はドル売り注文(青色バー)がドル買い注文(赤色のバー)よりも多くなっている。[2]
多くのトレーダーが154円台後半から155円台で「売り戻したい」、あるいは「ショートメーク」したいと考えているようだ。一方で、153円台前半に向かっては、押し目買いオーダーが増えている。
2024年 主要指標
今日の為替ウォーキング
今日の一言
頭を使って正しく投資をすれば、金が自動的に金を生む。それが投資の面白さだ – ジム・ロジャース
Uptown Girl
日銀が利上げしたくない理由
「インフレ期待」とは、物価の行方を人びとがどう見るかの予想だ。インフレ期待が安定しているときは、物価の上昇が続かないと予想する人が多く、物価上昇の抑制効果がある。しかし、インフレ期待が不安定になると、物価の上昇が続くと考える人が多くなり、買い占めや売り惜しみ、あるいは賃上げ要求といった行動が発生しやすく、現実の物価を押し上げ加速させることになる。
中央銀行の仕事は、金利を調節することによってインフレ期待を安定させ、物価高との悪循環を防ぐことだ。まさに今、FRB(米連邦準備制度理事会)やECB(欧州中央銀行)が行っていることである。
FRBは1年間で述べ5%を超える利上げを続けたことで、ようやくインフレ率をピーク時の半分まで下げることはできた。それでも、インフレ率は依然としてFRBの目標値2%より高い水準にとどまっている。FRBがこのまま引締め政策を続けるなら、いずれかの時点で米経済が高金利に耐えられなくなり、深刻な景気後退が発生するリスクがある。中期サイクルのなかでの金利調整。それが、FRB利下げの理由だと説明されている。景気刺激のための利下げとは目的が違うのだ。
世界の中央銀行にとって、インフレ期待の不安定化は悪夢でしかない。しかし、日銀だけはそうなることを望んできたのだ。日銀は何十年もの間、インフレ期待を刺激することに全力を注いできた。円安を煽って輸入インフレに火をつけ、物価上昇を長く経験させることで、日本人にインフレ期待を形成させようとしてきた。その甲斐あって、ついに日銀はインフレの離陸に成功した。日本の消費者のインフレ期待は急激に上昇している。
日本のインフレはこれからどうなるのか。植田日銀総裁は「長期的に2%のインフレ目標が達成されたなら、インフレ予想も大体2%におさまる」と楽観的だ。物価目標を達成した暁には日銀は政策正常化するので、インフレが暴走することはないと考えている。しかしインフレが都合よく2%で止まるはずないのは、他国の例で明らかだ。
もっとも、日銀は利上げしたくても、絶対にできない理由がある。金利が上昇した場合の利払い費負担が国の財政運営にとって重大なリスクとなるからだ。将来税収で返済する必要がある国の長期債務残高、いわゆる「国の借金」は2023年12月末時点で1,286兆4,520億円だったと財務省が発表した。国民1人あたりで単純計算すると1,000万円を超える。債務残高はここ10年で1.5倍に急増した。日銀が利上げによってインフレを抑制することは、実質不可能な状態になっているのだ。
金利が上昇した場合の利払い費負担が財政運営にとって重大なリスクとなる。日銀が利上げによって円安を抑える、あるいはインフレを抑制することは、ほぼ不可能な状態になっているのだ。逆に言えば、日本経済にインフレを定着させることができれば、政府債務負担が実質的に軽減されることになって、財政の持続可能性がかなり改善することが期待できる。つまり日銀にとっての「正しい政策」とは、低金利をできるだけ継続してインフレ率をできるだけ高くすることである。財務省による為替介入は、円安の是正というよりスピード違反の取り締まりであり、真の目的は円安の長期定着である。したがって、日銀は利上げせず、円安も止まらず、日本のインフレはさらに高くなるのだ。
今週の注目経済指標
今日の重要ブレークアウトレベル
コーンチャート分析
(荒地 潤)
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